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患者団体に聞く!一般社団法人HIRAKU がん・リンパ浮腫と共存 代表理事 古村 比呂さん

[公開日] 2024.05.17[最終更新日] 2024.05.17

目次

はじめに

今回インタビューに応じて頂いた古村 比呂さん。 NHK連続テレビ小説のヒロイン役など女優として活躍。一時、お仕事を休み、まさに仕事を再開するというタイミングで子宮頸がんに罹患。その後、再発、再々発を繰り返すも、現在もお薬による治療を継続しながら、YouTubeなどを通じ、精力的に情報発信を続けています。 今回、古村さんの子宮頸がん罹患の経緯、治療から現在までを伺いました。 インタビュアーは、がん情報サイト「オンコロ」コンテンツ・マネジャーの柳澤が担当します。

子宮頸がん発覚は芸能界復帰の時

柳澤:古村さんには、以前、笠井信輔さんの配信プログラムに出演頂きましたが、今回、がん情報サイト「オンコロ」の取材に協力頂きありがとうございます。我々、アラ還世代は女優としての古村 比呂さんはよく存じ上げているのですが、簡単に自己紹介をお願いできますか? 古村:出身は、北海道美幌町、江別市で育ちました。若い頃は養護教員を目指し大学に行ったのですが、MCアシスタントをした際に、故 景山民夫さんに出会い、CMのオーディションに受かったことを機に上京し、それからはずっと俳優としてお仕事をさせて頂いています。デビューは20歳の時でした。 柳澤:NHKの連続テレビ小説の主役なども務め大活躍されてきました。しばらくお仕事を休んだ期間もあったようですが、その後、ご病気がわかるんですね。 古村:病気が発覚したのは、仕事を再開し、離婚し、3人の息子のシングルマザーになった時でした。ちょうど、海外(ナミビア)での仕事を受け、体調(婦人科系)に不安があったので、婦人科で検診を勧められました。結果は要精密検査となりました。 柳澤:精密検査の結果はどうでしたか? 古村:子宮頸がんI B1期と初期との診断結果でした。2012年1月のことでした。初期とはいえど、3月には子宮全摘の手術を受け、組織検査の結果、転移はなく、その後、経過観察になりました。

繰り返す再発と治療

柳澤:経過観察後はお元気に過ごされていたのですか? 古村:それが、そうもいかず…、その後リンパ浮腫を発症し、リンパ浮腫の治療を続ける中、2017年に再発がわかりました。体調自体は悪くなく、まさか再発しているとは思っていなかったのでショックでした。再発後の治療は、放射線治療と抗がん剤治療(シスプラチン)、ありがたいことに1か月半の治療で、寛解に至りました。期間が限られていた治療だったこともあり、治療により5キロほど痩せましたが、お芝居の仕事中でもあったので、公表はせず、すぐに復帰しました。 柳澤:再発のショック、治療、お芝居の仕事中と大変でしたよね。 古村:その通りなのですが、更に大変だったのは、同年11月の定期検診で、すぐに再々発と言われたことです。がん細胞が全身に回っている状態でした。しかし早めに見つかったとポジティブにとらえ、2018年からまた治療を開始することにしました。さすがにこの時は、治療期間も長引き、脱毛もするので、公表を決意しました。 柳澤:再々発後の治療は薬物療法が中心になるんですね? 古村:2018年からの治療は、TC(パクリタキセルとカルボプラチン)8回+ベバシズマブという血管新生阻害薬15回の併用療法を始めました。この治療を1年続けたところ、尿タンパクが出る副作用が出て、自身で休薬を提案、CT検査をしたところ、画像上でのがんは消失し、2019年からまた経過観察のみになりました。 柳澤:ようやく落ち着けたのでしょうか? 古村:そうなればよかったのですが、それから5年経過した2023年11月、大動脈リンパ節に再々再発。落ち込みますが、2022年後半には子宮頸がんの進行再発がんに対し免疫チェックポイント阻害薬のペムブロリズマブが承認されていて、タイミングはよかったと思います。当初は、TC+ペムブロリズマブ、現在はペムブロリズマブ単剤で治療を続けています。大きな副作用は自覚していませんが、多少視力が低下したような気がします。薬自体はよく効いていて、PET検査ではがんは消えていると言われています。

自身の体験を活かすために

柳澤:ご自身の経験から、様々な活動に取り組まれていますが、きっかけはなんだったのでしょう? 古村:子宮頸がんが原因で起こるリンパ浮腫の経験を共有したい、との思いから、2015年8月に交流会を企画しました。まずは東京で開催し、初回は8人の方にお集まりいただきました。この時、自分はひとりじゃなかった、と勇気づけられたのを覚えています。あれからこの活動を継続し、今は100人ほどになっています。 柳澤:きっと同じような気持ちをもった方々が多かったのでしょうね?交流会はどのように進められているんですか? 古村:シエスタの会*と名付けて、お互いの症状を話したり、その状況を見たり触ったり、エクササイズやおしゃべりをしながら2-3時間過ごす感じです。2020年から動画配信を始めるのですが、時を同じくしてコロナ禍になった感じです。 *2019年10月一般社団法人HIRAKU人にやさしいプロジェクト~がん・リンパ浮腫と共に歩む応援活動~を設立、2023年1月一般社団法人HIRAKUがん・リンパ浮腫と共存へ改名 柳澤:古村さんのYouTubeを拝見したりするのですが、制作など大変ではないですか? 古村:動画の編集は、私と息子でやっています。息子が手伝ってくれるのはとても助かっています。そして、リレーフォーライフでお会いした勝俣 範之先生にもお手伝い頂くようになりました。世の中には、間違った情報もたくさんあり、正しい情報を発信していかないと、という使命感もあります。今は、自分自身も治療中であることから、集まっての会は控えていましたが、6月に4年半ぶりの交流会を開催することになりました。 柳澤:ご家族や周りの支援が大きいのですね。 古村:家族(息子)は、私のことを一番わかってくれている存在、一緒に動画編集をすることで、私を支えてくれて、気持ちを楽にしてくれています。収録や編集はとても楽しく感じています。

標準治療の大切さを伝えたい

柳澤:今でもとても精力的に情報発信をされていますが、これからやりたいことは何ですか? 古村:全国を回って、腫瘍内科の先生などとコラボし、セミナーを実施したいと思っています。自身の治療を通じて、正しい情報の大切さを痛感しました。がんと診断されたら、ちゃんとがんの専門医に診てもらうべきことなどを啓発、発信していきたいと思っています。 柳澤:今も続くお薬の治療を通じて感じたことも多いのですね。 古村:新薬の開発が進むことはとても大切だと思います。その経緯を知ることで、標準的治療の大切さを知ることもできます。そのような意味で、これらの大切さを知る患者力の向上に貢献できればと思っています。このような活動に対しては、医療者、企業の支援がもっとあればいいな、と思っています。 柳澤:ありがとうございました。益々のご活躍を祈念しています。 <一般社団法人HIRAKU がん・リンパ浮腫と共存 ホームページ> https://www.hiraku-project.com/ <がんサバイバー 古村比呂 〜がん・リンパ浮腫と共に〜 YouTubeチャンネル> https://www.youtube.com/channel/UCkh8IbFohoJF3Fy4TlAVE8Q
患者会 体験談

コンテンツマネージャー 柳澤 昭浩

18年間の外資系製薬会社勤務後、2007年1月より10期10年間に渡りNPO法人キャンサーネットジャパン理事(事務局長は8期)を務める。先入観にとらわれない科学的根拠に基づくがん医療、がん疾患啓発に取り組む。2015年4月からは、がん医療に関わる様々なステークホルダーと連携するため、がん情報サイト「オンコロ」のコンテンツ・マネージャー、日本肺癌学会チーフ・マーケティング・アドバイザー、3Hクリニカルトライアル株式会社、3Hメディソリューション株式会社のマーケティングアドバイザー、メディカル・モバイル・コミュニケーションズ合同会社の代表社員などを務める。

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