写真はイメージです。(AIによる生成)プロフィール
お名前:Nori428さん(ニックネーム)
年代:60代
性別:男性
家族構成:妻と2人暮らし(子ども2人は独立)
仕事:会社員
がんの種類:濾胞性リンパ腫
診断時ステージ:ステージ3
診断年:2020年
現在の居住地:千葉県
※本体験談は、患者さん個人の経験に基づくものです。治療の経過や副作用には個人差があります。オンコロマイストーリー含め、ネット上の情報には、進行や再発といった厳しい闘病を経験された方の発信が多く残る傾向がありますが、実際には再発なく平穏に過ごされている方も数多くいらっしゃいます。情報の一つとして受け止め、治療方針の決定の際には、必ず主治医や医療従事者にご相談ください。
2020年8月、右の鼠径部にピンポン玉ほどの大きさのしこりを見つけたNori428さんは、濾胞性リンパ腫のステージ3と診断されました。発熱や体重減少などの症状がなく、骨髄への浸潤もなかったため、治療方針は「経過観察」となりました。診断に至るまでの不安な時期を「がん相談支援センター」やセカンドオピニオンを活用して乗り越え、現在は生活習慣を改善しながら、趣味のバイクツーリングや仕事を続けています。ご自身のがん経験や妻の肺がん治療を通して、家族や2人の兄、友人との絆がいかに支えになったか、そして前向きに生きることがどれほど大切かについてお話しいただきました。
鼠径部のしこりと血液内科クリニックの受診
2020年8月、右の鼠径部にピンポン玉ほどの大きさのしこりがあることに気がつきました。インターネットで調べたところ、自分では鼠径ヘルニアの可能性が高いと考えました。しかし、受診する科について調べると、血液内科を受診するのが良いという書き込みを見つけたため、かかりつけの内科ではなく、血液内科を標榜している近所のクリニックを受診しました。
クリニックのベテラン医師は口コミでも評判の高い先生でした。触診をするなりすぐに「今すぐ紹介状を書くから、今日お休みを取ってこの足で大学病院に行けますか」と言われました。何事かと思い、医師がパソコンに入力している紹介状の画面を見ると、そこには「悪性リンパ腫の疑いあり」と書かれていました。著名人が悪性リンパ腫で亡くなったニュースを見ていたため、その文字を見たときは本当にショックを受けました。緊急性が高いと思い、紹介状を持ってすぐに指定された大学病院へと向かいました。
一人で受けた悪性リンパ腫疑いという告知
紹介された大学病院の血液内科のフロアには150人ほどの患者さんがおり、非常に混雑していました。そのため、その日は診察の予約を取ることしかできませんでした。最初の診察日は約3週間後の9月末になりました。予約が先になったことをクリニックの医師に報告すると、「念のための検査だからそんなに落ち込まないで大丈夫ですよ」と励ましの電話をもらい、少し救われました。
9月末に大学病院を受診し、血液検査などを受けました。その2週間後の10月中旬に検査結果を聞きに行きました。私は勝手に「もし悪性なら家族も呼ばれるはずだ。一人で大丈夫と言われたということは良性だったのだろう」と思い込み、一人で診察室に入りました。しかし、医師からは「残念な結果が出てしまいました。悪性リンパ腫の疑いが強いです」といきなり告知を受けました。
その瞬間、は頭が真っ白になり、医師の説明もほとんど理解できませんでした。どうやって家に帰ったのかも覚えていません。妻には帰宅後すぐに報告をしました。あまりのショックで食事が喉を通らなくなり、その後の2週間で体重が4kgも落ちてしまいました。
長男の結婚式後まで伏せていた確定診断の結果
血液検査で悪性リンパ腫の可能性が高いことはわかりましたが、最終的な病型とステージを確定するためには、さらに検査が必要でした。9月末の初診から時間がかかりましたが、11月中旬に生検を受け、12月初旬にはPET-CT検査と骨髄検査を受けました。
この間、11月下旬には長男の結婚式が控えていました。お祝い事に水を差すわけにはいかないと考え、式が終わるまでは長男と長女には一切病気のことを伏せておきました。
12月下旬にすべての検査結果が出そろい、骨髄への浸潤はなく濾胞性リンパ腫のステージ3であることが確定しました。濾胞性リンパ腫は年単位でゆっくり進行する病気であることなどの説明を受け、発熱や寝汗、体重減少などのいわゆる「B症状」もなかったため、すぐに抗がん剤治療を始めるのではなく、経過観察(無治療で様子を見る方針)となりました。病気の全容と今後の見通しがはっきりした年末、子どもたちや2人の兄に速達で手紙を送り、初めて自身の病状を伝えました。
がん相談支援センターでの相談とセカンドオピニオン
確定診断から正式な方針が決まるまでの間、いつ急変するかわからないという不安を抱えて生活することは非常にプレッシャーでした。告知時のショックで医師の説明を十分に覚えていなかったため、自身の置かれている状況をカルテを基に整理したいと考え、病院内にある「がん相談支援センター」に予約を取り、男性看護師の方に相談に乗ってもらいました。
その看護師の方は、自身も急性白血病で生死をさまよった経験を持つがんサバイバーでした。当事者目線で私の不安な気持ちを聞いてくれ、将来のリスクについても丁寧に答えてくださり、大変心が救われました。
2021年2月の診察で正式に経過観察の方針が伝えられた際、私は本当にこのままで良いのかを確認するため、すぐに別の有名な都内の総合病院でのセカンドオピニオンを希望し、紹介状を書いてもらいました。1週間後に受診したセカンドオピニオンの医師からは、「大学病院の診断や判断はすべて正しく、私でも同じ診断をします。安心してください」と太鼓判を押され、ようやくプレッシャーから解放され、納得することができました。
生活習慣の改善と経過観察の継続
セカンドオピニオンの医師からは、経過観察を続けるにあたり、生活習慣の改善を強く勧められました。早寝早起きで良質な睡眠をとること、適度な有酸素運動を続けること、そして水分補給をしっかり行うことなどです。
私はこれまでの不摂生な生活を根本から改めました。夜更かしや体に負荷をかけるようなことは避け、健康的な生活を送るように努めました。その結果、がんを発症する前よりも今の方が健康な状態を保てていると感じています。
定期的な通院は続けており、通っていた大学病院の血液内科が閉鎖されたため、現在は職場の近くにある別の大学病院に転院して経過観察を続けています。現在も病状は進行しておらず、きっ抗状態を維持しています。医師からは「長年診てきた中でも非常にレアなケースです」と言われ、気持ちがとても楽になりました。
趣味のバイクツーリングと仲間からの励まし
告知を受けた当初は、2026年の7月に結成20周年を迎えたバイクのツーリングクラブのリーダーに、気持ちが落ち着くまでの半年間はお休みさせてほしいと申し出ました。出席率を重視し、クラブの絆を大切にする集まりと捉えていたため、中途半端な参加はできないと考え、自分の状況を正直に伝えました。
すると、リーダーは冷静に状況を受け止めてくれ、心からの励ましの言葉をくれました。さらに有給休暇を取って、霊験あらたかだという神社へ高速道路で往復350kmをかけ、私のために無病息災を祈ってきてくれました。自分事としての温かい行動には本当に感謝しています。
現在、医師からも「趣味を持つことや仲間とのコミュニケーションは、ストレス発散やホルモンバランスにも良い影響を与えるので続けてください」と推奨されており、月に1回のツーリングを楽しんでいます。
妻の肺がんとがん保険の見直しの重要性
年末に2人の兄に手紙を送った際、私は病気の報告とともに「がん保険に入り、高度先進医療が受けられるように内容をバージョンアップしておいてほしい」と強く伝えました。
その備えの重要性を痛感する出来事が起こりました。私の診断の3年後、妻が肺腺がんのステージ4と診断されたのです。子どもたちに緊急オンライン会議で報告した際、長男は冷静に受け止めてくれましたが、長女はショックのあまり途中で退出してしまい、母親の存在の大きさを痛感しました。妻は現在、分子標的薬を毎日服用して病勢を抑え込んでおり、普通の生活を送れています。しかし、この薬は1錠が高額で、高額療養費制度を利用しても、自己負担は決して軽くありません。
幸い、私の言葉をきっかけに2人の兄も保険を見直してくれました。私は静岡から千葉に引っ越して40年ほど経ち、2人の兄とは疎遠になっていましたが、私の病気を機に兄が「お前の元気な顔を見て安心したい」と言ってくれ、年に1回は一緒に両親のお墓参りをしたり、温泉旅行へ行ったりするなど、交流が復活したことも病気がもたらしてくれた良い変化です。
仕事への向き合い方と現在の生活
病気を経験したことで、仕事への向き合い方も180度変わりました。1日1日を後悔しないように、誠心誠意仕事に取り組むようになりました。また、ツーリングクラブの仲間とも本音で語り合えるようになり、充実した日々を過ごしています。
いつ治療が始まるかわからないという不安はありますが、必要以上に恐れることなく、正しい知識を持ち、規則正しい生活と趣味を楽しむことで、これからもがんと共生していきたいと考えています。
今、がんと向き合っている方へのメッセージ
今、がん治療をしている方にお伝えしたいことがあります。
希望や趣味を持ち続けてください
「病は気から」というように、心が折れてしまうと治療に向き合う気力も奪われてしまいます。「またツーリングに行きたい」といった日々の楽しみや、将来への希望を持つことが、生きるための大きな活力になります。自分が心から楽しいと思えることを見つけ、続けてください。
相談できる仲間や環境を作ってください
一人で不安を抱え込むのは非常に苦しいことです。私は「がん相談支援センター」の看護師さんや大学同期の友人、ツーリングクラブの仲間に話を聞いてもらうことで心が救われました。家族だけでなく、心を開いて話せる友人や、専門知識を持つ医療スタッフなど、信頼できる相手に相談することをお勧めします。
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