2025年11月28日より、「がんプラス」の事業は、株式会社QLifeから、同じエムスリーグループである3Hメディソリューション株式会社に譲渡され、「がんプラス」に掲載されていた一部のコンテンツは3H社が運営するがん情報サイト「オンコロ」に、引き継がれます。
「オンコロ」では、臨床試験情報や専門医による解説など、質の高い情報が提供されております。今後はこちらをご活用いただければ幸いです。
文:がん+編集部
抗がん剤耐性検査に向けたがん細胞培養技術を開発、個別化治療の実現に前進
岩手医科大学は2025年10月27日、患者適応型抗がん剤治療(オーダーメイドがん治療)の実現を可能にする抗がん剤耐性検査の開発に向けて、がん細胞の培養を効率化する新技術を開発し特許を出願したと発表しました。
抗がん剤耐性検査の開発には、多様な条件でがん細胞を培養する必要がありますが、従来、がん細胞の培養には「時間がかかる」「手間が多い」「再現性が低い」という課題がありました。
研究グループは、がん細胞の培養環境を効率的に制御・変更できるような新構造の装置を設計・開発しました。この技術により、多種多様な抗がん剤とがん種の組み合わせによる人工的な「抗がん剤耐性がん細胞」の作成が効率化され、基礎研究から臨床検査開発まで進めることが可能になりました。
将来的には、患者さん一人ひとりに最も効果的な抗がん剤を事前に特定できる検査法の確立を目指しており、個別化医療の実現に向けた重要な一歩として期待されています。
参考リンク
岩手医科大学 プレスリリース
免疫療法後の進行腎細胞がん、レンビマとウェリレグ併用で無増悪生存期間を改善
エーザイ株式会社は2025年10月28日、「レンバチニブ(製品名:レンビマ(R))」と「ベルズチファン(製品名:ウェリレグ(R))」の併用療法が、免疫療法後に病気が進行した進行腎細胞がんの患者さんを対象とした第3相「LITESPARK-011試験」で、主要評価項目を達成したと発表しました。
同試験では、抗PD-1/L1療法による治療中または治療後に増悪した進行淡明細胞型腎細胞がん約700人を対象に、レンバチニブとベルズチファンの併用療法を、カボザンチニブ(製品名:カボメティクス(R))と比較し評価されました。解析の結果、主要評価項目である無増悪生存期間について、併用療法群は統計学的に有意な改善を示しました。また、腫瘍縮小効果を示す奏効率についても良好な結果が示されました。
安全性については、これまでの単剤治療と同様のプロファイルで、新たな懸念は認められませんでした。
この併用療法は、HIF-2α阻害剤とマルチVEGFチロシンキナーゼ阻害剤という、がん細胞の増殖に関わる2つの重要な経路を同時に阻害する治療法として、臨床第3相試験で初めて良好な結果を示しました。進行腎細胞がん患者さんにとって新たな治療選択肢につながることが期待されます。
参考リンク
エーザイ株式会社 プレスリリース
食道がんの胸腔鏡下手術、開胸手術と同等の3年生存率を確認
国立がん研究センターは2025年10月30日、切除可能な食道がんに対する胸腔鏡下手術について、従来の開胸手術に劣らない生存期間が示されたと発表しました。
食道がんの手術は頸部・胸部・腹部と広範囲に及ぶため患者さんの負担が大きく、より低侵襲な手術が求められていました。
今回の研究は、日本臨床腫瘍研究グループ(JCOG)が国内31施設と共同で実施したランダム化比較第3相試験で、切除可能な食道がん患者さん300人を対象に行われました。患者さんは開胸手術群とより低侵襲で患者さんに負担が少ないと考えられる胸腔鏡下手術群に無作為に分けられ、長期的な治療成績が比較されました。
主要評価項目である生存期間の解析では、3年後の生存率が開胸手術群70.9%に対し、胸腔鏡下手術群82.0%と良好な結果を示しました。また、術後3か月時点での呼吸機能低下についても、開胸手術群12.5%に対し胸腔鏡下手術群9.7%と、胸腔鏡下手術の方が呼吸機能への影響が少ないことが示されました。
参考リンク
国立がん研究センター プレスリリース