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びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、子どもが成人するまで父として生き抜く強い覚悟

[公開日] 2026.10.15[最終更新日] 2026.10.06

写真はイメージです。(AIによる生成)
プロフィール お名前:てるぞうさん(ニックネーム) 年代:40代 性別:男性 家族構成:妻と子どもとの3人暮らし 仕事:会社員 がんの種類:悪性リンパ腫(びまん性大細胞型B細胞リンパ腫) 診断時ステージ:ステージ1 診断年:2026年 現在の居住地:非公開
※本体験談は、患者さん個人の経験に基づくものです。治療の経過や副作用には個人差があります。オンコロマイストーリー含め、ネット上の情報には、進行や再発といった厳しい闘病を経験された方の発信が多く残る傾向がありますが、実際には再発なく平穏に過ごされている方も数多くいらっしゃいます。情報の一つとして受け止め、治療方針の決定の際には、必ず主治医や医療従事者にご相談ください。 鼠径部のリンパ節の腫れに気づいたてるぞうさんは、2026年4月に病院を受診しました。検査の結果、悪性リンパ腫の一種であるびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)のステージ1と診断されました。初めて聞く病名にショックを受けながらも、仕事を休職し、抗がん剤治療を開始。治療中は便秘や脱毛などの副作用に苦しんだものの、治療の成果が表れ、完全寛解に至りました。現在は経過観察に入り、仕事への復帰を控えています。病気の発覚から治療の経過、そして同じようにがんと闘う方への思いについてお話しいただきました。

外科医が告げた「悪性リンパ腫か肉芽腫の疑い」

2026年の2月に会社の定期健康診断を受診しましたが、そのときは血液検査や画像検査を含めて全く異常を指摘されませんでした。しかし、そのわずか1か月後の3月に入ったころ、右の鼠径部にあるリンパ節が急に大きくなって腫れていることに気がつきました。痛みなどは特にありませんでしたが、短期間で明らかに大きくなってきたため、少しおかしいと感じました。 最初はどの診療科を受診すればよいのかわからなかったため、まずは自宅から一番近い総合病院の外科を受診しました。外科の先生に腫れている部分を診ていただいたところ、すぐに「悪性リンパ腫か肉芽腫の疑いがある」と告げられました。確定診断を下すためには組織を詳しく調べる必要があるとのことで、その総合病院の外科で局所麻酔による摘出手術を受け、腫れているリンパ節を取り出して病理検査(生検)に回すことになりました。

驚き不安になったのは「悪性」という言葉

摘出した検体は、その総合病院だけでは詳しい判断ができないということで、他県の大学病院へ送られ、さらに精密な検査が行われることになりました。そのため、結果が出るまでに約1か月の時間がかかりました。 この結果を待っている1か月間、私は悪性リンパ腫の一般的な自覚症状とされる発熱、ひどい寝汗、著しい体重減少といったB症状が全くありませんでした。鼠径部の腫れを取ってしまってからは本当にどこも悪くない状態だったため、「自分は元気だし、問題ないだろう」と都合よく解釈し、非常に楽観的に考えていました。 しかし、4月のゴールデンウィークに入る少し前の時期に、病院から「結果が出たので来てください」と連絡がありました。妻と一緒に結果を聞きに行ったところ、外科の先生から「やはり悪性リンパ腫でした。病型はびまん性大細胞型B細胞リンパ腫です」と言われました。病名に「悪性」という言葉がついていたため、聞いた瞬間は非常に驚きました。それまで血液の病気に関する知識は全くなく、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)という病名も初めて聞きました。私自身も妻も、聞いたことのない病名でがんであると告げられたため、これからどうなるのだろうという絶望に近い不安を感じました。診察後、妻とは「仕事はいいから、しばらく休んで治療に専念しよう」と話し合いました。

最終的なステージは1と確定

確定診断を受けたものの、最初にかかった総合病院の外科では血液がんの専門的な治療には対応できないということで、県内でも規模が大きく、専門医が揃っている総合病院の血液内科へ紹介状を書いてもらいました。自宅からはかなり距離があり、利便性は良くありませんでしたが、最初の外科の先生の判断を信頼し、そちらへ転院することにしました。 紹介先の総合病院の初診では、改めて病理検査の検体を確認し、DLBCLであることを再確認しました。さらに、がんが全身のどこまで広がっているかを調べるため、血液検査、PET-CT検査、そして腰のあたりにある腸骨に針を刺して骨髄液を採取する「骨髄穿刺(マルク)」という検査を受けました。すべての検査結果が揃い、骨髄への浸潤(がん細胞の広がり)はなく、他の臓器への転移も見られないということで、最終的にステージ1であることが確定しました。

専門医が発信するYouTube動画で情報収集

主治医の先生からは、DLBCLは月単位で進行するスピードの速いタイプのがんであるため、できるだけ早く治療を開始する必要があるという説明を受けました。会社員として仕事をしていましたが、私も治療を最優先にすべきだと考えました。 病院側のベッドの空き状況に合わせて入院できる日程を決めてもらい、会社には「治療するために、休みます」と報告しました。幸いにも勤続年数が長かったため、特別保存というストックされた有給休暇が約60日分、今年の通常の有給休暇が約40日分あり、トータルで約100日間の休暇を利用して治療に専念できることになりました。そこから約2週間で仕事の引き継ぎを行い、入院して治療を開始しました。 この引き継ぎを行っている2週間の間、自分がどのような病気で、これからどのような治療を受けるのかを知るために、インターネットを使って情報収集を行いました。血液のがんには白血病、悪性リンパ腫、骨髄腫の3種類などがあることや、悪性リンパ腫の中にもさらに細かな型(タイプ)があることを、病気になって初めて知りました。 情報収集において一番参考になったのは、YouTube動画です。テキスト中心のホームページでは専門用語が多くて理解しづらい部分もありましたが、専門医の方が図解を用いながら言葉で解説してくれる動画は、すんなりと頭に入ってきました。また、XなどのSNSでも同じ病気の方のアカウントを探して闘病記を読みましたが、SNSの情報は100%真実とは限らないため、話半分に受け止め、「こういう情報もあるんだな」という参考程度のスタンスで閲覧していました。事前に自分なりに最低限の知識を持っておくことで、主治医からの説明に対する理解度も深まり、納得して治療に向かうことができました。

R-CHOP療法の開始と便秘の副作用

2026年の5月末ころから入院し、R-CHOP療法(リツキシマブ、シクロホスファミド、ドキソルビシン、ビンクリスチン、プレドニゾロン)を開始しました。最初の治療計画では、まずR-CHOP療法を3クール行い、その後PET-CT検査を実施して効果判定を行い、完全奏効が得られればプラス1クールの計4クールで終了するという説明を受けました。治療のサイクルとしては、3週間を1クールとして進行しました。抗がん剤を点滴で投与する際に1週間から10日ほど入院し、退院した後は自宅で療養して次の投与に備えるというサイクルを繰り返しました。 副作用についてですが、吐き気に関しては事前に強力な吐き気止めの薬が投与されていたため、ほとんど感じることはありませんでした。しかし、私にとって一番きつかった副作用は便秘でした。抗がん剤の影響で消化器官の動きが完全に止まってしまったのか、食べたものが全く排出されなくなってしまったのです。お腹が張って食欲が全くないにもかかわらず、入院中は1日3回、時間が来れば強制的に食事が配膳されるため、それを目の前にするのが精神的にも肉体的にも非常に苦しい経験でした。それでも、投与後の最初の1週間を乗り切れば、残りの2週間で徐々に体調が回復し、食欲も戻ってくることがわかりました。

脱毛による見た目の変化のつらさを実感

R-CHOP療法開始から3~4週間が経過したころから髪が抜け始めました。事前に薬剤師の方から脱毛について説明を受けていたため、治療が始まる前に自分で髪を短く刈り上げて坊主頭にして備えていました。長いまま抜けるよりはショックが少ないだろうと考えての行動でしたが、実際に抜け始め、入院中のベッドの枕元に大量の短い髪の毛が散らばっているのを見たときは、やはり精神的に大きなダメージを受けました。頭髪がなくなるという見た目の変化は、がん患者にとって非常につらいものだと実感しました。 一方、入院中の精神的な支えとなったのは、主治医および医療スタッフの方々との良好なコミュニケーションでした。担当してくださったのは比較的若い先生で、非常に話しやすい方でした。病院の体制として、担当医が午前中と夕方の1日2回、必ず病室へ回診に来てくれるシステムになっていたため、不安に思ったことや、YouTubeで調べて疑問に感じたことなどをその都度質問することができました。質問に対してもしっかりと答えてもらえたため、治療方針に対する不信感や入院中の大きな不安を抱えることなく過ごすことができました。

会社の社員にがんのことをどう伝えればいいのか

治療は順調に進み、当初の計画通り3クールの投与が終わった時点でPET-CT検査を受けました。その結果、画像上ではがん細胞が認められない完全寛解という判定を受けました。薬が非常に良く効いていたため、予定通り検査後は1クールの治療を行い、トータル4クールのR-CHOP療法ですべての抗がん剤治療を無事に終えることができました。 治療を終えた現在、体調はほぼ元通りに回復しており、特にできなくなったことや制限されていることはありません。近日中に職場へ復帰する予定ですが、現在の悩みは周囲への説明をどうするかという点です。会社には幹部にしか病名を伝えておらず、現場の社員は私が何の病気で休んでいたのかを知りません。復帰する際は、ウィッグ(かつら)や帽子などは被らず、丸坊主のまま出社する予定です。周囲の反応を見ながら、抗がん剤治療を受けていたことや現在の状況について、自分の言葉で少しずつ伝えていこうと考えています。

子どもが成人するまで生きるという覚悟

今回のがん経験を通じて、私の心境には大きな変化がありました。それまで自分は大きな病気になるような人間ではないと勝手に思い込んでいましたが、病気というものはある日突然、誰にでも降りかかってくるものだと痛感しました。私には妻と、まだ3歳になったばかりの子どもがいます。自分ががんになったからといって、すぐに死ぬわけにはいきません。せめてこの子どもがしっかりと成人するまでは、父親として何としても頑張って生きていかなければならないという強い覚悟を持ちました。 今後の不安がないわけではありませんが、主治医の先生からは「DLBCLは比較的予後が良く、再発率もそれほど高くない」という説明を受けています。現在は2か月から3か月に1回のペースで通院し、定期的な検査を受ける経過観察の期間に入っています。もし再発してもそのときにまた考えればいいと割り切り、今はあまりネガティブなことは考えず、家族のための生活と仕事に集中して、楽観的な気持ちで日常を過ごしていきたいと思っています。

今、がんと向き合っている方へのメッセージ

今、がん治療をしている方にお伝えしたいことがあります。 自分の体調変化に気を配り、早めの受診を心がけてください 私のケースのように、一般的ながんの自覚症状が全くなくても、がんが発症しているケースがあります。少しでもおかしいと感じた場合は、早めに医療機関を受診してください。早期発見と早期治療こそが、がん治療において非常に有効な手段だと実感しています。 状況に応じて働き方の工夫を相談してください 抗がん剤の治療中であっても、私の場合は投与後の1週間を過ぎれば体調が回復し、無理をすれば仕事ができそうな感覚がありました。患者さんの年齢や会社の制度にもよりますが、完全に休職するだけでなく、体調が良い時期にテレワークを活用するなど、ご自身の状況に応じた働き方を職場と相談してみるのもひとつの選択肢だと思います。 悲観せずに標準治療へ前向きに専念してください DLBCLは進行が早い一方で、抗がん剤が非常に効きやすく、治癒を目指せる病気であるとされています。実際に私も完全寛解に至ることができました。インターネット上にはネガティブな情報も溢れていますが、それに振り回されず、主治医の話をよく聞き標準治療をしっかりと受けてください。過度に悲観せず、前向きな気持ちで治療に専念してください。

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