動画タイトル:【 #乳がん 】乳がんの進行・再発を学ぶ夜間学校!教えて、酒井先生!
講師:酒井 瞳 先生(昭和大学先端がん治療研究所/昭和大学病院先端がん治療研究臨床センター)
ライブ配信:2024年10月11日/編集動画公開:2024年10月16日
※この記事はセミナー動画「【 #乳がん 】乳がんの進行・再発を学ぶ夜間学校!教えて、酒井先生!」をもとに作成されています。治療法やその開発段階については、セミナー実施時点のものであることにご留意ください。
【乳がん最新治療】新薬の登場と副作用マネジメントの重要性
乳がんの薬物療法は日々進化しており、新しい薬剤が次々と登場しています。YouTubeチャンネル「オンコロ ちゃんねる」で公開された動画では、昭和大学病院の酒井先生を講師に迎え、転移・再発乳がんを中心とした最新の治療薬や副作用対策について解説が行われました。本記事ではその要点をまとめてご紹介します。
1. ホルモン受容体陽性・HER2陰性乳がんの新薬「カピバセルチブ」
ホルモン受容体陽性・HER2陰性の転移・再発乳がんに対し、新たな分子標的薬、カピバセルチブ(商品名:トルカプ)が登場しました。
この薬は、がんの増殖に関わるAKT経路を阻害するもので、遺伝子変異(PIK3CA、AKT1、PTEN)がある患者さん(ホルモン受容体陽性・HER2陰性乳がん患者の約40~50%)に有効性が示されています。
主な副作用として下痢、皮疹、高血糖があり、早期発見と対処が治療継続の鍵となります。
2. トリプルネガティブ乳がん(TNBC)の治療進展
これまで治療選択肢が限られていたTNBCに対し、抗体薬物複合体(ADC)であるサシツズマブ ゴビテカン(商品名:トロデルビ)が承認されました。
脳転移の有無に関わらず効果が期待できる一方で、好中球減少や下痢などの副作用には注意が必要です。
また、免疫チェックポイント阻害薬ペンブロリズマブ(商品名:キイトルーダ)は、早期TNBCの術前・術後療法としても標準治療となり、長期的な生存率改善が報告されています。
3. HER2陽性乳がんと脳転移への効果
HER2陽性およびHER2低発現乳がんで使用されるトラスツズマブ デルクステカン(商品名:エンハーツ)について、大規模試験(DESTINY-Breast12)により、活動性の脳転移がある場合でも全身治療と同等の効果が得られることが示されました。
課題となる「吐き気」の副作用に対しては、オランザピンの予防内服が有効であるとの研究結果も紹介されました。
4. 治療を支える生活とアドヒアランス
若年性のホルモン受容体陽性乳がん患者では、副作用や生活環境の変化によりホルモン剤の服用を中断してしまうリスクが高いとされていますが、再発予防のためには継続が重要です。
また、薬物療法中の運動療法(有酸素運動や筋トレ)は、疲労軽減やQOL改善に有効であり、推奨されています。
まとめ:医療者と患者の連携が鍵
ゲストの日本対がん協会・浜島明美さん(乳がんサバイバー)は、「長く生きていれば次の新しい薬に出会える」と希望を語りました。
新薬の恩恵を最大限に受けるためには、副作用を我慢せず医療者に伝え、チームでマネジメントしていくことが大切だとしました。