• 検索
  • お問い合わせ
  • お知らせ
  • メニュー
  • がん種
  • ニュース
  • 特集
  • 治験
  • リサーチ
  • イベント
  • 動画
  • 患者会
  • 辞典
  • お役立ち

乳がんステージ0、心ない言葉を乗り越え理解ある当事者の支えで見つけた前向きな生き方

[公開日] 2026.09.03[最終更新日] 2026.09.03

写真はイメージです。(AIによる生成)
プロフィール お名前:いずみさん(ニックネーム) 年代:50代 性別:女性 家族構成:夫と娘との3人暮らし(子ども2人は独立) 仕事:会社員 がんの種類:乳がん(ホルモン受容体陽性、HER2陰性) 診断時ステージ:ステージ0 診断年:2021年 現在の居住地:新潟県
※本体験談は、患者さん個人の経験に基づくものです。治療の経過や副作用には個人差があります。オンコロマイストーリー含め、ネット上の情報には、進行や再発といった厳しい闘病を経験された方の発信が多く残る傾向がありますが、実際には再発なく平穏に過ごされている方も数多くいらっしゃいます。情報の一つとして受け止め、治療方針の決定の際には、必ず主治医や医療従事者にご相談ください。
2021年、いずみさんは市の乳がん検診を機に乳がんステージ0と診断されました。手術待機中の不安や、職場での心ない言葉に傷つきながらも、がん経験者の励ましを支えに乳房全摘出手術を終えました。現在は再建手術を行わず、温泉旅行など好きなことを我慢せずに楽しみながら経過観察を続けているいずみさんに、乳がん発覚から現在に至るまでの心境の変化、周囲からの言葉がもたらす影響についてお話しいただきました。

がん検診をきっかけに見つかった乳がん

私は1年おきに市の乳がん検診を受けており、2021年の9月にもマンモグラフィ検査を受けました。これまでの検診で引っかかったことはなく、自覚症状も全くなかったため、いつも通りの検診のつもりでした。しかし10月の末になり、検診結果が大きな封筒で届きました。中には検査画像が入っており、要精密検査との知らせでした。いきなりのことにかなり驚き、慌てて精密検査を受けられる医療機関を探し始めました。 私の職場には女性が私を含めて2人しかいなかったため、もう1人の女性の先輩に相談しました。すると、ブレスト検診センターであればすぐに診てもらえると聞き、そこに予約を入れました。ブレスト検診センターは対応が非常に丁寧で、選んで良かったと今でも思っています。11月6日に生検などの精密検査を行いました。結果が出るまでの約2週間はとても長く感じられ、気が気ではありませんでした。

先の見通しが立たないことへの不安

11月22日、ブレスト検診センターから家族と一緒に来るように言われていたため、夫と一緒に結果を聞きに行きました。医師からは乳がんであると告げられました。サブタイプはホルモン受容体陽性、HER2陰性であるという説明も受けました。 ブレスト検診センターでは治療を行っていないため、通いやすさを優先して総合病院への紹介状を書いてもらいました。総合病院に移ってからは、12月10日にマンモグラフィなどの検査、12月24日にCT検査、年が明けた1月11日にMRI検査と、立て続けに検査を受けました。 診断はついたものの、すぐには手術の日程が決まりませんでした。当時は新型コロナウイルスの感染が拡大していた時期でもあり、もし自分が感染すれば予定が延期になってしまいますし、周囲で陽性者が出ても予定が変わる可能性があり、感染しないよう細心の注意を払っていました。 先の予定が全く立たないことに大きな不安を抱え、人に病気のことをどう説明してよいかもわからず、モヤモヤとした日々を過ごしていました。そんな時期に私の心の支えになってくれたのが、がんを経験した身近な先輩でした。その方はご自身も抗がん剤治療などを経験されているからこそ、私に対して「大丈夫だよ」と言ってくれました。身近に病気を乗り越えた人がいて、その人が大丈夫と言ってくれるだけで心から安心することができ、非常に救われました。

医師に勧められるがまま受けた乳房全摘出手術

一連の検査を終えた1月14日、総合病院の主治医からステージ0であるという病状の詳しい説明を受け、この日にようやく正式な手術日も告知されました。手術の方法については、私が温存を希望する間もなく、医師から万全を期すために全摘出を強く勧められました。がんの場所が乳首の近くだったことも関係しているようでした。 私自身、事前にインターネットで乳房再建についての情報を調べていたため、手術してすぐに乳房再建ができるのかどうかを少し尋ねました。しかし医師は「とにかく手術をしましょう。再建は後でもできます」というスタンスでした。あまり乳房再建については乗り気ではないように感じたため、私もそれ以上強く言い出すことができず、淡々と全摘出手術を受け入れる形になりました。もう少し相談しやすい雰囲気があれば良かったと思うこともありますが、結果的にはしっかりと病変を取り切ることができたので、その点は安心でした。

周囲の無神経な発言への怒り

手術の日程が2月に確定した後、会社の上司や一部の同僚に病気のことと、手術のために休職することを正式に報告しました。私は、業務上必要な限られた人にだけ伝えたつもりでした。 その報告の際、上司から「ステージ0でも全摘するんだ」というような言葉をかけられました。おそらく、早期であるステージ0なのに全摘出をするということに驚いての発言であり、悪気はなかったのだと思います。しかし、私にとってはまるで他人事のようであり、「そんな大したことないのに全摘になるのか」と気軽に言われたように感じてしまいました。人の気も知らないで軽々しく言うのだなと、びっくりして言葉が出ませんでした。当事者にとっては一生忘れることのできないフレーズであり、深く傷つきました。 さらに、私が直接報告していない別の役員が、私の病気のことを知ったうえで、家に帰ってから自分の家族に私が乳がんで休職することを話していたことが後になってわかりました。 私は地方に住んでおり、近所の人たちも顔見知りが多い環境です。後になって近所の人から「あなた大変だったわね」と言われ、なぜ知っているのかと驚きました。私が乳がんになったことを、他人の痛みを想像することなく茶飲み話の格好の話題にされたことに対し、声も出ないほどのショックを受け、強い怒りを感じました。個人情報を勝手に漏らされたことに対し、どういうつもりなのだろうかと非常に腹立たしく思いましたが、事を荒立てることはしませんでした。しかし、今でも心の中で深く傷ついています。

オンライン患者会へ参加した理由

2月に約6日間の入院をして、乳房全摘出手術を終えました。幸い、リンパ節への転移はありませんでした。その年は例年より雪が多かったため、2月いっぱいは自宅で療養し、3月から職場に復帰しました。仕事はデスクワークだったので影響はほとんどなく、通勤も車で5、6分の距離だったため、雪道でもゆっくり運転することで無理なく通うことができました。 このように仕事への復帰は順調だった一方で、体の変化については一人で不安を抱えていました。自宅療養中、手術の傷跡が鉄板のように硬くなっており、こんな状態になってしまって大丈夫なのだろうかと心配になったのです。そこで、一度だけ乳がん患者が集まるオンラインの会に参加し、不安を打ち明けました。すると、参加していた方から「まだ術後から日数が経っていないのだから、硬くて当たり前ですよ」と言われました。同じ経験をした方からそう言ってもらえたことで、「そういうものなのか」と納得し、安心することができました。

温泉旅行を楽しむ現在の生活

現在も定期的なペースで血液検査や画像検査を受けており、再発の兆候は見られません。ステージ0の段階で全摘出し、病変を完全に取り切ることができたためホルモン療法などの追加治療も行わず、無治療で経過観察を続けています。 全摘出をしたことで着脱式の人工乳房を作ってみたこともありましたが、ケアが面倒でほとんど使っていません。乳房再建手術についても検討はしたものの、再度入院して仕事に穴を開けることへのためらいや、もう一度痛い思いをすることへの不安がありました。さらに、会社に再建のための休みをどう説明してよいかわからず、説明したことでまた心ない言葉を言われるのではないかという不安も大きかったのです。 現在は再建を行っていませんが、全摘したままの生活に慣れてきたこともあり、今はこのままでいいと思えるようになりました。そのため、温泉などの共同浴場に行くことも、あまり気にならなくなっていきました。私を励ましてくれたがん経験者の先輩が、上手にタオルで隠しながら温泉を楽しんでいる姿を見ていたことも大きいです。同じ時期に手術をした別の知人は「温泉には行けない」と言っていましたが、私は先輩を見習い、好きな温泉旅行を我慢することなく楽しんでいます。

がんになって変わった前向きな生き方

がんを経験し、自分の人生には限りがあるのだということを切実に感じるようになりました。そのため、今はやりたいと思ったことや行きたいと思った場所には、心が動いたらどんどん行動に移すようにしています。我慢をせず、自分の気持ちを大切にして生きていきたいと思うようになりました。 一方で、娘に対しては少し複雑な思いを抱えています。私の父が胃がんであったため、私自身もいつかは自分も胃がんになるのだろうと漠然と考えていました。今回、私が乳がんになったことで、娘に「自分も将来乳がんになるのではないか」という無用な心配をかけ、いらない不安を背負わせてしまったのではないかと、申し訳ない気持ちになることがあります。 しかし、私が日々を笑顔で楽しく過ごすことが、娘や家族にとって一番の安心につながるのだと気づきました。病気を経て、本当に大切なものは何かを見つめ直すことができた今、これからも感謝の気持ちを忘れず、前を向いて私らしい人生を歩んでいきたいと思っています。

今、がんと向き合っている方へのメッセージ

今、がん治療をしている方にお伝えしたいことがあります。 ご自身のことを大丈夫だと信じてください がんと告知されると、先の見えない不安でいっぱいになると思います。しかし、私自身ががん経験者の先輩から言われて最も救われたのは、「大丈夫だよ」というシンプルな言葉でした。今、不安な思いを抱えているあなたに、私も同じ言葉を贈ります。ご自身の力を信じてください。 一人で抱え込まず、経験者を頼ってください 周囲の無神経な言葉に傷ついたり、誰にもわかってもらえないと孤独を感じたりすることもあるかもしれません。そんなときは、一人で抱え込まず、身近な経験者や患者会などの場で話を聞いてみてください。「それは当たり前のことだよ」と言ってもらえるだけで、安心できることがあります。

がん体験に関するインタビュー参加者募集中

オンコロでは、がん体験をお話しいただける方を対象としたインタビューを実施しております。応募条件など、詳細は下記の応募フォームをご確認ください。
体験談 乳がん

おすすめ記事

治験・臨床試験

一覧を見る

リサーチ・調査

一覧を見る

ニュース

一覧を見る

イベント

一覧を見る

動画

一覧を見る

体験談

一覧を見る

患者会

一覧を見る

電話受付:平日(月〜金)10:00-18:00

※オペレーターが受付いたします。内容に応じて専門のスタッフへおつなぎいたします。