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卵巣がんステージ3A2、AYA世代の私が納得して全摘手術を選ぶまで

[公開日] 2026.08.06[最終更新日] 2026.07.31

写真はイメージです。(AIによる生成)
プロフィール お名前:純子さん(本名) 年代:30代 性別:女性 家族構成:1人暮らし 仕事:飲食業、コンサルタント がんの種類:卵巣がん 診断時ステージ:ステージ3A2 診断年:2025年 現在の居住地:東京都
※本体験談は、患者さん個人の経験に基づくものです。治療の経過や副作用には個人差があります。オンコロマイストーリー含め、ネット上の情報には、進行や再発といった厳しい闘病を経験された方の発信が多く残る傾向がありますが、実際には再発なく平穏に過ごされている方も数多くいらっしゃいます。情報の一つとして受け止め、治療方針の決定の際には、必ず主治医や医療従事者にご相談ください。 2025年、純子さんは下腹部の激痛により近所の婦人科クリニックを受診しました。すぐに大学病院を紹介され、卵巣がんと診断されました。同年7月に手術を受け、術後治療としてTC療法を受けました。メイドカフェのコンサルタントや現役のメイドとして第一線で働く純子さんに、病気の発覚から治療の選択、仕事との両立、SNSでの発信などについてお話しいただきました。

長年続けたチョコレート嚢胞の治療と突然の下腹部の激痛

私は20代後半のころにチョコレート嚢胞の診断を受けており、長年ジェノゲストという薬を服用して治療を続けていました。薬の効果があり、嚢胞の中に溜まっていた古い血液はなくなり、3年ほど前には医師から「嚢胞の殻の部分だけが残っている状態」と説明を受けました。元々3cmから4cmほどあった大きさも1.5cm程度まで小さくなったため、薬の服用を終了しました。その後は3か月に1回、やがて半年に1回の経過観察に切り替えました。 以降も特に異変はなく、医師からは「これからは1年に1回の検査でよい」と告げられました。しかし、ちょうど1年後の2025年5月末、突然下腹部に激痛が走りました。当時は都内で引っ越しをしたばかりの時期でした。チョコレート嚢胞で通っていた病院までは1時間ほどかかる状況だったため、まずは自宅近くの婦人科クリニックを受診しました。 しかし、そこは産科がメインの産婦人科クリニックで十分な検査ができず、外部の画像診断施設でMRI検査を受けるよう指示されました。撮影した画像を持ってクリニックに戻ると、医師からは「ここでは詳しく診られないから、すぐに紹介状を書く」と告げられました。提示された5件ほどの候補の中から、最も早く受診できる近隣の大学病院を選びました。

大学病院での検査と、迷いのなかった標準治療の選択

6月に入って紹介先の大学病院を受診し、内診とPET-CT検査を受けました。その結果、片側の卵巣に腫瘍らしきものが見つかりました。卵巣がんは手術後の病理検査で確定診断を行いますが、事前の画像診断の段階では「明細胞がんのステージ1C」という見立てでした。主治医からは、手術で卵巣を切除する際に内容物が腹腔内に飛び散るリスクがあり、その場合はステージが上がる可能性があると説明されました。 今後の治療方針について、主治医からは「根治を目指すなら、卵巣、卵管、子宮、大網、傍大動脈リンパ節などをすべて切除するのがよい」と言われました。一方で、「まだ若いので妊孕性(妊娠するための力)を温存するかどうか」「リンパ節を郭清(切除)すると後遺症として下肢リンパ浮腫の可能性があるため、どこまで切除するか」を考えてくるようにと提案されました。 しかし、私は治療の選択で悩むことはありませんでした。以前から自分で調べて「チョコレート嚢胞は40歳を過ぎるとがん化のリスクが高まる可能性がある」と知っていたため、40歳を過ぎたら卵巣を摘出しようと元々考えていたからです。また、何度も全身麻酔をして再手術を受けることは避けたかったため、主治医には迷わず標準的な手術ですべてを摘出するようお願いしました。

手術の結果と確定診断

7月後半に手術を受け、子宮、両側の卵巣と卵管、大網、そして骨盤内および傍大動脈リンパ節をすべて摘出しました。 術後の病理検査の結果、がんの種類は類内膜がんであることがわかりました。目視で確認できた腫瘍は片側の卵巣のみでしたが、事前の説明にあった通り、顕微鏡レベルでの細胞の散らばりが大網に及んでいたため、最終的な診断は卵巣がんのステージ3A2となりました。目に見える範囲の腫瘍はすべて取り切れたと説明を受けました。 主治医が一番懸念していたリンパ節郭清による下肢リンパ浮腫の症状は、現在に至るまで出ていません。ひどくなってからでは遅いと聞いているため、予防として普段からマッサージに行くなど、体のケアには気を使っています。 ※リンパ浮腫の予防やケアの方法は、手術の内容や個々人の体の状態によって異なります。マッサージを含むケアは、主治医やリンパ浮腫の専門的な知識を持つ医療スタッフに相談したうえで、自分に合った方法を確認してください。

仕事への影響とテレビ番組の収録への復帰

私はメイドカフェのコンサルタントや、自身が店舗に立つ現役のメイドとして活動しています。8月は私の誕生月であり、自分の活動の17周年記念も兼ねた大きなイベントを開催する予定でした。しかし、7月末の手術後は体力が全く回復せず、自力で動いて声を出す必要がある店頭での仕事はすべてキャンセルせざるを得ませんでした。これは自分にとって非常にショックな出来事でした。 一方で、座ってできる仕事には比較的早く復帰しました。テレビ番組への出演依頼があったため、術後3週間で現場に向かいました。スタッフの方には事前に病気のことを伝えていたため、休みながら座って収録に参加するなどの配慮をしていただき、仕事をこなすことができました。フリーランスという立場であるため、在宅でできるコンサルティング業務などは、治療期間中も継続していました。

副作用と実家での療養生活

8月末から12月初旬にかけて、パクリタキセルとカルボプラチンを用いたTC療法を全部で6回受けました。毎回2泊3日で入院して投与を行いました。1回目と2回目は目立った副作用がなく安心していたのですが、3回目から急激に体調が悪化しました。 体がだるくて動けなくなり、元々抱えていた腰痛が悪化して片足に力が入らず、歩くことが困難になりました。また、不眠の症状や、吐き気止めの成分によると思われる「むずむず脚症候群」のような症状も現れました。手足がむずむずして歩き回りたいのに、足が痛くて歩けないという状態が毎日続きました。 普段は犬と一緒に1人暮らしをしていますが、歩けなくなったことで買い物や犬の世話ができなくなり、倒れた際の危険も考慮して、3回目の治療からは実家に戻って療養生活を送りました。 さらに、治療のたびに投与するステロイド薬の影響か、食事がとれていないにもかかわらず1回の治療につき約2kg、合計で約10kg体重が増加したり、顔や体がむくんで衣服が合わなくなったことも治療中の大きな負担となりました。しかし、TC療法が終了した現在は、体重は元に戻っています。 ※がんの薬物療法に伴う副作用の出方や程度には、大きな個人差があります。また、現代の医療では副作用をあらかじめ予防したり、症状を抑えたりする対策(支持療法)が非常に進歩しています。体験談の描写に過度な不安を抱かず、主治医や医療スタッフに安心してご相談ください。

職業柄の知識を活かした外見の変化への対応

抗がん剤治療による脱毛に対しては、大きなショックを受けませんでした。治療前から全身脱毛や眉毛のアートメイクを済ませていたため、体毛や眉毛が抜けても影響はほとんどありませんでした。まつ毛は最後まで少し残っていましたが、マスカラを塗ることは難しかったため、メイクの際にはつけまつ毛を使用して対応しました。 髪の毛が抜けた後のウィッグについても、メイドとして普段からコスプレなどで使い慣れていた経験が生きました。高価な医療用ウィッグではなく、安価なファッションウィッグを複数購入し、自分の頭の形に合わせてカットしたり調整したりして使用しました。以前ギャルだった時期につけまつ毛やウィッグを扱っていた知識が、ここでも役に立ちました。

SNSでの発信と患者会への思い

私は20年ほど人前に立つ仕事をしてきたこともあり、病気のことは診断時からSNSで公表しました。卵巣がんは若い世代での発症が少なく、私と同じように妊孕性を失う状況に直面して悩んでいる女性もいると考えたためです。実際に、私の発信を見て、コンサルタントとしての仕事を通じて同世代の女性から相談を受けることも増えました。自分が情報を発信する側になることで、周りに言えずに苦しんでいる人の役に立てればと思っています。 一方で、患者会に参加しようと思ったことはありましたが、最終的には行きませんでした。病院で見かける患者さんは私の親よりも年上の方が多く、年代が違いすぎると感じたためです。私は未婚で子どももおらず、仕事が一番楽しい時期に病気になりました。子育てをすべて終えた世代の方々を見ると、自分が経験できなかったことをすべて終えられていると感じてしまい、どうしても比べてきつい気持ちになるため、あえて距離を置く選択をしました。

フランクな主治医とのコミュニケーション

大学病院の主治医は、非常にフランクな性格の医師でした。がんを告知された際にも「がんになって、がーんって感じだね」と冗談を交えて言われました。私はそれに腹を立てることはなく、「確かにそうですね」と返すことができました。 術後の回診の際にも楽しそうに話しかけられました。変に深刻な雰囲気にならず、何でも気兼ねなく話せるフランクな関係性が私には合っており、現在も通院を続けています。

価値観の変化と、これからの人生の歩み方

病気と治療を経験し、価値観に大きな変化がありました。自力でトイレに行けない、食事ができないという状況を味わったことで、1日の価値を強く認識するようになりました。 それと同時に、理不尽に怒りをぶつけてくる人や、納得のいかない仕事に対して我慢をすることをやめました。以前は嫌なことを言われても穏便に済ませていましたが、自分の限られた時間を無駄にしないよう、気の乗らない人間関係や仕事は一切断ち切るようになりました。現在は仕事にも復帰し、コンサルタントや現役メイドとしての活動を再開しています。一番仕事が楽しい時期に大病を経験しましたが、だからこそ、これからは本当に自分が納得できること、心からやりたいことだけに貴重な時間を使い、前を向いて自分の人生を楽しんで歩んでいきたいと思っています。

今、がんと向き合っている方へのメッセージ

今、がん治療をしている方にお伝えしたいことがあります。 見た目の変化は工夫することで克服することもできます 脱毛などの外見の変化で落ち込む方は多いと思いますが、他人は自分が思っているほど自分のことを見ていません。私はメイドの仕事柄、外見を見られる機会が多いので、「仕事ができなくなるのではないか」という不安に襲われました。それでもウィッグやメイクをさらに研究し工夫することで元気を取り戻しました。今は、いろいろな手段がたくさんありますので、自分にあった工夫を見つけてください。 専門的なことはプロに任せましょう 医学の知識がない状況で、インターネットの情報を頼りに自分だけで判断するのは限界があります。私は民間療法などを選ばず、ガイドラインで定められた基準や、経験豊富な医師の判断など、専門家を信頼して任せる姿勢を持つことが大切だと考えています。 人と比べる時間を、自分が楽しめる時間に変えてください AYA世代で妊孕性を失うと、友人の出産ラッシュや街のマタニティマークを見て人と比べ、落ち込むこともあると思います。「産まない」と「産めない」は全く違いますし、私自身も深く落ち込みました。しかし、貴重な時間を他人と比べて悲しむのではなく、ご自身が心から楽しめる時間に変えていってほしいと願っています。 純子さんのXはこちら https://x.com/bijin100kajun

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