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大腸がんステージ4、薬物療法を変更しながら仕事を続け、がんと共に生きる

[公開日] 2026.04.27[最終更新日] 2026.04.23

写真はイメージです。(AIによる生成)
プロフィール お名前:なかむらさん(ニックネーム) 年代:50代 性別:男性 家族構成:妻と子ども3人との5人暮らし(子ども1人は独立) 仕事:会社員 がんの種類:大腸がん 診断時ステージ:ステージ4 診断年:2021年 現在の居住地:神奈川県
※本体験談は、患者さん個人の経験に基づくものです。治療の経過や副作用、生活への影響には、個人差があります。医療的な判断や治療方針の決定の際には、必ず医師・医療従事者にご相談ください。 2021年、なかむらさんはステージ4の大腸がんと診断されました。高血圧の治療で受診していたクリニックで腹部の異常を伝えたことがきっかけとなり、紹介先の総合病院での精密検査を経てがんが判明。コロナ禍による手術の延期や、薬剤耐性に伴う頻繁な治療法の見直しなど、常に病状の変化への対応を迫られました。現在も仕事をしながら治療に向き合うなかむらさんに、これまでの歩みをお話しいただきました。

高血圧治療中に起こった予期せぬ腹痛

がんが判明する2年ほど前から、半年に1回、あるいは10か月に1回程度の頻度で血便が出ていました。毎年健康診断は受けていましたが、特にがんの兆候を指摘されたこともなく、まさか自分が大腸がんになるとは思っていなかったので放置していました。 血圧が160mmHg程度と高かったため、近隣のクリニックで降圧剤を処方され飲んでいました。しかし、服用を開始すると同時にお腹の調子が非常に悪くなりました。腹痛などの症状が続いたため、医師に相談して薬を抜いたり、種類を変えたりといった対応をしてもらいました。しかし、一向にお腹の症状は改善しませんでした。 医師からは「処方している薬で、腹痛を起こすような成分は入っていません」と指摘されました。その上で「一度、精密検査をした方がいい」と勧められ、紹介状を持って地域の総合病院を受診することになりました。2020年12月の末、年内の最終診療日に受診したその総合病院でCT検査を受けたところ、画像にがんを疑わせる影があることと肺転移の可能性があることを指摘されました。

精密検査の結果、ステージ4の大腸がんが判明

2021年1月、再び総合病院を訪れて大腸内視鏡検査を受けた際、腫瘍が大きすぎて内視鏡が大腸の奥まで通らず、途中で検査は中止となりました。しかし、その日のうちに同席していた妻と一緒に、医師から「ほぼがんで確定です」と告げられました。さらに詳しく調べるため、総合病院には設備がなかったPET-CT検査を受けることになり、紹介された別の大きな病院へ向かいました。数週間後、その検査結果を聞きに行ったところ、大腸の原発巣だけでなく肺にも転移があることが判明しました。 肺の転移は左右合わせて4個ほど見つかりました。この結果を受けて、病期はステージ4と診断されました。医師からは、大腸のS状結腸にある原発巣が腸閉塞を起こしかけているため、まずはステント手術をする必要があるという説明を受けました。肺の転移については、手術による切除は行わず、薬物療法で対応していく方針が決まりました。

コロナ禍の影響により直前で延期された手術

ステント手術は2021年の1月に予定されていました。しかし、当時は新型コロナウイルスの感染拡大が続いている時期でした。手術のわずか2時間前になり、病室の隣の区画でコロナの陽性者が発生したという連絡が入りました。病院の規定により、私の手術は急遽中止となり、延期されることになりました。一旦自宅へ戻ることになりましたが、大腸が詰まりかけていたため、食事は重湯や栄養剤のみで過ごさなければなりませんでした。 結局、2週間ほど待機した後、2月3日に、ステント手術はせず、原発巣を切除する手術を受けました。手術前に懸念されていたストーマについては、幸いなことに回避することができ、がんのあった部位を切除してつなぎ合わせる処置のみで済みました。手術の経過は順調で、主治医から言われていた通り、1週間ほどで退院することができました。退院後はしばらく自宅で療養しましたが、会社へ復帰するまでには産業医との面談などの手続きが必要だったこともあり、結果として1月から3月までの約3か月間、仕事を休むことになりました。

金曜に投与、土日で休養して続けたFOLFIRI療法とアバスチン

2021年3月の後半、体力が回復したのを待ち、抗がん剤治療を開始しました。最初に選択されたのは、5-FU、イリノテカン、レボホリナートの3剤を併用したFOLFIRI療法に、アバスチンを追加した治療でした。最初の投与時は副作用を確認するために1泊2日の入院をしましたが、それ以降は外来での通院治療となりました。 この治療は私に非常によく効き、肺の腫瘍が画像上から消えるほどまで改善しました。一方で、副作用も現れました。特に脱毛が顕著で、髪の毛が半分以上抜け落ちてしまいました。元々それほど髪が多くはなかったのですが、見た目の変化にはショックを受けました。また、抗がん剤を投与した後の3日間ほどは、食欲がなくなり、だるさや気持ち悪さが続きました。私は金曜日に病院へ行って投与を受け、土日は自宅で寝たきりのような状態で過ごし、月曜日からなんとか出社するという生活を繰り返しました。この治療は、2年間継続することができました。

役職の解除と仕事に対する意識の変化

がんの診断を受けた当時、私は会社で部下を持つ役職に就いていました。当初は治療に専念するために仕事を辞めることも考えましたが、インターネットやYouTubeで「仕事を辞めずに気を紛らわせた方がいい」という情報を目にし、継続することを決めました。会社には診断後すぐに状況を話し、休みを調整してもらいました。 治療を続ける中で、管理職としての役職を外れることになりました。当初はそれに対してショックも感じましたが、次第に心境に変化が現れました。役職に伴う重い責任やストレスから解放されたことで、かえって爽やかな気持ちで仕事に取り組めるようになっている自分に気づいたのです。仕事の内容は変わりましたが、社会とのつながりを持ち続けることが、病気のことを考えすぎる時間を減らしてくれました。脱毛を気にしすぎて、1年ほどは人と会うのが嫌だった時期もありましたが、歩いて通勤できる距離だったことも幸いし、仕事は私の生活の重要な一部であり続けました。

2年後の増悪により二次治療へ移行

病状が安定していた時期が続きましたが、2023年の末に受けたCT検査で、肺の腫瘍が再び増悪していることがわかりました。薬に耐性ができてしまったという説明を受け、2024年の年明けから二次治療へ移行することになりました。 二次治療では、5-FU、レボホリナート、オキサリプラチンを併用するFOLFOX療法にアバスチンを追加した治療を行いました。この薬では、投与後3日間ほど、冷たいものに触れると指先がピリピリとする末梢神経症状が出ました。しかし、期待していたような顕著な効果は見られず、腫瘍の大きさは現状維持といった状態が続きました。その後、S-1とオキサリプラチンを併用したSOX療法にアバスチンを追加した治療にも切り替えましたが、やはり劇的な改善には至りませんでした。使える薬の選択肢が少しずつ狭まっていくことに、不安を感じることもありました。

遺伝子検査とベクティビックスへの挑戦

手術時に受けた遺伝子検査で、KRAS遺伝子は変異型と診断されていました。そのため、当初ベクティビックスを使用することはありませんでした。しかし、「変異型であっても数年経つと遺伝子が変化し、野生型のようになるケースがある」という情報を目にしました。これを主治医に相談したところ、再度リキッドバイオプシーを行ってくれることになりました。 検査の結果、KRAS変異の程度が低くなり、完全に野生型になっていたわけではありませんでしたが、主治医は「やってみる価値はあるかもしれない」と判断し、ベクティビックスの投与に踏み切りました。結果として、私にはこの薬の効果は見られませんでしたが、自分の希望を汲み取って治療の選択肢を探ってくれた主治医には感謝しています。現在は、5-FUとイリノテカンとレボホリナートにサイラムザを併用した治療を行っています。 肺転移巣の増悪によりザルトラップへ変更予定 2026年4月現在、肺の転移巣は3cmほどの大きさまで増悪してきています。現在のサイラムザも効きにくくなってきたため、1泊入院をして、サイラムザからザルトラップに切り替えることが決まっています。 治療開始から5年以上が経過しました。大腸がんステージ4の5年生存率は18%程度と言われており、統計上は厳しい数字です。私自身、最初は「余命の中央値は2年半」という情報を信じ、そこまでしか生きられないのではないかと思っていました。しかし、主治医が、柔軟に薬剤を選択してくれたおかげで、そのハードルを越えることができたと思っています。薬物療法が長く続き、体への負担はありますが、今のところは日常生活に大きな支障はなく過ごせています。

主治医との対話で信頼関係を構築

5年以上の治療生活を支えてくれたのは、現在の主治医です。最初はそのぶっきらぼうな話し方に戸惑うこともありました。「先のことは考えず、今を生きなさい」と言われたときは、冷たい印象を受けたことも事実です。しかし、最近になって改めて気づいたのは、その先生が常に私の目を見て、正面から向き合って話をしてくれているということでした。 別の病気で受診した眼科の医師が、一度もこちらを見ずにパソコンのモニターばかり見て話しているのを経験し、今の主治医がいかに誠実であるかを再認識しました。厳しいことを言うのも、現実をごまかさずに伝えてくれている証拠だと思えるようになりました。5年も付き合っていると、こちらも色々なことを相談できるようになりました。主治医との信頼関係が築けていることが、長く治療を続ける上での精神的な支えになっています。

5年間の闘病を振り返って

この5年数か月間を振り返ると、最初の1年間はまさに絶望の中にいました。しかし、つらいときいつもそばで寄り添ってくれた妻の存在が私を救ってくれました。仕事を続け、家族と過ごし、少しずつ治療に慣れていく中で、心境は変化していきました。5年前には想像もできなかったことですが、今では病気と共に生きる日常を当たり前のものとして受け入れています。 もちろん、これからも治療は続けていきますし、不安が消えることはありません。しかし、自分の目と足で情報を集め、主治医と対話し、納得できる治療を選択し続けてきたという自負があります。がんになったことで失ったものもありますが、今ある時間の大切さを実感できるようになったことも事実です。これからも、自分にできることを精一杯行いながら、一日一日を積み重ねていきたいと考えています。

これからがんと向き合う方へのメッセージ

今、がん治療をしている方にお伝えしたいことがあります。 仕事を辞める決断を急がないでください がんの告知を受けると、誰もが動転してしまいます。しかし、すぐに仕事を辞めてしまうのではなく、まずは会社に相談し、自分にできる範囲で仕事を継続する道を検討してみてください。仕事は生活のためだけでなく、病気のことを考えすぎないための貴重な「場所」にもなります。辞めるのはいつでもできますから、まずは一歩立ち止まって考えてみてください。 主治医と目を見て話せる関係を築いてください 長い治療期間において、医師との信頼関係は不可欠です。診察の際に、医師がしっかりと自分と向き合ってくれているか、目を見て話をしてくれているかを確認してください。もし納得がいかないことや不安なことがあれば、自分の考えを正直に伝えてみることが大切です。本音で対話できる関係を築くことが、治療を前向きに進める助けになります。
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