• 検索
  • お問い合わせ
  • お知らせ
  • メニュー
  • がん種
  • ニュース
  • 特集
  • 治験
  • リサーチ
  • イベント
  • 動画
  • 患者会
  • 辞典
  • お役立ち

前立腺がんステージ4、経過観察中に発覚した肝臓がんを経て見つけた自分らしい生き方

[公開日] 2026.06.11[最終更新日] 2026.06.08

写真はイメージです。(AIによる生成)
プロフィール お名前:Kenさん(ニックネーム) 年代:60代 性別:男性 家族構成:妻と子どもと義母の4人暮らし 仕事:無職(診断時はコンビニエンスストアの夜勤アルバイト) がんの種類:前立腺がん、肝臓がん 診断時ステージ:前立腺がん(ステージ4)、肝臓がん(不明) 診断年:前立腺がん(2022年)、肝臓がん(2024年) 現在の居住地:静岡県
※本体験談は、患者さん個人の経験に基づくものです。治療の経過や副作用、生活への影響には、個人差があります。医療的な判断や治療方針の決定の際には、必ず医師・医療従事者にご相談ください。 2022年2月、Kenさんは健康診断をきっかけにステージ4の前立腺がんと診断されました。ホルモン療法や放射線治療、遺伝子検査に基づいた分子標的薬など、さまざまな治療を続け、がんと共存する生活を送っていました。しかし2024年、経過観察中の検査で新たに肝臓がんが見つかります。もともと肝硬変を抱える中での抗がん剤治療は副作用が強く、現在は治療を休止して経過観察中です。複数の病気と向き合い、仕事や日常の生活をどのように調整してきたのか、経緯をお話しいただきました。

健康診断での血尿とPSA検査の結果70.0ng/mL

2022年の2月、私は定期的に受けていた健康診断で、尿に血が混じっていると指摘されました。それまで自覚症状は全くありませんでしたが、結果を受けて近所の泌尿器科クリニックを受診することにしました。クリニックで血液検査などを受けたところ、前立腺がんの腫瘍マーカーであるPSAの値が70.0ng/mLという高い数値を示していました。 医師からは「この数値であれば、ほぼ間違いなく前立腺がんでしょう」と告げられました。それまで55歳のときに一度だけPSA検査を受けたことがありましたが、それ以降は全く検査を受けておらず、突然の宣告に驚きました。クリニックでは詳しい画像検査などは行わず、すぐに一番近くにある大きな総合病院へ紹介状を書いてもらい、後日そちらを受診することになりました。

総合病院での確定診断と治療の開始

紹介された総合病院の泌尿器科を受診し、MRIやCTなどの画像検査を行いました。また、がんの確定診断をつけるために、前立腺の組織を採取する針生検も受けました。検査の結果、前立腺がんであることが確定し、さらに骨にも転移があることがわかりました。この時点でステージ4という診断でした。 骨への転移がある進行がんでしたが、医師からは「ホルモン注射と、良い飲み薬があるから、すぐに治療を始めましょう」と提案されました。具体的には、イクスタンジという飲み薬と、ゴナックスのホルモン注射を組み合わせた治療でした。骨転移に対しては骨シンチグラフィという検査を行いましたが、当時は痛みなどの症状もなかったため、骨に対する直接的な治療は行わず、ホルモン療法のみで経過を見ることになりました。治療を開始すると、すぐにPSA値は下がり、がんは落ち着いた状態になりました。

骨転移の悪化と治療薬の変更

ホルモン療法を開始してからまもなく2年が経とうとしていたころ、股関節のあたりに痛みを感じるようになりました。CT検査の結果、骨転移の病変が悪化してきたことがわかりました。PSAの数値自体は上がっていませんでしたが、医師の判断により、飲み薬のイクスタンジは効果が薄れてきたとみなされ、中止することになりました。代わりにザイティガという別の飲み薬に変更し、注射薬もリュープリンという薬に変更しました。 また、骨の痛みを和らげるために放射線治療も受けました。放射線治療は半年ほど間隔を空けて、合計2回行いました。放射線科の医師からは「PSAの数値が上がっていなくても、がんの性質が悪く、骨の病変が進行している可能性がある」と説明を受けました。このころから、骨の痛みによって少し歩くのが大変になることがありました。

遺伝子検査と新たな治療薬への変更

その後、遺伝子検査を受ける機会がありました。その結果、私のがんにはBRCA遺伝子の変異があることがわかりました。この遺伝子変異がある前立腺がんに対して効果が期待できるリムパーザという分子標的薬があるとのことで、医師の勧めでこの薬を使用することになりました。 しかし、リムパーザを飲み始めると重度の貧血という副作用が現れました。日常生活にも支障が出るほどの貧血だったため、継続は困難と判断し、リムパーザの服用は中止となりました。ただ、この薬を飲んでいた期間にがんに対する一定の効果はあったようで、服用をやめた後も前立腺がんの状態は落ち着いていました。リムパーザの中止後は、骨転移による骨折などの予防薬であるランマークという注射を開始し、リュープリンと合わせて現在も治療を継続しています。前立腺がんに関しては、現在もPSA値が上がらず、落ち着いた状態を維持できています。

前立腺がんの経過観察中に見つかった肝臓がん

前立腺がんの治療は順調に進んでいましたが、2024年になり新たな問題が発生しました。前立腺がんの経過観察のために定期的に行っていた全身の画像検査で、肝臓に影が見つかったのです。泌尿器科から同じ総合病院内の消化器内科に紹介され、詳しい検査を受けた結果、新たに肝臓がんができていることがわかりました。前立腺がんからの転移ではなく、原発性の肝臓がんでした。 私はもともと脂肪肝を指摘されたことがありましたが、食事などを気にすることなく過ごしてしまった結果、それが進行して肝硬変になっていることも告げられました。当初は肝臓内に小さな腫瘍が1つ見つかっただけで、比較的早期の発見だったため、手術で腫瘍を切除する予定で話が進んでいました。

手術の断念と抗がん剤治療の副作用

ところが、手術の直前に行った最終的な画像検査で、肝臓内に別の腫瘍が複数できていることがわかりました。これらをすべて手術で取り除こうとすると、肝臓の機能を維持できなくなるという判断が下されました。そのため手術は中止となり、薬物療法に切り替わることになりました。 最初に使ったのはネクサバールという薬でした。しかし、服用を始めると下痢や発熱といった副作用が強く出ました。さらに別の種類の薬にも変更して試しましたが、やはり同様に下痢の副作用がひどく、体がきつい状態が続きました。前立腺がんの薬も併用していたため、体への負担はかなり大きかったと思います。肝硬変もある状態での強い副作用は危険と判断され、最終的に肝臓がんに対する薬物療法は一旦すべて休止することになりました。

副作用による休薬と仕事への影響

前立腺がんと診断されてからも、私はコンビニエンスストアの夜勤アルバイトを続けていました。前立腺がんの治療は飲み薬と注射が中心で、骨の痛みで少し歩きにくい時期があったものの、仕事に大きな支障はありませんでした。 しかし、肝臓がんの抗がん剤治療が始まり、下痢や発熱の副作用が出るようになると状況は変わりました。急な体調不良で仕事を休まざるを得ない日が出てきたのです。私のアルバイトは1回の勤務が8時間という長丁場であり、シフト制で動いているため、急に穴を開けると職場に迷惑がかかってしまいます。職場からも、体調が不安定な状態での継続は厳しいという意向が伝わってきました。 私自身も、これ以上迷惑をかけるわけにはいかないと考え、短い時間の勤務に変更することも検討しましたが、最終的には退職することにしました。現在は無職の状態で、治療と療養に専念しています。

家族の支えと病気を通しての変化

現在は妻と長男、義母との4人で暮らしています。病気になってから、妻は必ず病院の診察に付き添ってくれますし、本当に頼りにしています。長男も一度、医師からの病状説明を一緒に聞いてくれたので、私の現在の状態をしっかりと理解してくれています。私は昔から頑固な性格で、一度決めたら意見を変えないことを家族もわかっているため、治療の選択について周囲から無理に口出しされることはありません。私の意思を尊重し、見守ってくれています。 しかし、がんになってから、私自身の心境にも変化がありました。それは、他人に優しくなれたということです。自分が病気を抱え、骨の痛みで不自由な思いをしたことで、ゆっくりとしか歩けない人や、体調が悪い人の気持ちが痛いほどわかるようになりました。以前の自分にはなかった感情です。

現在の心境と今後の治療選択

肝臓がんの治療を休止してから半年ほど経ちますが、肝臓がんに対する薬物療法をしていない今は副作用もなく、自分としては結構元気に過ごせています。食事の制限なども特に医師からは言われていませんが、脂肪肝から肝硬変になった経緯もあるため、自分なりに食べすぎないように気をつけ、体重も少し落としました。 現在の一番の悩みは、肝臓がんの治療を今後どうするかということです。医師からは、レンビマやカボメティクスといった新しい治療薬を試す提案も受けており、「体調が落ち着いている今なら治療ができる」と言われています。しかし、以前の副作用のつらさが今も鮮明に残っており、またあの苦しい状態に戻るのではないかという不安があります。他の臓器に影響が出るのも怖いです。 緩和ケアの医師にも相談したところ、「今元気なのだから、治療をしないという選択も良いのではないか」と言われ、私自身もその考えに傾いています。治療をしてもしなくても、先のことは誰にもわかりません。だからこそ、無理をして体を痛めつけるよりは、今の落ち着いた生活を少しでも長く維持したいと考えています。

これからがんと向き合う方へのメッセージ

今、がん治療をしている方にお伝えしたいことがあります。 がんと共存し、1日1日を大切に生きていきましょう 前立腺がんのように、ステージ4であっても治療を続けながらがんと共存し、日常生活を送ることができる場合があります。決して最初から落ち込んだり、諦めたりする必要はありません。治療の選択肢はさまざまですので、ご自身の体調や生活に合った方法を探していくことが大切です。 副作用との付き合い方は一人で抱えず医師と相談してみてください 抗がん剤などの治療は、強い副作用が起こることもあります。無理をして治療を続けることで、生活の質が著しく落ちてしまうこともあります。つらいときは医師としっかり話し合い、治療を休むことや、別の選択肢を探ることも間違いではありません。ご自身の体が一番楽でいられる方法を第一に考えてみてください。 日々の小さな楽しみを見つけてください がんになると先の見えない不安に襲われますが、先のことは誰にもわかりません。だからこそ、今できること、今日楽しめることを見つけてください。周囲への感謝の気持ちを忘れず、自分らしい穏やかな時間を過ごしていきましょう。

がん体験に関するインタビュー参加者募集中

オンコロでは、がん体験をお話しいただける方を対象としたインタビューを実施しております。応募条件など、詳細は下記の応募フォームをご確認ください。
体験談 前立腺がん

おすすめ記事

治験・臨床試験

一覧を見る

リサーチ・調査

一覧を見る

ニュース

一覧を見る

イベント

一覧を見る

動画

一覧を見る

体験談

一覧を見る

患者会

一覧を見る

電話受付:平日(月〜金)10:00-18:00

※オペレーターが受付いたします。内容に応じて専門のスタッフへおつなぎいたします。