写真はイメージです。(AIによる生成)プロフィール
お名前:かろりんさん(ニックネーム)
年代:40代
性別:女性
家族構成:1人暮らし
仕事:会社員
がんの種類:直腸GIST(消化管間質腫瘍)
診断時ステージ:不明
診断年:2020年
現在の居住地:和歌山県
※本体験談は、患者さん個人の経験に基づくものです。治療の経過や副作用には個人差があります。オンコロマイストーリー含め、ネット上の情報には、進行や再発といった厳しい闘病を経験された方の発信が多く残る傾向がありますが、実際には再発なく平穏に過ごされている方も数多くいらっしゃいます。情報の一つとして受け止め、治療方針の決定の際には、必ず主治医や医療従事者にご相談ください。
かろりんさんは、会社員として働きながら、高齢の母親と同居していました。2019年ごろから便通に異常を感じていましたが、母親を気遣い自身の受診を控えていました。母親が他界した後にクリニックを受診し、精密検査の結果、直腸GIST(消化管間質腫瘍)と診断されました。直腸切除と人工肛門の造設という大きな決断を迫られましたが、かかりつけの医師の言葉に背中を押されて手術を受けました。術後は薬の副作用やストーマの管理に苦労しながらも、職場の理解を得て仕事に復帰しました。趣味のスポーツを楽しみながら、現在も前向きに生活を送っている様子についてお話しいただきました。
便通異常でかかりつけのクリニックを受診
2019年ごろから、便秘や便が残っているような感覚があり、急にトイレに行きたくなる症状がありました。当時は高齢の母親と同居しており、もし自分に病気が見つかってしまったら母親の世話をどうすればいいのかという心配があったため、病院へ行く勇気が出ませんでした。 しかし、その年の12月に母親が他界したため、近くのかかりつけのクリニックを受診することにしました。最初は院長先生が不在で、便を柔らかくする薬を処方されました。その薬を飲み始めて2日後、トイレで激しい出血と血の塊が出ました。驚いて再び同じクリニックを受診し、今度は院長先生に診ていただきました。触診の後、「何かある。あまり良くないような気がする」と言われ、すぐに大腸内視鏡検査で確認していただきました。その結果、詳しい検査が必要だということで、大学病院を紹介されました。直腸GISTの診断とストーマの可能性
紹介された大学病院を受診し、改めて大腸内視鏡検査や、胃内視鏡検査を受けました。直腸に腫瘍があることはわかっていましたが、組織を採取して検査をした結果、2020年3月に確定診断が出ました。病名は直腸GISTでした。GISTという名前はそれまで全く聞いたことがありませんでした。担当の医師からはGISTに関する一般的な説明があったと思いますが、私自身は初めて聞く病名に戸惑っており、説明の詳しい内容はあまり覚えていません。腫瘍の大きさは約3cmだと後になって知りました。 確定診断の際、医師から今後の治療方針について説明がありました。まずは手術で腫瘍を摘出するということでした。そして、腫瘍が肛門の近くにあったため、人工肛門になると告げられました。大腸内視鏡検査で異常を疑われていたため、当初は大腸がんに関してインターネットで調べていました。調べる中で、大腸がんでは人工肛門になる可能性があることも知りました。しかし、実際に医師から「人工肛門になります」と言われたときは頭が真っ白になりました。今まで当たり前だった体の機能がなくなってしまうという事実が非常にショックで、その後の医師の話は全く頭に入ってきませんでした。幸い、その日は従姉妹が付き添ってくれていたため、医師からの詳しい説明はすべて従姉妹が聞いてくれました。「前に進むしかない」という言葉で決断
人工肛門になるという宣告を受けた後、なんとか肛門を残す方法はないかと調べました。東京にあるがん専門病院などで、肛門を残す手術を行っているという情報を目にしました。職場の直属の上司に相談したところ、「治療ができるなら、東京でもどこで行ってみたらいい、会社のことは気にしなくていい」と言っていただきました。上司の言葉に背中を押され、セカンドオピニオンとして東京の病院へ行くことも考えましたが、私の中には迷いがありました。そこで、最初に病気を見つけてくれたかかりつけのクリニックの院長先生に相談に行きました。 院長先生に肛門を残したいという希望を伝えると、「あなたはまだ若いから、無理に肛門を残すと排便障害のリスクもあるし、頻繁にトイレに行かなければならなくなり、生活が大変になる可能性もある。それよりも悪いところを全部取ってしまう方が大事。前に進むしかないから」とはっきりと言われました。この院長先生の言葉を聞いて、私の中で迷いが吹っ切れました。無理に残して日常生活に支障をきたすよりも、ストーマになってもしっかりと腫瘍を取り切るほうが良いと決断することができました。セカンドオピニオンには行かず、紹介された大学病院で腹腔鏡手術とストーマ造設の手術を受けました。イマチニブの副作用と薬の減量
手術のため、約1か月間入院しました。退院後は、再発予防としてイマチニブという薬を3年間服用することになりました。この薬の副作用にはかなり苦労しました。顔や足のむくみ、食欲不振、そして強い倦怠感がありました。仕事に復帰してからも、帰宅すると体がだるくて何もする気が起きない日々が続きました。最初は1日に4錠服用していましたが、副作用の症状がきつかったため主治医に相談し、3錠に減らしてもらいました。薬を減らしたことと、時間が経つにつれて徐々に体も慣れていきましたが、むくみの症状は薬を飲んでいる3年間ずっと続いていました。 大学病院の主治医は、最初は淡々としていて、こちらから相談しにくい雰囲気がありました。しかし、かかりつけの院長先生が過去にその大学病院に勤務していたことがあり、主治医と知り合いでした。私がかかりつけの院長先生に副作用などで困っていることを話すと、「私から主治医の先生に言っておく」と間を取り持ってくれました。そのおかげで、主治医が私の話をしっかり聞いてくれるようになり、薬の減量などの相談もしやすくなりました。かかりつけの院長先生のおかげで、大学病院の主治医とも信頼関係を築くことができました。現在も、3か月に1回はかかりつけのクリニックに通い、便を柔らかくする薬などを処方してもらいながらお世話になっています。職場の配慮と人工肛門生活
仕事については、手術と療養のためにまとまったお休みをいただきました。会社には年次有給休暇のほかに病気休暇の制度がありました。病気休暇を利用すると給与は少し減りますが、有給休暇と組み合わせて合計1か月半ほど休むことができました。復帰にあたっては、会社が余分に人員を配置してくれました。体調が優れないときは休憩を取っていいと言われ、急な休みにも対応してもらえる環境を整えていただきました。理解のある職場で、働きながら治療を続けられる環境にとても恵まれていたと感じています。 また、仕事に復帰した当初は、ストーマの管理に慣れず苦労しました。特にイマチニブを飲んでいた時期は、下痢になりやすかったため、排泄の処理に手間取ったり、トイレの回数が増えたりしました。装具が剥がれてしまうこともありました。 外出する際は、必ず事前に行く場所のトイレ事情を調べるようになりました。個室が少ないと困るので、トイレがたくさんある場所を選ぶようにしました。また、友人と出かけるときは、トイレに時間がかかって待たせてしまうことが申し訳なく感じました。最初は音やにおいが周囲に漏れるのではないかと気にしていましたが、最近はそれほど気にならなくなりました。病気を経験して変わった気持ちの持ち方
私は1人暮らしをしていますが、人工肛門になったことで、1人暮らしの環境が気楽で良かったと感じています。ストーマの装具を交換する際も誰にも見られず、体調が悪いときも誰に気兼ねすることなく横になることができます。日常生活への大きな影響としては、以前やっていたスポーツを変えたことがあります。病気になる前はフットサルとバレーボールをしていましたが、体が接触するとストーマに影響があり危険だと思い、フットサルは辞めました。その代わり、接触が少なくストーマを保護していれば比較的安全なバレーボールは、現在も続けています。 イマチニブの服用は予定通り3年間で終了しました。その後は半年に1回、CT検査を受けて経過観察をしていました。5年目の最後の検査のとき、肺に小さな影があると言われ、再発ではないかと非常にショックを受けました。しかし、最終的には何らかの炎症の跡であり、問題はないとわかりました。 現在は、大学病院の主治医が週に1回、近くの病院に診療に来る日があるため、そのタイミングに合わせて年に1回CT検査と診察をお願いしています。主治医と今でもつながっていることで、大きな安心感を得ています。 病気を経験してから、いつ何が起こるかわからないと思うようになり、行きたい場所には積極的に行くようになりました。また、病気で落ち込んでいる人がいたら、自分の経験を話して励ますこともあります。人工肛門の宣告を受けたときは頭が真っ白になり、当たり前だったものが失われることにショックを受けましたが、今は趣味のバレーボールを楽しみ、仕事に打ち込むことができています。仕事を続けていることで病気の不安を考える時間が減り、日々の生活を前向きに過ごせています。これからも、今の自分にできることを楽しみながら、私らしいペースで歩んでいきたいと思っています。今、がんと向き合っている方へのメッセージ
今、がん治療をしている方にお伝えしたいことがあります。 我慢せずに自分の気持ちを伝えることが大切です 私は、理解のある職場や、相談できるかかりつけの医師、そして話を聞いてくれる主治医に恵まれました。しかし、治療方針に悩んだり、医師にうまく希望を伝えられずに一人で抱え込んでいる方もいらっしゃると思います。患者として、疑問や不安、自分の希望を我慢せずにしっかり伝えることが、医師との信頼関係を築く第一歩だと感じています。 誰かに相談できる環境を作りましょう 私自身、かかりつけの院長先生に相談したことで、迷いが吹っ切れ、主治医との関係も良くなりました。一人で悩まずに、信頼できる人や医師に相談して頼ることで、治療を続けるための環境は改善していくはずです。決して一人で抱え込まず、周囲のサポートを受け入れながら治療を進めていってほしいと願っています。がん体験に関するインタビュー参加者募集中
オンコロでは、がん体験をお話しいただける方を対象としたインタビューを実施しております。応募条件など、詳細は下記の応募フォームをご確認ください。この体験談をきっかけに、治験についてもっと知ってみませんか?
?ほかの患者さんは、どんな治験を経験したの?
?自分が参加できる治験はある?
?治験について、もっと知りたい



