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大腸がんステージ2、自分らしく生きるためにQOLを優先した治療選択

[公開日] 2026.10.01[最終更新日] 2026.10.01

写真はイメージです。(AIによる生成)
プロフィール お名前:ひろちゃん(ニックネーム) 年代:70代 性別:男性 家族構成:妻と長男と孫との4人暮らし 仕事:無職 がんの種類:大腸がん(横行結腸がん) 診断時ステージ:ステージ2 診断年:2026年 現在の居住地:石川県
※本体験談は、患者さん個人の経験に基づくものです。治療の経過や副作用には個人差があります。オンコロマイストーリー含め、ネット上の情報には、進行や再発といった厳しい闘病を経験された方の発信が多く残る傾向がありますが、実際には再発なく平穏に過ごされている方も数多くいらっしゃいます。情報の一つとして受け止め、治療方針の決定の際には、必ず主治医や医療従事者にご相談ください。 2026年1月に大腸がんが判明し、総合病院で腹腔鏡手術を受けたひろちゃん。術後に再発予防の抗がん剤治療を提案されたものの、副作用のリスクや生活の質を考慮し、治療を行わない道を選択しました。ご自身の価値観を大切にしながら地域活動を続け、自分らしく日々を過ごすひろちゃんに、がんの発見から治療選択の決断、現在の思いまでをお話しいただきました。

大腸がん発覚のきっかけは便通異常

2025年10月、私は普段の生活の中で下痢と便秘を交互に繰り返すような便通異常を感じるようになりました。ちょうどその時期は、富有柿を食べる機会が多くありました。そのため、最初は柿に含まれる成分などの影響で消化不良を起こし、胃や腸に結石のようなものが溜まる柿胃石になっているのではないかと考えていました。しかし、12月を過ぎて年が明けても便通異常が治まることはありませんでした。 2026年1月下旬から腹部に痛みを覚えるようになり、翌日には胃の周辺にも不快感が現れました。ただの体調不良ではないと感じたため、1月26日に近くの総合病院を受診することにしました。当初は、胃内視鏡検査を受けるために受診しました。検査の結果、胃に異常は見つからなかったのですが、医師から大腸の検査も一緒に受けてみないかと提案されました。私自身、それまで大腸がん検診を受けたことがなかったため、よい機会だと思い大腸内視鏡検査を受ける決断をしました。 大腸内視鏡検査を実施するにあたり、下剤を2L近く飲み、時間をかけて腸内をきれいにする準備を行いました。大腸に内視鏡を入れていくと、横行結腸の部位に大きな腫瘍が見つかり、そこから奥へはカメラが進めなくなりました。腫瘍によって腸管が狭まり便の通過を妨げている状態であることが確認され、組織検査のための検体採取が行われました。医師からは「手術をすることになる」と説明を受けましたが、この病院ではロボット支援下手術ができなかったため、設備のある地域の総合病院を紹介してもらいました。画像や検査データがそのまま引き継がれたため、総合病院で改めて大腸内視鏡検査を受け直すことはありませんでした。

予想以上に広かった切除範囲

紹介状を受け取った後、2月2日には紹介された総合病院の消化器外科を受診しました。対応してくださった主治医から病状の説明を受け、即日入院の手続きをしました。主治医は3月末で他の医療機関へ異動することが決まっており、その医師が執刀する最後の患者として、大変迅速に手術までのスケジュールを組んでいただくことになりました。 入院後は採血や造影剤を使用したCT検査などの必要な事前検査を受け、手術に向けた準備が進められました。医師からの説明によると、腫瘍は腸壁の漿膜下層まで達している状態であり、進行度としてはステージ2程度であると推測されました。がんが周囲のリンパ節へ転移している可能性も考慮し、腫瘍そのものだけでなく、広範囲にわたる腸管とリンパ節を一緒に切除する方針が示されました。 手術は2026年3月5日に行われ、手術時間は約4時間に及びました。切除部位は、腫瘍が存在していた横行結腸中程から上行結腸を含む、虫垂の近くにいたるまで長めの範囲に及びました。 手術を受けるにあたり、人工肛門(ストーマ)を造設することになるのではないかという不安もありましたが、肛門側の健全な部位を残すことができたため、切除後に小腸と大腸を直接つなぎ合わせる再建が行われました。結果として人工肛門にはならず、自身の肛門をそのまま維持した形で無事に手術を終えることができました。

抗がん剤治療を選ばなかった理由

手術が無事に終了した後、女性の主治医に交代しました。新しい主治医からは、手術後の定期診察の場で術後補助化学療法についての説明がありました。これは、手術で目に見える腫瘍を取り切った後に、体内に残っているかもしれない微小な転移や再発を防ぐことを目的として行われる抗がん剤治療のことです。 医師からは、48時間継続して点滴を行う治療法や、2週間服薬して休薬を挟みながら12回程度繰り返す内服薬治療など、いくつかの具体的な選択肢が示されました。そして「どの治療法を選びますか。次回までに考えをまとめて返事をしてください」と委ねられました。 提案を受けた私は、自宅に戻ってから抗がん剤治療について自分自身で詳しく調べることにしました。病院に置かれていたパンフレットや書籍をはじめ、インターネット上の医療情報や新聞記事、大腸がんに関する専門書などを読み込みました。調べを進めるうちに、抗がん剤には吐き気や激しい倦怠感、手足のしびれといった末梢神経障害、皮膚の荒れ、血小板の減少など、さまざまな副作用が高確率で現れることがわかってきました。 手術を受けたこと自体によって体力が低下していた私にとって、抗がん剤の副作用によってさらに体が弱ってしまうことは避けたい事態でした。「がんの再発を防ぐ効果があるとしても、副作用に苦しみ、今以上の体調不良に陥るリスクを冒したくない。現状の体調を維持することの方が重要である」という考えに至りました。 次回の診察で、私は補助化学療法はやらずに様子を見たいと伝えました。その際、治療を受けない詳細な理由は言いませんでした。わかったような余計なことを言って、医師から嫌われたくなかったからです。こうして、抗がん剤治療は行わずに経過観察していくことになりました。

手術後の身体の変化

抗がん剤治療を受けない選択をした後は、定期的な診察と検査によって経過を観察していくことになりました。手術から約3か月が経過した6月5日には病院で血液検査を受けましたが、特に異常を示す数値は見られず、順調な経過であることが確認されました。 現在のところ、日常生活を正常に送る上で重大な障害は生じていませんが、身体的な面での変化は確実に感じています。最も強く自覚しているのは、体力や持久力の低下です。少し動いただけでも体力が消耗しやすく、急に体から力が抜けるような感覚を覚えることがあります。 筋肉量の減少も顕著であり、腕や足の太さが細くなったことを実感しています。がんになる以前は、30 kgの玄米の袋を持ち上げることができましたが、現在は20 kgの袋であっても非常に重く感じられるようになりました。無理をして体を振り回すような動きをすると、手術で縫合した腸のつなぎ目が引っ張られるような違和感を覚えることもあります。 そのため、普段歩く際には意識的に歩行速度を緩め、体に負担がかからない姿勢や動作を心がけています。周りの人からは「元気に過ごしている」と言われることも多いですが、自分自身の体の変化と向き合いながら、慎重に行動するよう注意を払っています。 もし今後、定期検査などでがんの再発や転移が見つかった場合には、その時点でどのような治療法が存在するのかを改めて医師に確認し、自分で納得できる選択をしていくつもりです。

地域での役割を続ける日常

身体的な衰えを感じつつも、私は以前から関わっていた地域での役割や趣味を自分のペースで続けています。そのひとつが、地域のパークゴルフ協会の事務局長としての活動です。パークゴルフの大会運営にあたっては、事前に準備を整え、当日の司会進行や試合進行表の作成、新聞社への後援申請、大会結果のデータ処理とメール送信など、多岐にわたる事務作業を一人でこなしています。 また、地元の観光ボランティアガイドとしての活動も続けており、地域のお寺を訪れる観光客への案内や解説を担当しています。さらに、グラウンドゴルフの練習や大会にも参加し、適度に体を動かす機会を設けています。 退院直後は、体力や筋力が著しく低下しました。しかし、自宅へ戻ってからは自分のペースで少しずつ動く範囲を広げていきました。作業に追われて睡眠時間が短くなることもありますが、朝早く起き出して新聞を読んだり、必要な作業を進めたりする生活リズムが定着しています。 以前のように遠方へ旅行する積極的な意欲は薄れましたが、自分に与えられた役割を責任を持って果たし、地域の人々と関わりを持ち続けることが、日々の生活における良い刺激となっています。自分の体調と相談しながら、できる範囲で役割を全うすることが、現在の私の生きがいとなっています。

今、がんと向き合っている方へのメッセージ

今、がん治療をしている方にお伝えしたいことがあります。 ご自身の意思と価値観に基づいて治療を選択してください 医師から提示された治療法をそのまま受け入れるだけでなく、自分自身で書籍や信頼できる情報を集め、治療に伴うメリットとデメリットを正しく理解することが大切です。自分がどのような生活を送りたいのか、何を優先したいのかという基準を明確にし、納得した上で治療を選択することが、後悔のない療養生活につながります。 身体の変化を受け入れ、無理のないペースを保つことが大切です がんの手術や治療を受けた後は、以前と同じような体力や筋力を維持することが難しくなる場合があります。低下した体力を理由に落ち込むのではなく、現在の自分の状態を冷静に受け入れ、負担がかからない生活習慣を整えることが重要です。自分の体調に合わせて無理のない範囲で活動を継続することが、健やかな日常を維持することにつながります。

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