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文:がん+編集部
子宮頸がん患者さんの治療への不安と悩み、300人調査で実態が明らかに
ジェンマブ株式会社は2025年7月24日、子宮頸がん患者さん300人を対象とした「治療に関する不安や悩みについての意識調査」の結果を発表しました。
調査の結果、子宮頸がんと診断された時の気持ちや不安として「治療費用」(39.9%)が最も多く、次いで「生活への影響」(39.4%)、「再発の不安」(33.6%)が上位を占めました。年代別に見た場合、20~30代は「出産への影響」や「パートナーとの関係」への不安が顕著で、40代以降では「生活への影響」などへの懸念が強い傾向が見られました。
情報収集の面では、「治療費」や「心のケア」「新しい治療法」に関する情報が不足していると回答した人が多い一方で、6割の患者さんが「情報が多すぎて正確性の判断が難しい」と回答しました。
「子宮頸がんの診断を周囲に伝えることへのためらい」は、約半数の患者さんが経験しており、その理由として「心配をかけたくない」「相手に気を使わせてしまう」が多く回答されました。
そして、子宮頸がん治療に対する思いについての設問では、85%を超える患者さんが「子宮頸がんの情報がもっと広く伝わると良いと思う」、44.1%が「偏見が治療の妨げになっている」と回答しました。「子宮頸がん治療を受けるのは難しいと思うことがある(43.7%)と回答した人の理由としても、約4割が「病気について相談する相手がいない・相談することが難しい」と答えており、社会からの理解や支えの不足が課題であることが示されました。
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ジェンマブ株式会社 プレスリリース
大腸内視鏡検査の新技術で「見逃しがん」リスクとなる平坦型病変の発見率向上
国立がん研究センターは2025年7月25日、大腸内視鏡検査の新しい観察法「TXI観察法」の有効性を検証した臨床試験の結果を発表しました。
TXI観察法は、従来の内視鏡(通常光観察)による画像情報に基づき、内視鏡画像の「明るさ補正」「テクスチャー強調」「色調強調」の3つの要素を最適化した新しい技術です。腸管の奥行きまで明るくし、画像上のわずかな構造や色調の変化を視認しやすくします。
今回の試験では、大腸内視鏡検査を受ける956人の患者さんを対象に、TXI観察法と従来の通常光観察法をランダムに割り付けて比較が行われました。その結果、主要評価項目である腫瘍性病変の発見数に統計学的な有意差は認められませんでした(TXI観察法1.4個 vs 通常光観察法1.5個)。
しかし、TXI観察法では通常光観察法と比較して、ポリープ発見率(82.48% vs 74.38%、p=0.003)や、「見逃しがん」のリスクと考えられている平坦型病変の発見率(76.50% vs 70.34%、p=0.036)が統計学的に有意に高いことがわかりました。
この結果により、TXI観察法を用いることで「見逃しがん」のリスクを減らし、大腸がんの早期発見につながることが期待されます。
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国立がん研究センター プレスリリース
CAR-T細胞療法の効果予測に新発見、製造段階での患者さん別評価法を開発
京都大学は2025年7月25日、再発・難治性B細胞リンパ腫に対するCAR-T細胞療法において、製造過程での細胞増殖の程度から治療効果を予測する方法を発見したと発表しました。
CAR-T細胞療法は、患者さん自身のT細胞を採取し、がん細胞を攻撃するように遺伝子改変して体内に戻す治療法で、再発・難治性B細胞リンパ腫の治療の切り札として期待されています。しかし、治療効果は患者さんごとに大きく異なることが課題となっていました。
研究グループは、CD19標的CAR-T細胞療法を実施したB細胞リンパ腫75症例について、患者さんから採取されたT細胞を用いてCAR-T細胞が製造される過程に着目しました。製造中の細胞増殖の程度と治療効果の相関を評価した結果、製造中の細胞増殖が良好だった症例では、その後の治療効果も良好であることが明らかになりました。
この発見により、CAR-T細胞製造中のデータからCAR-T細胞の「攻撃力」を評価し、実際に投与する前の早い段階で治療効果を予測できることが示されました。今後、CAR-T細胞療法の正確な治療効果予測に基づいた個別化治療の実現が期待されます。
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京都大学 最新の研究成果を知る