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膵臓がんステージ2B、病気を隠して働き続けた私が抱えた葛藤

[公開日] 2026.05.19[最終更新日] 2026.05.18

写真はイメージです。(AIによる生成)
プロフィール お名前:湘南ゴールドさん(ニックネーム) 年代:50代 性別:女性 家族構成:両親と3人暮らし 仕事:保育園勤務 がんの種類:膵臓がん 診断時ステージ:ステージ2B 診断年:2023年 現在の居住地:神奈川県
※本体験談は、患者さん個人の経験に基づくものです。治療の経過や副作用、生活への影響には、個人差があります。医療的な判断や治療方針の決定の際には、必ず医師・医療従事者にご相談ください。 2021年、2022年と人間ドックで膵臓の異常を指摘され、2023年2月に膵臓がんと診断された湘南ゴールドさん。診断と治療提案を受けた当日に術前化学療法を受けることを決断し、副作用である脱毛などに戸惑いながらも、治療と仕事を両立させてきました。現在は術後の経過観察中ですが、職場での病気の伝え方や、再発の不安を抱えながらの今後の働き方について模索を続けています。当時の治療の経緯や、仕事と治療の両立における葛藤、そして後から気づいた教訓についてお話しいただきました。

人間ドックで異常を指摘され膵臓がんと診断

2021年12月、毎年定期的に受けている人間ドックを受診しました。その際、腹部の超音波(エコー)検査の結果から大腸と膵臓に何か異常があると言われました。年が明けた2022年1月に同じ病院で大腸内視鏡検査やCT検査などの精密検査を受けましたが、その時は異常なしという結果でした。 しかし、2022年12月の人間ドックで再び膵臓に異常があると指摘を受けました。そのため、2023年1月に再度CT検査を受け、2月になって正式に膵臓がんと診断されました。腫瘍ができていた場所は膵体部(膵臓の真ん中あたり)でした。最初の人間ドックから1年が経過していましたが、結果的に2回目の精密検査でがんが発見されたことになります。 病院選びについては、仕事をしながら治療を続けることを第一に考え、自宅からの利便性を重視しました。さらに、その総合病院が肝胆膵の治療に力を入れているという情報をホームページなどで確認していたため、そこで治療を受けることに決めました。遠方にがん専門の病院があることも知っていましたが、通院することを考えると現実的ではないと判断しました。

希望とは異なる 担当医の変更と治療開始日の決断

診断を受けた2月の時点では、画像上の診断としてステージ0から1の早期の可能性が高いと言われました。そのため、手術も可能という判断で、担当医からは術前化学療法を提案されました。 実は、治療を受けるにあたり、少し医師との関係でつまずいたことがありました。病院に勤めている知人から、肝胆膵に力を入れているトップの医師の名前を事前に聞いており、私自身もその医師に診てもらえるものと思い込んでいました。しかし、実際の担当医は違う医師でした。思い描いていた状況と異なっていたため、最初は不信感を抱いてしまい、医師に対して斜めに構えたような、少し反抗的な態度をとってしまいました。 それでも、診断と治療提案を受けた当日に、術前化学療法を始めることを即決しました。当時の私は、がんについての知識が全くなく、また仕事を絶対に休めないという強い思いがありました。「1週間後にまた来てください」と言われても通院の時間を確保できないと考え、今日病院に来ているのだから一日でも早く始めてしまおうと、勢いで治療を決めました。

術前化学療法の副作用による脱毛の苦痛

術前化学療法では、ゲムシタビンとアブラキサンを使用しました。当初の計画では、3週間連続で薬を投与して1週間休むというスケジュールでした。しかし、実際に1回目の投与を行ってみると、好中球の数値が下がってしまい、次の投与ができない期間が続きました。 私にはこの投与スケジュールが合わないということで、2週間連続で投与して1週間休むというスケジュールに変更されました。好中球の数値が戻るのを待ちながらこのサイクルを繰り返し、最終的に4クールを行いました。2月に始まった術前化学療法は、4月下旬に終了するまで約3か月かかりました。そして5月に手術を受けました。 この治療で最もつらかったのは、副作用による見た目の変化です。治療を始める前、医師からは脱毛の可能性について説明があったはずですが、診断当日に勢いで治療を決めたため、ほとんど頭に入っていませんでした。そのため、治療開始からわずか2週間後には髪の毛が抜け始め、非常に驚きました。 急いでウィッグを準備することになりましたが、髪の毛だけでなく、眉毛やまつ毛など全身の毛が抜けることに対する知識も準備もありませんでした。職場で病気のことを隠していたため、見た目を大きく変えるわけにもいかず、自分らしくないウィッグでの生活は最悪の気分でした。「もう二度とウィッグの生活はしたくない」と心から思うほど、強いストレスを感じました。

術後化学療法をしながら仕事を継続

術前化学療法を終えた後、膵体尾部と脾臓を切除する手術を受けました。手術後の病理診断の結果、当初14 mmほどだった腫瘍の大きさは10 mmに縮小していましたが、リンパ節への転移が1か所見つかりました。そのため、最終的な診断はステージ2Bとなりました。医師からは、術前化学療法は期待したほどの効果が出ていなかったかもしれないというお話がありました。 手術後は、再発を防ぐための術後化学療法として、S-1という飲み薬を毎日服用する治療が始まりました。この服薬は1年5か月間続きました。服薬中は腹痛や体のだるさといった副作用を感じることもありましたが、肉体労働ではなく事務職だったことも幸いし、仕事を休むことなく働き続けることができました。 また、治療が段階的に進み、手術を乗り越え、結果的に病状が悪化することなく日常生活を取り戻していくにつれて、最初に不信感を抱いていた担当医に対する気持ちも変化していきました。後になって、その担当医も非常に信頼できる医師であると人づてに聞いたことも安心材料となり、現在ではしっかりとコミュニケーションを取り、良好な関係を築くことができています。

職場での人間関係の葛藤と再発への不安

治療と仕事の両立において、最も私を悩ませたのは職場での病気の伝え方でした。私は自分の病気について、直属の上司にのみ報告し、同僚には一切伝えませんでした。治療が始まる前、病院の看護師からは「周囲の人には事情を話しておいた方が良い」とアドバイスを受けていましたが、周囲から変に気を使われたり、心配されたりするのが嫌だったため、あえて言わないという選択をしました。 ただ「手術で入院する」ということだけを伝え、抗がん剤治療による見た目の変化や体調不良についても、詳しい事情は伏せたまま勤務を続けました。知らなくても良い人に自分の病気を知られずに済んだという点では、言わなくてよかったと思う部分もあります。 しかし、時間が経つにつれて、病気のことを隠し続けることが精神的な負担になっていきました。現在は3か月に1回の頻度で経過観察を受けていますが、血液検査で腫瘍マーカーの数値が少しでも変動すると、「再発したのではないか」という強い不安に襲われます。もし再発して再び抗がん剤治療が必要になれば、今度こそ同僚に隠し通すことはできません。 そのたびに、「あの時、同僚にも話しておけばよかったのか」「いっそ仕事を辞めてしまおうか」と心が大きく揺れ動きます。私の病歴を知っている人が一部だけという環境に居心地の悪さを感じており、今の自分の状態を知らない、全く新しい環境に移りたいと考えることもあります。現在はこの悩みについて、職場の産業医や心理士との面談を通じて心を整理しているところです。

病気を経て変化した心境と今後の目標

がんを経験したことで、日々の生活にも少し変化がありました。治療後、突然の腹痛や下痢に襲われることがあり、外出先でのトイレが心配になりやすくなったという肉体的な変化があります。 また、インターネットで膵臓がんに関するネガティブな情報や生存率に関する記事を見てしまい、不安な気持ちに陥ることもありました。そのため、同じ病気の患者さんのブログなどは意識的に避けるようにしました。 一方で、病気になったことで、自分が抱える悩みが「健康のこと」に集約されたような感覚もあります。もちろん他の悩みがないわけではありませんが、再発の不安に比べれば些細なことに思え、今は経過観察だけで日常生活を送れていることにありがたみを感じています。 仕事への向き合い方も前向きになりました。現在は、今の業務に生かせる資格の取得に向けて勉強を続けています。これは転職を有利にするためではなく、職場で自分の意見を自信を持って発言できるようになりたいという思いからです。 思い返せば、がんについて何もわからないまま勢いで治療を始めたことで、戸惑うことも多くありました。特に脱毛への準備不足はつらい経験でしたが、悩んで立ち止まることなく前に進めたことは、結果的に良かったのかもしれません。これからも再発の不安と付き合いながら、自分なりのペースで生活と仕事を大切にしていきたいと思っています。

これからがんと向き合う方へのメッセージ

今、がん治療をしている方にお伝えしたいことがあります。 悩みすぎず、前に進む決断もひとつの方法です 私はがんの診断を受けた当日、病気や副作用に関する知識が全くないまま、抗がん剤治療を始める決断をしました。後になって、脱毛に対する準備不足などでひどく後悔したこともありました。しかし、立ち止まって悩み、決断に時間をかけすぎるよりも、まずは治療を始めてしまったことで、結果的に前に進むことができた側面もあります。 診察時のやり取りはノートに記録しておくと役立ちます 治療が始まると、医師から多くの説明を受け、さまざまな決断を迫られます。私は病院へ行くたびに、医師とのやり取りや自分の体調をすべてノートにメモするようにしていました。録音などの方法もありますが、アナログなノートに書き留めることで、当時の自分の気持ちも含めて後から見返しやすくなります。過去の記録を振り返ることは、今後の治療方針を考えたり、自分の心を整理したりする上でとても大切なツールになると思います。
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