動画タイトル:【#慢性骨髄性白血病 】長く付き合っていくには?どんな治療がある?
講師:高久 智生先生(埼玉医科大学病院 血液内科 教授)
動画公開:2026年4月24日
※この記事はセミナー動画「【#慢性骨髄性白血病 】長く付き合っていくには?どんな治療がある?」をもとに作成されています。治療法やその開発段階については、セミナー実施時点のものであることにご留意ください。
動画概要
「白血病」と聞くと、すぐに入院し、強い抗がん剤によって髪が抜けたり激しい吐き気に襲われたりする治療を想像する方が多いかもしれません。しかし、同じ白血病でも「慢性骨髄性白血病(CML)」は、そのイメージとは大きく異なります。ほとんどの患者さんは自覚症状がないまま健康診断などで発見され、入院することなく外来で、「飲み薬」による治療が行われます。
CMLは、造血幹細胞の遺伝子に異常(フィラデルフィア染色体)が起こり、白血球などの細胞を無制限に増やすスイッチが入りっぱなしになってしまう病気です。かつては骨髄移植などを行わなければ命に関わる厳しい病気でしたが、2000年代に入って「チロシンキナーゼ阻害薬(TKI)」という分子標的薬が登場したことで、治療環境は劇的に変わりました。異常なスイッチをピンポイントで塞ぐこの薬を毎日しっかり飲み続けることで、患者さんの生存率は改善しています。現在では、第1世代のイマチニブから新しいアシミニブまで、6種類の薬が選択肢として存在しています。
治療成績が飛躍的に向上した現在、CMLの治療目標は「病気をコントロールして命を保つ」ことから、最終的に「薬を完全にやめても再発しない状態(無治療寛解)」を目指す段階へと進化しています。安定した状態が数年間続けば、休薬にチャレンジすることが可能です。特に日本の患者さんは真面目に薬を飲む傾向があるため、休薬の成功率は60%以上と、海外に比べて非常に高いことがわかっています。
しかし、休薬に挑戦するまでには、少なくとも5年以上という長期間、薬を飲み続ける必要があります。ここで重要になるのが、「薬を指示通りに正しく飲むこと(アドヒアランス)」です。薬を飲み忘れると治療効果が著しく落ちてしまうというデータがある一方で、倦怠感や吐き気などの副作用、また長期間にわたる高額な医療費の負担から、薬を飲むのが辛くなってしまう患者さんも少なくありません。
長く続く治療生活のQOL(生活の質)を保つためには、我慢せずに小さな副作用や悩みを主治医に伝えることが不可欠です。高久先生は、短い診察時間では言い出しにくい患者さんのために、スマートフォンで日々の体調や副作用を記録し、医師と共有できる専用アプリの開発にも取り組んでいます。こうしたツールも活用しながら、医療者というパートナーと共に、患者さん自身が「治療の主役」として病気と向き合っていくことが大切です。
本記事は動画の要点をまとめたものです。動画内では、血液細胞が作られる仕組みの分かりやすい解説や、新しい薬の詳しい臨床データ、そして休薬を目指すための具体的な条件など、より深い知識が丁寧に提供されています。ご自身やご家族の今後の治療方針を考えるヒントとして、ぜひ動画本編をご視聴ください。