動画タイトル:【 #胆道がん 】胆道の役割とは?どんな胆道がんがある?基礎を学ぶ!
講師:尾阪 将人先生(がん研有明病院 肝・胆・膵内科)
ライブ配信:2026年2月13日/編集動画公開:2026年2月19日
※この記事はセミナー動画「【 #胆道がん 】胆道の役割とは?どんな胆道がんがある?基礎を学ぶ!」をもとに作成されています。治療法やその開発段階については、セミナー実施時点のものであることにご留意ください。
概要
「胆道がん」は、胃がんや大腸がんと比べると聞き慣れないかもしれませんが、日本を含むアジア圏で比較的多く見られるがんです。胆道とは、肝臓で作られた「胆汁(脂肪の消化・吸収を助ける液)」を腸へ運ぶ通り道のことです。胆道がんは発生する場所によって「肝内胆管がん」「肝外胆管がん」「胆のうがん」「十二指腸乳頭部がん」の4つに分類され、それぞれ手術の難易度や症状の出方が異なります。
早期発見を阻む「3つの壁」と見逃してはいけないサイン
胆道がんの治療を難しくしている最大の理由は「早期発見の難しさ」です。初期症状がほとんどなく、腫瘍が奥深い場所にあるためエコー検査などでも見えにくく、有効な検診(スクリーニング)方法も確立されていません。
多くの場合、進行して胆管が詰まり、「黄疸(皮膚や白目が黄色くなる)」が出てから気づくことになります。
そのため、「尿の色がウーロン茶のように極端に濃くなる」「便の色が白っぽくなる」「皮膚の強いかゆみ」「右脇腹の痛みや突然の高熱」といった普段と違うサインが現れたら、放置せずにすぐ医療機関を受診することが非常に重要です。
治療の鍵を握る「胆道ドレナージ」
胆道がんが疑われた場合、血液検査やCT・MRI検査に加えて、内視鏡を用いた組織検査(病理診断)で確定診断を行います。
治療の基本は、がんを「手術で切除すること」です。しかし、胆管が詰まって黄疸が出ている状態では手術も抗がん剤治療も行えません。
そのため、内視鏡などを使って胆管にステント(管)を通し、胆汁の通り道を確保して黄疸を改善する「胆道ドレナージ」という処置が、治療を進める上で極めて重要な役割を果たします。
「薬が効かないがん」から「個別化医療」の時代へ
手術が難しい進行がんの場合、かつては有効な抗がん剤がほとんどない時代が長く続きました。
しかし現在では、従来の抗がん剤に「免疫チェックポイント阻害薬」を上乗せする治療が標準となり、数年単位で元気に過ごせる患者さんも現れるなど、治療成績が大きく向上しています。
さらに、「がんゲノム検査(遺伝子検査)」により、患者さん特有の遺伝子変異(FGFR2など)を見つけ出し、それに直接作用する新しい分子標的薬を使用する「プレシジョン・メディシン(個別化医療)」が、胆道がんでも標準治療になりつつあります。
チーム医療とQOL(生活の質)の維持
胆道がんの治療は複雑であり、外科や内科、放射線科、栄養士などが連携する「チーム医療(キャンサーボード)」が不可欠です。
尾阪先生は、極端な民間療法などに惑わされることなく、今までの日常を維持することを目標に「効果と生活のバランス」を保ちながら治療を続けることの大切さを強調しています。
本記事は動画の要点をまとめたものです。動画内では、ドレナージ治療の具体的な方法(金属ステントとプラスチックステントの違いなど)や、胆嚢がん患者である轟浩美さんからの「免疫薬の副作用(いつ病院に連絡すべきか)」といった切実な疑問に対する具体的なアドバイスも語られています。
ご自身やご家族の病気への理解を深めるために、ぜひ動画本編をご視聴ください。