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前立腺がんステージ1、監視療法を続けながら仕事をこなす中で徹底する定期検査

[公開日] 2026.10.20[最終更新日] 2026.10.06

写真はイメージです。(AIによる生成)
プロフィール お名前:きまきまさん(ニックネーム) 年代:50代 性別:男性 家族構成:妻と子ども2人との4人暮らし 仕事:会社員 がんの種類:前立腺がん 診断時ステージ:ステージ1 グリソンスコア:3+3=6 診断年:2023年 現在の居住地:千葉県
※本体験談は、患者さん個人の経験に基づくものです。治療の経過や副作用には個人差があります。オンコロマイストーリー含め、ネット上の情報には、進行や再発といった厳しい闘病を経験された方の発信が多く残る傾向がありますが、実際には再発なく平穏に過ごされている方も数多くいらっしゃいます。情報の一つとして受け止め、治療方針の決定の際には、必ず主治医や医療従事者にご相談ください。 50代という若さで前立腺がんステージ1の診断を受けたきまきまさん。低リスクの前立腺がんの特性や年齢を踏まえ、担当医の判断により監視療法を行っています。3か月に1回の検査で、一時的にPSA値の上昇が見られた時期もありましたが、主治医の指示にしっかりと従い、定期的な通院と検査を続けながら、現在も会社員として忙しい毎日を送っています。元部下のご主人の急逝という経験を通じて得た死生観の変化や、病気と冷静に向き合いながら前向きに働き続ける現在の心境についてお話しいただきました。

がんの簡易検査をきっかけに発覚した前立腺がん

2022年の5月ごろ、半年ほど前に加入した生命保険会社から、がんの簡易検査キットの案内が届きました。微量の血液を採取するだけでがんのリスクがわかるというもので、男性用と女性用があり、通常より半額で受けられるキャンペーンでした。最初は妻に受けさせようと勧めたのですが、「あなたもやりなさい」と言われ、夫婦揃って受けることになりました。 翌月、検査結果が戻ってくると、妻は特に異常なしでしたが、私のPSA値は4.1ng/mLという結果が出ました。当時の私は53歳で、指先から血を2、3滴だけ出してシートを湿らせて送るような簡易的な検査だったため、「単なる誤差だろう」と軽く考え、その後3か月ほど放置していました。しかし、妻から「ちゃんと病院で検査を受けてきなさい」と急かされ、仕事が休みの土曜日に、たまたま用事があった都内の雑居ビルに入っている泌尿器科クリニックを受診しました。 そこで血液検査を受けた結果、PSA値は7.0ng/mL台に上がっていました。そこは血液検査のみを行うクリニックだったため、MRIなどの設備がある検査専門の機関を紹介されました。しかし、そこでの画像検査でもはっきりとはわからず、「数値が高いから、前立腺がんの可能性はあります。もっと大きな病院で検査した方がいい」と言われました。たまたまその検査機関に来ていた総合病院の泌尿器科の医師から「じゃあ私のところで検査しますか」と声をかけられ、その総合病院を受診することになったのです。 11月ごろの血液検査ではPSA値が8.0ng/mLに上昇しており、はっきりとした原因を突き止めるため、12月に針生検を行うことになりました。生検は全身麻酔で行うということで、日曜日の午後に入院し、火曜日のお昼には退院するという2泊3日のスケジュールを組み、月曜日と火曜日の休みだけで仕事への影響を最小限に抑えました。手術室までは自分で歩いて入り、麻酔をかけられた瞬間に肩を叩かれ、気づいたときにはすでに病室のベッドの上でした。麻酔が切れた後から眠るまでは痛みがあり、1週間ほど血尿が出ましたが、検査中の痛みや恐怖は全くありませんでした。

担当医の判断による監視療法の開始

年が明けた2023年1月、生検の結果を聞きに行くと、前立腺の14か所から組織を採取したうちの1か所からがん細胞が検出されたと告げられました。前立腺がんのステージ1で、がんの悪性度を示すグリソンスコアは3+3の6、リスク分類は低リスクという結果でした。 担当医からは、年齢がまだ50代前半と若いことや、低リスクということで監視療法を提案されました。当面は監視療法で様子を見ることで、治療による副作用を避けることができます。もし将来的に進行して治療が必要になった場合でも、担当医の方針では「まずは手術を第一選択とする」とのことでした。 ひとつ悔やまれたのは、がん保険に入っていなかったことです。病気や怪我の医療保険には入っていましたが、まさか自分ががんになるとは思っていなかったため、がんの特約もつけていませんでした。それでも、現在は3か月に1回の通院で検査代を支払うだけで済んでいるため、割り切って考えるようにしています。

職場の環境変化に伴う腫瘍マーカーの上昇

監視療法を続けるにあたり、担当医からは明確な基準が示されました。もし血尿が出たり、尿の出が悪くなったり、痛みが出たりといった自覚症状があればすぐに来院すること。また、通常5.0~6.0ng/mL台で推移しているPSA値が2桁に上がった場合は、検査間隔を2か月に短縮し、それが2、3回続いたら再度生検を行い、がんの広がりが確認されれば手術に踏み切るということを言われました。 2024年1月に受けた2回目の生検では、幸い14か所中1か所もがんは検出されませんでした。しかし、医師からは「がんが無くなったわけではないからね」と釘を刺され、広がりを見るための検査だということを再認識しました。ネットなどで調べると、下半身麻酔だけで意識がある中で生検を行う病院もあるようですが、私の場合は全身麻酔で寝ている間に終わるため、精神的な負担も少なく済んでいます。 順調に経過観察を続けていた2024年の春先、職場環境に大きな変化がありました。社内で退職者が相次いで人数が減り、一人ひとりが貴重な戦力となる中で、それまで電車で片道2時間かけて通っていた私が、今度は車で片道2時間かけて遠方の勤務地へ通わなければならなくなったのです。さらに、たまたま職場の事務員の女性のお父様が亡くなるなどトラブルが重なり、本当に死ぬほど忙しい状態に陥りました。それが直接の原因かは医学的にはわかりませんが、その直後の4月に行った血液検査で、PSA値が一時的に11.0ng/mLという数値に上がってしまったのです。 医師からは指示通り「次は2か月後に来てください」と言われ、このままでは本当に手術になってしまうかもしれないと強い危機感を覚えました。私は慌てて会社の社長のところへ行き、体調とPSA値の話をして、「このままでは本当に手術になってしまうから、車で2時間の通勤はきつい」と訴えました。私がいなくなると会社としても大変だということを社長もわかってくれていたため、結果として会社から車で30分ほどの場所にあるホテル住まいにしてもらうことになりました。2か月間ホテル暮らしをして身体的負担を減らした結果か、6月の検査ではPSA値が再び6.0ng/mL台に落ちており、元の3か月ごとの検査に戻ることができました。その後、2026年3月に3回目の生検を行いましたが、このときは1回目のときと同様に14か所中1か所からがんが検出されました。数値は6.0ng/mL台の後半まで上がっていましたが、担当医が定めた基準内であるため、現在も監視療法を継続しています。

忙しい日常がもたらす精神的な安定

診断を受けてから現在に至るまで、有志が運営する前立腺がんのLINEグループやYouTubeなどで情報収集を行ってきました。LINEのグループチャットでは、70代のお父様が前立腺がんになりご家族が情報を求めていたり、さまざまな治療法を経験した方々が「あの治療法をやってどうだった」と書き込んだりしています。ただ、私のように監視療法だけを行っている人の書き込みや情報はほとんど目にしませんでした。そうしたさまざまな治療や副作用の体験談に触れることで、早期に発見でき、PSA値も低く抑えられている現在の自分の状況はまだ全然マシな方だと冷静に受け止めることができました。 年を重ねるにつれて自分も病気になっていくのだというショックは確かにありましたが、食事制限や生活の制限などは一切なく、何を食べてはいけないといったことも全く考えずに今まで通りの日常を送っています。会社からはホテル滞在などの配慮をしてもらいましたが、だからといって仕事の量や質が減らされたわけではなく、今も毎日の業務をこなすだけで精一杯の激務が続いています。しかし、この忙しさが逆に私の心を救ってくれている面もあります。もし仕事が暇で家の中で一人で過ごす時間が多ければ、がんのことばかりを考えて思い悩んでいたかもしれません。日々の仕事に忙殺され、他のことを考える余裕がないからこそ、病気への不安を過度に感じずに精神的なバランスを保てているという一面もあります。

主治医の指示に従って定期検査を継続する理由

病気に対して深く思い悩まずに過ごせている背景には、かつて部下だった女性のご主人が、がんを発症し、わずか9か月で亡くなりました。同じがんでも、病態や経過は人それぞれであり、いつどのような経過をたどるかは誰にも予測できないという現実を目の当たりにしました。私自身は、担当医から監視療法の対象となる状態であると診断されましたが、前立腺がんであっても悪性度や経過は個人によって大きく異なります。病状の経過も人の命も予知できないからこそ、まだ起きていない先のことを過度に思い悩んでも仕方がないと受け止めるようになりました。 現在、私には食事や生活の制限は一切ありません。注意しているのは、自分の状態に変化がないかを確かめることです。だからこそ、普段通りの生活を送りながら、担当医の指示通りに3か月に1回通院して定期検査を受け続けることを心がけています。仕事に追われる忙しい日々ではありますが、目の前の業務に集中することで病気のことばかりを考えずに済み、精神的なバランスを保つことにつながっています。これからも医師の指示を守り、自身の経過と冷静に向き合いながら日々の生活を続けていこうと思っています。

今、がんと向き合っている方へのメッセージ

今、がん治療をしている方にお伝えしたいことがあります。 主治医の指示に従って定期的な検査を続けましょう 前立腺がんは進行が遅いと言われていても、いつPSA値が急に上がるかは誰にもわかりません。「進行が遅いから半年や1年に1回でもいいだろう」と自己判断で通院の間隔を空けるのではなく、主治医の指示にしっかりと従い、定期的に検査を受けることが自分自身の安心につながります。 過度に病気を恐れず今の日常を大切に生きましょう 先のことを考えすぎて一人で思い悩んでしまうと、かえって心に負担がかかってしまいます。定期的な検査は、再発や転移の兆候をいち早く見つけるためのものです。万が一進行が見つかった場合でも、すぐに次の治療方針へと切り替えるための準備と捉え、病気を過度に恐れすぎずに今の日常を大切に過ごしてください。

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