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進行固形がんに対する腫瘍抗原EphA2を標的とした毒素複合体であるBT5528、有望な抗腫瘍効果を示す

この記事の3つのポイント
・進行固形がんを対象とした第1相試験
・腫瘍抗原EphA2を標的にした毒素複合体であるBT5528の有効性安全性を検討
・BT5528は忍容性が高く、良好な予備的抗腫瘍活性を示した

2024年9月5日、医学誌『Journal of Clinical Oncology』にて進行固形がんに対する腫瘍抗原EphA2を標的にした毒素複合体であるBT5528療法の有効性、安全性を検証した第1相試験の結果がThomas Jefferson UniversityのBabar Bashir氏らにより公表された。

本試験は、進行固形がんに対して、BT5528を1週を1サイクルとして2.2mg/m2投与から2週を1サイクルとして10.0mg/m2投与までの複数の投与量・投与間隔を検討し、主要評価項目として安全性、忍容性、最大耐用量(MTD)、副次評価項目として抗腫瘍効果等を検証した臨床試験である。

本試験の結果、最も多くの患者で確認されたBT5528治療関連の有害事象は、吐き気が44.4%、下痢が35.6%、疲労が33.3%を示した。最も多くの患者で確認されたグレード3以上の 治療関連有害事象(TRAE)は、好中球減少症/好中球数減少で22.2%を示した。

投与量の検討の結果、第2相試験推奨用量(RPIID)は、2週を1サイクルとして6.5mg/m2投与として決定した。
また副次評価項目である客観的奏効率ORR)は6.7%、病勢コントロール率DCR)は20.0%を示した。

以上の結果よりBabar Bashir氏らは、「進行固形がんに対するBT5528療法は、安全性・忍容性に問題がなく、2週間に1回6.5mg/m2の単剤療法として研究が継続しています」と述べた。

参照元:
Results From First-in-Human Phase I Dose-Escalation Study of a Novel Bicycle Toxin Conjugate Targeting EphA2 (BT5528) in Patients With Advanced Solid Tumors(Journal of Clinical Oncology 2024 doi:10.1200/JCO.23.01107)

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