• ログイン
  • 検索
  • 相談
  • お知らせ
  • メニュー
  • がん種
  • ニュース
  • 特集
  • 治験
  • リサーチ
  • イベント
  • 患者会
  • 辞典
  • お役立ち

【乳がん体験談】音楽と迷いのない選択の生き方

[公開日] 2019.09.25[最終更新日] 2019.09.25

松澤由美さん シンガーで3児の母親 乳がんサバイバー/現在は無治療・経過観察中 今年9月1日に開催された「Remember Girl's Power!!2019」にも出演いただき、国内外で活躍される松澤さんに、オンコロスタッフ中島がお話をお伺いしました。

自覚症状がないがんの宣告

中島:病気が診断されるまでの経緯を教えてください。 松澤:自分が住んでいる都内の区で実施された健診です。前年も受診しましたが検査結果は問題がなく「パーフェクトです」とお墨付きをいただいていたので、その年も受診に対して全く心配をしていませんでした。2016年のことです。 マンモグラフィでは、左乳房にパラパラと撒かれた胡椒のような状態が映っており、しこりのような自覚症状はありませんでした。健診結果を説明された医師は、「良性かもしれないが、がんだとしても早期中の早期のだから、1年以内には必ず大きな病院で精密検査を受けたほうがよい」と勧められました。 自分では、「まさかがんではないだろう」と心の中で思いつつ、以前から左乳房の内側が”チカチカ”する症状を感じていました。 この診断後、ブラジル公演のスケジュールが入っており1カ月の滞在を予定していました。念のために帰国後に精密検査を受診できるように、大きな病院へ予約を入れて渡航しました。

病気と仕事の狭間で

中島:検査結果が確定しない状態での、海外でのお仕事は不安が大きかったのではないでしょうか。 松澤:とてもテンションが下がっていました。タイミング悪く、そのライブでは、がんで亡くなったアーティストのかたへの追悼の曲をを唄う役目も担っていました。 唄っている自分本人が、近い将来我が身に起こるかもしれない、というネガティブな考えが頭をよぎり、モヤモヤした1か月を過ごしていました。 中島:帰国されてから、精密検査を受けられたのですね。 松澤:怪しいそのパラパラとした影はエコーでもマンモグラフィでも判断が難しい状態だったため、MRI検査を受けた結果、その影は悪性だということがわかりました。しかも、右乳房にも小さいながら怪しい影があることがわかりました。 がんではないだろう、と自分を信じ込ませていたところへ、「左乳房は、乳管の先端まで悪性腫瘍が見受けられます」との診断。「全摘しなくてはいけないのでしょうか」と質問したところ、あっけなく医師より「そうです」と、治療方針を提案されました。 以前から感じていた”チカチカ”する症状は、先端まで伸びている段階のがん細胞が、自分の身体の中で訴えていたのかもしれません。 中島:告知時は、どなたか付き添いのかたはいらっしゃいましたか。 松澤:子どもを除く、家族が同伴していました。その場にいた家族は、がんという病気に少しは知識を持ち合わせていたので、落ち込んだ様子でしたが、前向きに治療しよう!、家族がいるから大丈夫と言ってくれました。 また、主人は電話口で伝えると、動揺して泣いている様子でしたが、「なるようになるから大丈夫」と言葉をかけてくれました。 ただ、自分自身は、「不安だけれど、生きられるのであれば、悪いものは早く取っていただいてすっきりしたい」という気持ちが強かったですね。 中島:お子さんへは、病気のことをどのように伝えたのでしょうか。 松澤:当時、3人の子どもは長女6歳、次女4歳、長男が3歳でした。説明するにはまだ幼いのでどこまで理解してくれるかわからなかったし、手術となったら婦人科系の病棟に入院しますから、子どもがお見舞いに行きたいと言った場合、他の患者さんのご迷惑を考えると言うことはできませんでした。 入院時も「ちょっと出かけてくるね」と言い残しただけでした。1週間の入院生活でした。 退院してからも、自分ひとりでシャワーを浴びるなどの工夫をしましたが、子どもたちはあまり気に留めていないようでした。

迷いはなかった術式

中島:両側の術式はどのように選択されましたか。 松澤:左乳房はすでに全摘と決まっていましたので、自家再建を選びました。術中、全摘したあとすぐエキスパンダーを挿入していただき、右乳房は腫瘍がとても小さかったので部分切除。術後も、右乳房は放射線治療は不要との医師の判断でした。 治療方針に迷いはなかったので、セカンドオピニオンは受診しませんでした。 術後1カ月は痛みを感じていましたが、自宅で簡単なストレッチをしたりジムで軽く身体を動かすなどして、思っていたより早く仕事に戻ることができました。 中島:エキスパンダーは、取り出して2度目の手術が必要ですね。その時のお話をお聞かせください。 松澤:昨年11月に、自家組織による再建手術を受けました。幸運なことに、通常10時間以上かかるこの手術を得意とされている医師が院内にいらっしゃって、私の手術にはその先生も含め5名の医師がサポートしてくださいました。手術時間は6時間ぐらいで済みました。 私の場合、自分の腹部より皮弁を採取して左胸を再建しました。胸部の血管と皮弁の血管をつなぐ繊細な手術だったので、今元気に過ごせていることに、日々感謝しています。 ただ、術後直ぐは動くことができませんでした。左胸にお豆腐を置いているような状態なので、最初は起き上がるだけで5分かかりました。 入院も1度目より長く、退院まで2週間ほどかかりました。

同じ体験者の大きな存在

中島:退院されてからの生活を教えてください。 松澤:1度目の入院は早く退院できたので、2度目の入院がとても辛く感じました。退院後、荷物が持てないかもしれない、寝たきりになるかもしれない、などさまざまな不安がありました。 今後の生活を考えて、子どもの保育園の先生には自分の病気のことを伝えました。「公表していないだけで、乳がんに罹患されているお母さん、多いのよ。大丈夫。」と言われた時は、ほっとすると同時に同じような境遇の女性が多いということに少し驚きました。 出産経験のある女性は乳がんに罹患しにくい、という噂がありますがそれは間違っていましたね。入院中、知り合った患者さんも出産されたばかりの女性でした。 自分はこの段階で治療ができてラッキーだったんだ、と思っています。 退院後、子どもたちにテーピングをした傷口をみせたら、「ちょっと怪我をしたんだね」というリアクションでした。 中島:病気に罹患されて、ご自身の中で変化というものはありましたか。 松澤:入院中は、当時同室、隣室だった方とも仲良くなり、孤独ではありませんでした。その瞬間に同じような境遇にあい、 絆が生まれ、戦友のような不思議な一体感がありました。 そのおかげで入院中に気になることなども話し合えて、精神的にも救われました。 雰囲気が重くなりすぎず、同じような経験者がいるだけで共有しあい、勇気をもらえるような場所は必要だと思います。 がんというイメージは、まだ「重い」、「暗い」、「キャリアに響く」という印象ですよね。両親からも私は「健康がとりえ」と言われていましたが、ある日いきなり「がん」と診断されました。まさか自分が、と戸惑いましたし、罹患歴のないかたも「自分はがんにはならない」と思っている人は少なくないでしょう。でも今は、がんは国民病と言われているぐらい、交通事故に遭うよりも確率が高いのかもしれません。 告知はとても悲しい出来事ではありますが、早期に見つかれば身体の負担が軽い治療で済みますし、診断されたら前を向いてしっかり治療に専念することが第一だと感じています。

病気を経験したからこその挑戦

中島:これから挑戦してみたいことはありますか。 松澤:「乳がん」という婦人科系がんに罹患して気がつきましたが、乳がんサバイバー用の下着のデザインのバリエーションがとても少ないですね。病気になったことだけでテンションは下がります。特に入院中は身に着けるものはパジャマと下着だけですから、気持ちが明るくなるデザインがあったら嬉しいです。 看護師さんから、授乳用の前開きのブラジャーも勧められましたが、出産された女性が身に着ける下着は、私達のような術後の女性と気持ちの面で真逆なので、できれば身に着けたくないです。 どこかの企業と協力して、かわいいデザインの下着の開発にチャレンジできたら、と思っています。 また、本業である音楽を通じて病院訪問などの慈善活動を進めていきたいと考えています。 松澤由美さんプロフィール テレビアニメ「機動戦艦ナデシコ」のオープニングテーマ「YOU GET TO BURNING」でデビュー。 オリコン初登場9位を記録。 また、朝本浩文氏によるプロデュースで「OTOHA~音波~」をはじめ3枚のシングルをリリース。 同時に作詞・作曲活動を開始。音楽専門チャンネル「MTV」VJを2年間務める。 アニメ“聖闘士星矢~冥王ハーデス十二宮編”~OP曲「地球ぎ」/ED曲「君と同じ青空」にて歌唱・作詞・作曲を担当。 引き続き同アニメの続編“聖闘士星矢~冥王ハーデス冥界編~”のED曲「託すものへ~My Dear~」をリリース。 2008年には作曲家・横山 菁児氏とのコラボレーションによる作品を、フランスにて発売。 その後も、ブラジル・フランス、中国など世界20都市へ行き、現在も積極的に海外公演に参加。 現在は乳がんについての啓蒙活動にも力を入れている。 2018年5月に20周年記念アルバム「永遠のSEED」を発売。 『上野原 甲州-肉ワイン-フェス2019 アニソンDJ&LIVEステージ出演  開催日:2019/10/22(日) 時 間:11:00~ 会 場:上野原市役所センタープラザ、駐車場、及び もみじホール 詳 細:『上野原 甲州-肉ワイン-フェス2019』   松澤由美23周年記念ライブ~23rd Anniversary Live~ 開催日:2019/11/17(日) 時 間:開場 12:30  開演日時 13:00 会 場:四谷天窓 詳細・チケットお申込み:https://t.livepocket.jp/e/veote   松澤由美オフィシャルサイト YOUTUBEで乳がん啓発VLOG始めました。 10月21日スタート 毎月第3月曜日 20:30~21:30 ~私がパワースポット~松澤由美のUstラヂオ LINEスタンプ 松澤由美スタンプ  
体験談 乳がん 乳がん

中島 香織

広告業界、放送局業界、コンサート・舞台企画業界を経て1年間渡米留学。帰国後は、外資系企業に就業。イベントマネージャーとしてPR,マーケティング業務に携わる。がん情報サイト「オンコロ」では、主にイベント運営、Webサイトの更新、コラム投稿に従事。宣伝会議コピーライター養成講座修了、乳がん体験者コーディネーター(BEC)11期生。

治験・臨床試験

一覧を見る

リサーチ・調査

一覧を見る

ニュース

一覧を見る

イベント

一覧を見る

患者会

一覧を見る