動画タイトル:【がんの試験を知る】第1相試験とは?専門医に聞く! OMCE #111
講師:久保木 恭利先生(国立がん研究センター東病院 先端医療科)
ライブ配信:2025年3月28日/編集動画公開:2025年4月17日
※この記事はセミナー動画「【がんの試験を知る】第1相試験とは?専門医に聞く! OMCE #111」をもとに作成されています。治療法やその開発段階については、セミナー実施時点のものであることにご留意ください。
この動画について
本動画は、国立がん研究センター東病院 先端医療科の久保木恭利先生をお招きし、がん治療における「第1相試験」について分かりやすく解説していただきました。第1相試験の仕組み、最新のがん治療薬の動向、参加するための条件やプロセスについて知りたい方に最適な内容となっています。
本動画のポイント/h2>
第1相試験の目的と位置づけ: 新薬開発(基礎研究→非臨床試験→臨床試験→承認)の中で、初めて人に投与される段階の試験であることが分かります。
最新のがん治療薬の進化: 従来の抗がん剤とは異なり、分子標的薬や免疫療法(ADCやCAR-T細胞療法など)が主流になっていることを学べます。
第1相試験と民間療法の違い: 科学的根拠、実施主体、厳格な規制、費用の自己負担の有無などにおいて全く異なることが理解できます。
試験への参加条件とプロセス: 参加するための厳格な条件(全身状態や臓器の数値など)や、具体的な用量の決定方法(用量漸増パート・容量拡大パート)について学べます。
参加へのハードルとその対策: 情報や距離の壁があるが、現在はオンライン相談や病院近くのホテル滞在などサポート体制が整いつつあることを知ることができます。
対象となる方(こんな方におすすめ)
• 標準治療を終え、次の治療の選択肢として治験(第1相試験)を検討しているがん患者さんやご家族
• 「治験(第1相試験)=人体実験のようで怖い」といった不安をお持ちで、正しい情報を知りたい方
• 自分の遺伝子パネル検査の結果から、参加できる治験がないか探している方
• 最新のがん治療薬(ADCや免疫療法など)の開発動向に興味がある方
動画の要約
第1相試験は、動物実験などを経て新しい薬を初めて人に投与する段階の臨床試験です。抗がん剤の場合、副作用のリスクがあるため、健康な人ではなく標準治療を終えたがん患者さんを対象に行われます。
かつての抗がん剤開発では「副作用と効果のバランス」を見ることが中心でしたが、近年は特定の遺伝子変異などを狙い撃ちする分子標的薬や免疫療法(抗体薬物複合体=ADCなど)が主流となっています。これらの薬はがん細胞へ特異的に作用するため、第1相試験という開発の初期段階から高い治療効果が得られるケースが増加しており、「実験的治療」から「将来の治療の先取り」へと位置づけが変化しています。また、科学的根拠がなく規制もない民間療法とは異なり、第1相試験は厳格な審査と患者さんの安全性最優先のモニタリングの下で実施されています。
試験に参加するには、全身状態が良好であること、肝臓や腎臓などの機能が保たれていること、前回の治療から一定期間が空いていることなど、10〜20項目以上の厳しい条件(適格基準)をクリアする必要があります。試験中も頻繁な通院や採血、検査が求められ、スケジュール管理が厳密です。
参加にあたっては「通院距離の問題」と「自分の状況で参加できるか」という2つのハードルがあります。しかし近年はインターネットでの情報公開が進み、遠方からの参加者を支援する宿泊施設の活用やオンライン相談などサポート体制が少しずつ広がっています。第1相試験は、諦めずに治療の選択肢を1つ増やすための前向きなチャレンジとして捉えることができます。
タイムスタンプ(目次)
00:51~ 1・第1相試験とは?
01:10~ 新薬開発とは
02:31~ 臨床試験とは(第1~3相)
06:20~ なぜ早期の段階で承認を目指すことができるようになったのか
08:30~ プレシジョン・メディシン
09:03~ がん免疫療法(免疫チェックポイント阻害薬、CAR-T細胞)
13:38~ ADCとは
16:15~ BiTEとは
17:48~ 第Ⅰ相試験の意義
19:46~ 第Ⅰ相試験と民間療法の違い
22:35~ 2・第1相試験に参加するには?
22:52~ 第1相試験について(用量漸増パート・用量拡大パート)
29:41~ 参加するための条件ってあるの?
35:35~ 参加した後はどうなるの?
37:40~ どうやって参加するの?
41:17~ まとめ
43:20~ Q&Aセッション
43:31~ Q&A① エキスパートパネルで推奨されなかった試験に参加される方はどのぐらいいますか?
46:35~ Q&A② 第1相試験では元々東病院で治療されてきた患者さんの参加者が多いなど、何か傾向はありますか?また、中央病院についてはいかがですか?
49:52~ Q&A③ すぐ埋まる試験とずっと募集している試験の差として、どんな理由が考えられますか?
51:30~ Q&A④ 肺がんと乳がんの重複がんです。私の場合、第1相試験に限らず治験に入ることは難しいのでしょうか?
53:10~ Q&A⑤ どのタイミングで第1相試験への参加を考えた(相談した)方がいいのでしょうか?
56:00~ Q&A⑥(医療者側から見て)紹介する際、患者さんに事前にどのような情報をお伝えすべきでしょうか?
1:00:52~ 視聴者へのメッセージ