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文:がん+編集部
大腸がん肝転移、薬物療法後の画像診断精度は62.5%と判明
国立がん研究センターは2025年9月30日、大腸がんが肝臓に転移した患者さんを対象に、その画像診断の精度を調べた日欧米国際共同研究の結果を発表しました。
大腸がんが肝臓に転移した場合、薬物療法後にCTやMRIの画像診断で病変が消失したとみなされることがありますが、実際にはがん細胞が残っていることがあります。そのため、切除可能であれば外科手術が行われるのが一般的ですが、肝切除は患者さんの負担が大きいため、画像診断の正確性が重要となっています。
今回の研究では、肝転移病変が薬物療法後に画像で消失した152病変(45人)について、病変を切除した場合の病理検査結果、切除しなかった場合の2年間の経過観察結果を比較しました。その結果、CTとMRIの両方で消失を確認した病変でも、術前の画像診断と術後の診断が一致したのは62.5%にとどまり、37.5%では腫瘍細胞の残存や再発が確認されました。
また、画像で消失を確認した病変をすべて切除した場合と切除しなかった場合の生存期間に有意な差は認められませんでした。
この結果から、薬物療法後に肝転移が画像上消失していても、がん細胞が残っている可能性を考慮し、より精密な肝切除計画と慎重な経過観察が重要であることがわかりました。
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国立がん研究センター プレスリリース
がんリスクを抑制する白髪の意外な役割、老化とがん化の分岐点を解明
東京大学医科学研究所は2025年10月6日、白髪の発生メカニズムを通じて老化とがん化の分岐点を解明したと発表しました。
老化やがんの発生メカニズムを理解することは重要な課題となっています。多くの組織は加齢とともに機能低下を示す一方で、がんの発生頻度も上昇しますが、老化とがん化がいつ、どのように制御されているのかは未解明でした。
研究では、白髪の原因となる毛髪の色素幹細胞に注目し、DNAに損傷を受けた際の細胞の運命を詳しく調べました。その結果、放射線などによってDNAの二重鎖が切断された色素幹細胞は、「老化分化」と呼ばれるプログラムを通じて自ら排除されることがわかりました。この仕組みにより色素幹細胞が失われて白髪になりますが、同時にメラノーマ(皮膚がんの一種)のリスクを抑制していることが明らかになりました。
一方、発がん物質や紫外線などの発がんストレスを受けると、この老化分化プログラムは抑制され、DNA損傷を負った色素幹細胞が残存してしまいます。これががんの発生につながる可能性があることも判明しました。
つまり、白髪は単なる老化現象ではなく、がんのリスクを持つ細胞を排除する生体防御システムの現れである可能性が示されました。老化とがんの発生メカニズムの理解を深め、真に安全で有効な治療戦略の開発につながることが期待されます。
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東京大学医科学研究所 プレスリリース
乳がん・婦人科がんの認識を調査、4割が「検診受けたことがない」と回答
アストラゼネカ株式会社は2025年10月6日、20〜60代の一般女性1,000人を対象とした乳がん・婦人科がんに関する認識および知識の実態について調べたインターネット調査結果を発表しました。
調査の結果、乳がん検診・婦人科検診を受ける頻度について全体の42%が「受けたことがない」と回答しました。年代別では20代が71%と最も高く、がんの罹患率が高くなる40代以降でも25〜35%に受診経験がないことがわかりました。
検診を受けない理由として「必要性を感じない」が29%で最も多く、次いで「費用がかかる」が25%でした。年代別では、20〜30代は「必要性を感じない」、40〜50代では「検査の痛みが不安・嫌だから」が最も多い理由でした。
また、婦人科がんの重要な症状である不正出血を経験した女性の36%が医療機関を受診していないことも判明しました。特に20代では46%が未受診で、「様子をみたが症状がなくなった」(60%)、「受診が必要だと感じなかった」(30%)が主な理由でした。
がんの知識面では、子宮体がんのリスク要因について「わからない」と回答した人が60%と最も高く、認知度の低さが浮き彫りになりました。
この調査結果は、女性のがん検診受診率向上と正しい知識の普及の重要性を示しており、早期発見・早期治療につなげるための啓発活動の必要性が改めて確認されました。
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アストラゼネカ株式会社 プレスリリース