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胃がんステージ4、余命宣告から4年、私が学んだ「がんを知ること」と「感謝の気持ち」

[公開日] 2026.04.28[最終更新日] 2026.04.23

写真はイメージです。(AIによる生成)
プロフィール お名前:さくらもちさん(ニックネーム) 年代:40代 性別:女性 家族構成:1人暮らし(子ども1人別居) 仕事:求職中(診断時は会社員) がんの種類:胃がん 診断時ステージ:ステージ4 診断年:2022年 現在の居住地:奈良県
※本体験談は、患者さん個人の経験に基づくものです。治療の経過や副作用、生活への影響には、個人差があります。医療的な判断や治療方針の決定の際には、必ず医師・医療従事者にご相談ください。 2022年3月、さくらもちさんは、長年続いていた空腹時の胃の痛みから、総合病院を受診しました。精密検査の結果、告げられたのは進行胃がんで、すでに骨や腹膜へ転移しているステージ4でした。医師から「治療をしなければ余命半年、治療をしても1年」という厳しい宣告を受けながらも、さくらもちさんは治療を続け、診断から約4年が経ちました。がんという病を正しく知り、娘の成長を支えにどのようにがんと向き合ってきたのかをお話しいただきました。

胃がん発覚のきっかけは空腹時の胃の痛み

私が胃の異変を感じ病院を受診したのは、2022年の3月のことでした。以前からお腹が空くと胃が痛むという症状はありましたが、その時期から急激に痛みがひどくなりました。夜中に痛みで目が覚めてしまい、空腹を紛らわせるために無理やり何かを食べるという生活を繰り返していました。パートナーから「様子がおかしいから、一度絶対に病院へ行ってほしい」と強く勧められ、ようやく重い腰を上げました。 私は、自分のことではあまり病院へ行かないタイプでした。娘に何かあればすぐに受診させますが、自分の体調不良は二の次、三の次にしていたのです。近所の総合病院を受診し、まずは血液検査とCT検査を行いました。当初、次の診察は2週間後の予定でした。数日後、業務中に病院から「至急、医師から話がある」と連絡が入りました。急いで業務を早退して病院へ向かうと、CT検査の結果に異常が見られたため、急遽胃内視鏡検査を行うことになりました。内視鏡検査の数日後、また次の診察を待たずに病院から電話があり、医師から「胃がんが見つかった」と告げられました。

突きつけられたステージ4と余命1年の宣告

CT検査で骨転移や腹膜播種の可能性があったため、腹腔鏡で組織を採取する検査やPET検査・MRI・骨生検など、1か月半にわたるさまざまな精密検査を受けました。私の場合、腫瘍マーカーは正常値を示していましたが、CT画像では全身の骨が水玉模様に見えるほど、あちこちに異常が確認されました。 組織型は、低分化型の腺がんでした。胃の出口付近である前庭部に原発巣があり、すでに広範囲の骨転移と腹膜播種を伴うステージ4であると告げられたのは2022年5月上旬のことでした。私の骨転移は、骨が溶けるタイプではなく、逆に硬くなる造骨性タイプで、それが画像上で水玉模様のように見えていたのです。 医師からは「治療をしなければ余命半年、治療をしても1年」とはっきり伝えられました。医師から「すぐに介護保険の申請できるよ。歳が若くても末期がんなら申請できるから」とアドバイスを受けたほどでした。その時は「なぜ自分が介護なんて」と、市役所の窓口で泣きながら申請書類を書いたことを今でも覚えています。しかし、この時早めに手続きを済ませておいたことが、後の生活を支える大きな助けとなりました。

副作用との闘いと治療法の模索

告知を受けてすぐ、化学療法が始まりました。1次治療として選択されたのはハーセプチンとシスプラチンとゼローダの3剤併用療法でした。しかし、治療開始から1か月も経たないうちに深刻な味覚障害が現れました。何を食べても苦く感じ、食事の量が激減してしまいました。さらにCT検査の結果、がんの増大が認められたため、この治療は2か月で中止となりました。 続いて2次治療としてサイラムザとパクリタキセルの併用療法を7月から開始しました。この治療では髪が抜け、ウィッグを使用しました。ウィッグも市町村により補助があるそうですが、私の住む市町村は対象外でした。治療はしばらく続き、ウィッグにも慣れて少し楽しめてきた、2023年1月上旬、原因不明の意識喪失や激しいふらつきに襲われました。検査をしても脳などに直接の原因は見当たりませんでしたが、副作用の可能性が高いと判断され、2次治療も中止となりました。 その後、多発骨転移の疼痛が急激に悪化したため、2023年1月より疼痛コントロールのため医療用麻薬(ナルサス)と骨の治療薬(ランマーク)を治療に加えました。2023年4月から3次治療としてオプジーボも開始しました。オプジーボは2025年7月まで約2年間にわたり継続しました。治療中の2024年7月に卵巣への転移が見つかり、尿管を圧迫していたため両卵巣の摘出手術を受けました。その後、術後の経過が良くなく入退院を繰り返し、2024年7月下旬には敗血症を発症し、また敗血症の後も中毒性の蕁麻疹が出て、およそ3か月間、生死をさまよいました。その間、オプジーボは一時中断しており、2024年11月から再開しました。 2025年1月からは、オプジーボ単剤では効果が薄いと考え、4次治療となるS-1の内服を追加しました。ですが、S-1は合わなかったようで、嘔吐を繰り返して入院したため、1か月で中止になりました。その後またオプジーボのみの治療を継続していましたが、2025年5月から月に1回のペースで入院が必要になるほどの副作用が出たため、現在は中止しています。今は医療用麻薬(ナルサス)と、骨の治療薬(ランマーク)による疼痛コントロールを継続しながら、緩和ケアを受けています。

信頼できる医療スタッフとの出会い

私が治療を続けてきた総合病院は、娘が生まれた場所でもあり、私自身も長くお世話になってきたゆかりの深い病院です。がん専門の病院ではありませんが、セカンドオピニオンを受けることは考えませんでした。その理由は、主治医や看護師の方々との間に、非常に強固な信頼関係が築けていたからです。 現在の主治医は女性の医師で、私の生活の質(QOL)を第一に考えてくれます。アレルギーが多い私の体質もすべて把握しており、何でも率直に相談できる関係です。周囲からは「がん専門病院へ行った方がいいのでは」と言われたこともありましたが、私は「この先生に任せたい」という気持ちがあり、転院を考えたことはありません。 病院のソーシャルワーカーやケアマネジャーの方々も、親身になってサポートしてくれました。病気だけでなく、お金のことや仕事のこと、生活全般の不安を聞いてくれる存在がいたことは、孤独になりがちながん治療において大きな救いでした。最後の時までこの病院で見届けてもらう約束を主治医とかわしており、その安心感があるからこそ、今を穏やかに過ごせています。

「当たり前の幸せ」を大切にする生き方への変化

がんを経験してから、私の生き方や考え方は大きく変わりました。以前は照れくさくてなかなか口にできなかった「ありがとう」という言葉を、今はすぐに伝えるようになりました。今日ご飯が食べられること、今日、娘と過ごせること。そうした当たり前の日常が、どれほど奇跡的で幸せなことなのかを、身に染みて感じるようになったのです。 身体的には、現在は車いすでの生活となり、不自由なことも増えました。しかし、それを嘆くのではなく、今の自分にできる「身近な目標」を立てて過ごすようにしています。告知を受けた当時、娘はまだ高校生でした。「1年で亡くなってしまったら、娘の卒業式が見られない」という強い思いがありました。その思いを大切にし、治療を続けたことで、娘の卒業式を見届け、さらに成人式を一緒に迎えられたときは、本当に感無量でした。 次の目標は、大切なパートナーに会いに北海道へ行くことです。車いすでの移動は大変ですが、それが今の私の活力になっています。また、経済的な自立を目指して、在宅で働ける仕事を探すための就職活動も続けています。国や制度に頼るだけでなく、自分の力で生活を営みたいという思いは、私にとって尊厳を保つための大切な一部です。

自分自身を俯瞰して捉える強さ

がんという重い現実に飲み込まれないために、私は自分自身を第三者の目線で見るように意識しています。正直、怖くてどうしようもなくなる日もあり、感情のままに泣いてしまうこともあります。その時は我慢せずそのまま泣きます。落ち着いてから、ふとどこかで冷静な自分を持つことで、パニックを防ぎ、次に何をすべきかを考えられるようになりました。 そのためには、自分の病気について正しく知ることが不可欠です。病名、薬の名前、副作用の種類、検査の数値。私はすべてをメモに残し、自分がどのような状態にあるのかを把握するように努めています。主治医がカルテを3度見するほど、私のデータは厳しい数字を示していることもあります。「さくらもちさん、本当に元気ですね」と驚かれることも多いのですが、それは病気の知識を持ち、自分のメンタルも含めて体調をコントロールできているからこそだと思っています。 将来の大きな夢を見ることはやめましたが、その分、今日という一日の密度を濃くすることができています。自分の将来よりも、娘や周囲の人たちがどうすれば幸せになれるかを考える。それが今の私の生きがいです。もちろん、自分の楽しみも忘れません。推し活をしたり、旅行の計画を立てたりして、自分で自分の機嫌を取りながら、これからもがんと向き合っていきたいと考えています。

これからがんと向き合う方へのメッセージ

今、がんと向き合っているあなたへ、私がお伝えしたい大切なことがあります。 自分の病気と置かれた状況を正しく知ってください がんと診断されると頭が真っ白になりますが、まずは自分の病気、治療薬、そして利用できるお金の制度について、徹底的に調べてみてください。インターネットの不確かな情報に惑わされるのではなく、主治医に質問したり、自治体や病院の相談窓口を利用してください。正しい知識を身につけることが、不安を解消する第一歩になります。 我慢せず周囲に甘えてください 入院生活や在宅治療において、ナースコールをためらったり、周囲に迷惑をかけたくないと我慢したりする方は多いです。しかし、治療を続けるためには、休むべき時にしっかり休み、甘えられるところに甘える勇気が必要です。無理をせず、自分の感情に素直に、泣きたい時は泣き、助けが必要な時は声を上げてください。そして助けてもらったら笑顔で「ありがとう」。それだけでいいのです。笑顔で感謝することが、周囲の安心につながります。 医療スタッフとの相性を大切にしてください 最新の設備や技術も重要ですが、それ以上に「この先生や看護師さんなら何でも話せる」という信頼関係が、治療の質を大きく左右します。もし主治医と意思疎通がうまくいかないと感じるなら、病院を変えることも選択肢のひとつです。あなたが安心して心の内を預けられる場所を見つけることが、前向きに治療を続けるための鍵となります。
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