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乳がんステージ3A、小葉がんと向き合い仕事を続ける力をくれた信頼できる医師と職場の支え

[公開日] 2026.05.18[最終更新日] 2026.05.13

写真はイメージです。(AIによる生成)
プロフィール 氏名:よいこさん(ニックネーム) 年代:60代 性別:女性 家族構成:夫と2人暮らし 仕事:契約社員 がんの種類:乳がん 診断時ステージ:ステージ3A 診断年:2024年 現在の居住地:東京都
※本体験談は、患者さん個人の経験に基づくものです。治療の経過や副作用、生活への影響には、個人差があります。医療的な判断や治療方針の決定の際には、必ず医師・医療従事者にご相談ください。 30代後半から20年以上にわたり、毎年欠かさず乳がん検診を受けてきたよいこさん。しかし、2024年に下された診断は、すでにリンパ節への転移があるステージ3Aの乳がんで、画像検査では、乳管がんと比べて見つかりにくい小葉がんでした。信頼できる医師との出会いや職場の支えもあり、仕事を続けながら治療に取り組んできました。診断から2年を経て、現在の心境と治療の過程についてお話しいただきました。

20年間の検診を続けていた中で告げられた異常

私が最初に乳房の異常を指摘されたのは、今から20年以上前の2003年、30代後半でした。勤務先の健康診断のオプションで、超音波(エコー)検査が受けられると知り、軽い気持ちで申し込んだのがきっかけです。その際、自分では全く自覚がなかったのですが、小さな影が見つかりました。 近所のクリニックを受診したところ、「特に悪いものではなさそうですが、毎年経過を見ましょう」と言われました。夫が転勤族だったため、その後は転居先ごとに病院を変えながら、毎年必ずマンモグラフィとエコー検査を続けてきました。40代半ばで東京に戻った際、大学病院で組織診も受けましたが、その際も「異常なし」という結果でした。 その後、その大学病院から独立された先生のクリニックに通い、コロナ禍の間も休まず定期検診を続けてきました。しかし2023年11月、いつもの検診で先生から「去年はありませんでしたが、脇のリンパ節が腫れているようです」と指摘を受けました。マンモグラフィとエコーでは乳房に異常は見られませんでしたが、念のため脇のしこりを組織診に出したところ、12月に「悪性」との結果が出ました。20年間、真面目に検診を受け続けてきた私にとって、それはあまりに予想外の出来事でした。

「星が散りばめられたよう」と言われたがんの広がり

脇に悪性腫瘍があることはわかりましたが、それが乳がん由来のものなのか、あるいは別の場所から転移したものなのかは、すぐには特定できませんでした。より精密な検査が必要となり、自宅から近い大学病院を紹介されました。そこでもCT検査などを行いましたが、やはり原発巣がどこにあるのかがはっきりしませんでした。 「わからないままでは終われない」と、さらに別の総合病院を紹介されました。そこは以前から知っていた、乳がん治療で実績のある病院でした。2024年1月、その総合病院でPET-CT検査や生検を行った結果、ようやく原因が判明しました。 先生が示してくれた画像には、乳房全体に細かいがん細胞が、まるで「星を散りばめたよう」に点在していました。これが「浸潤性小葉がん」というタイプのがんの特性でした。乳管がんと異なり、しこりを作らずに広がるため、マンモグラフィやエコーでは非常に映りにくいのだそうです。脇のリンパ節にも転移しており、診断はステージ3Aとなりました。

納得して選んだ乳房全摘術

診断が確定した際、主治医からは「小葉がんなので、まずは手術、その後は化学療法、放射線治療、ホルモン療法を行いましょう」と提示されました。 手術について、主治医は「乳房を温存する方法もあります」と言ってくれましたが、私は自分から「全摘してください」と伝えました。画像で見た、あの広範囲に散らばったがん細胞のイメージが強烈に残っていたからです。悪いものを体の中に残しておきたくないという思いが強く、1日でも早く手術をしてほしいと願いました。 2024年3月に受けた手術は、その病院独自の術式でした。内視鏡を補助として用いた乳腺全摘術です。脇の下に5cmほど、乳輪の下に1cmほどの傷をつけ、そこから器具を入れて乳腺を全摘するものでした。一般的な乳房全切除術よりも体の負担が少なく、傷跡も目立ちにくいという説明通り、回復はスムーズでした。再建については、当初から全く考えていませんでした。50代後半という年齢もあり、まずは病気を治すことが最優先だったからです。1年後に先生から再建の相談もありましたが、今のままで不自由を感じていないため、お断りしました。

抗がん剤治療と「音が半音下がる」不思議な症状

手術後の5月から、いよいよ抗がん剤治療が始まりました。まずはddAC療法(ドキソルビシン・シクロホスファミド)を2週間おきに4クール行いました。吐き気はほとんどありませんでしたが、投与した当日の倦怠感はありました。 この時期、非常に不思議な症状を経験しました。ddAC療法後に、必ず「生活音の音程が半音下がる」のです。電子レンジの終了音や洗濯機のメロディ、テレビ番組のジングルなどが、いつもより低く聞こえて非常に不快でした。 私は以前、音楽大学を目指してピアノやフルートに打ち込んでいた時期があり、絶対音感があります。そのため、わずかな音程の変化が気になって仕方がなかったのですが、家族に話しても誰にも理解してもらえませんでした。主治医からは「あまり聞いたことがないですが、耳の感覚が鋭いから気づくのかもしれない」と言われました。 その後、7月からはアブラキサンという別の抗がん剤を週1回、計12回投与しました。抗がん剤治療による脱毛は避けられないと言われていたので、事前にウィッグも用意しましたが、治療時期が夏場で暑かったこともあり、結局はスカーフやケア帽子で過ごしました。足の爪が少し黒くなった程度で、重い副作用に悩まされることなく10月に抗がん剤治療を終えることができました。

肺の影という新たな不安を乗り越えて

抗がん剤治療が終わった直後の2024年11月、新たな問題が浮上しました。以前のCT画像で見つかっていた「肺の影」の存在です。CDK4/6阻害薬を服用するにあたり、肺に持病や異常があると重篤な副作用が出る恐れがあるため、この影が転移なのか何なのかをはっきりさせる必要がありました。 急遽、総合病院の呼吸器外科の医師による生検を受けることになりました。もし転移であれば今後の治療方針が大きく変わってしまうため、結果が出るまでは非常に不安でした。しかし、幸いにも結果は良性でした。これでようやく、次のステップである放射線治療と分子標的薬に進むことができました。 放射線治療は2025年2月から、自宅から通いやすい別の大学病院を紹介してもらい、25回通いました。副作用としては、照射が終わった数日後に皮膚が痒くなった程度で済みました。並行してホルモン剤の服用も始まり、現在はCDK4/6阻害薬も併用しています。

職場とがん保険の存在が支えになった

治療を続ける中で、大きな支えとなったのは職場の存在です。私は現在、契約社員として女性だけの職場で働いています。診断された際、正直に状況を話したところ、上司も同僚も非常に温かく対応してくれました。 3か月ごとの契約更新ですが、治療期間中は、雇用を継続するために便宜上「月に2日勤務」という契約形態に変更し、その2日分をすべて有給休暇として扱うことで、一度も通勤することなく治療に専念することができました。2025年5月に復職しましたが、リンパ節を郭清した影響で、満員電車のつり革を握ることや腕を上げることが身体的な負担となっていたため、現在は本来の契約内容である月10日のフルタイム勤務ではなく、月8日の時短勤務という形で仕事を継続しています。無理のない範囲で仕事を続けられることが、社会とのつながりを感じる良いリフレッシュになっています。 また、経済的な面ではがん保険の見直しをしておいて本当に良かったと感じています。50歳になる手前で、古い保険を解約し、通院や抗がん剤治療に手厚い新しいタイプの保険に入り直していました。現在服用しているCDK4/6阻害薬は非常に高額ですが、保険の給付金があるおかげで、自己負担を最小限に抑えられており、備えの大切さを痛感しました。

病を経て変わった人生の優先順位

2024年の告知から2年以上経ちました。2026年4月の検査では、再発も転移もなく、経過は良好です。 この経験を経て、私自身の考え方は大きく変わりました。「いつかやろう」「いつか会おう」と物事を後回しにすることがなくなりました。人生の時間は限られているという現実を突きつけられたことで、会いたい人には会いに行き、食べたいものはその時に食べるという、今を大切にする生き方にシフトしたのです。 また、インターネット上の過剰な情報とは距離を置くようにしています。特に著名人が同じ病気を公表すると、自分と比較して不安になりがちですが、がんは100人いれば100通りの経過があります。私は今の主治医との相性が良く、信頼関係を築けていると感じているので、何かあれば先生に聞き、余計な情報はシャットアウトしています。 体力的な衰えを感じることもありますが、動けるうちは精力的に活動したい。病気になったことは決して喜ばしいことではありませんが、それによって得られた新しい視点や、周りの人たちの優しさを大切にしながら、これからもがんと共に歩んでいきたいと思っています。

これからがんと向き合う方へのメッセージ

今、がんの治療に向き合っている方々へ、私の体験からお伝えしたいことがあります。 疑問はメモにまとめ、主治医に相談しましょう インターネットには情報が溢れていますが、自分に当てはまるとは限りません。不安なことや疑問点はすべてメモを取り、次の診察で直接主治医に相談してください。納得いくまで話し合える医師との信頼関係こそが、治療を続ける上での一番の支えになります。 一人で抱え込まず、頼れる場所を見つけましょう がんという病気は、一人で抱え込むには重すぎます。家族でも、友人でも、あるいは職場の人でも、自分が心を開ける相手に正直な気持ちを話してみてください。私の場合は職場がその場所でした。自分を受け入れてくれるコミュニティがあることが、前を向く力になります。 自身の「今」を大切に過ごしましょう 先のことを不安に思うのは当然ですが、まずは「今、できること」に目を向けてください。美味しいものを食べる、好きな音楽を聴くといった日常の小さな喜びを大切にすることで、治療中のつらい時期も少しずつ乗り越えていけるはずです。

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