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卵巣がん再発を乗り越え、自分らしくがんとともに歩む覚悟と諦めない生き方

[公開日] 2026.04.15[最終更新日] 2026.04.14

写真はイメージです。(AIによる生成)
プロフィール 氏名:はなかめこさん(ニックネーム) 年代:60代 性別:女性 家族構成:夫と2人暮らし(子どもは独立) 仕事:年金暮らし がんの種類:卵巣がん 診断時ステージ:ステージ3C 診断年:2020年 現在の居住地:神奈川県
※本体験談は、患者さん個人の経験に基づくものです。治療の経過や副作用、生活への影響には、個人差があります。医療的な判断や治療方針の決定の際には、必ず医師・医療従事者にご相談ください。 2020年7月、はなかめこさんは頻尿をきっかけに泌尿器科を受診。検査で腹部の異常を指摘されました。大学病院で精密検査を受けた結果、卵巣がんステージ3Cと診断されました。術前術後の化学療法によるつらい副作用、そして数年後の再発。度重なる困難に直面しながらも標準治療を信頼し、趣味や運動、そして同じ悩みを持つ仲間との交流を支えに前を向き続けてきました。これまでの治療の歩みと、がんと共に生きる日常についてお話しいただきました。

頻尿がきっかけで見つかった腹部の影

私の病気が見つかったのは、2020年7月のことでした。きっかけは、婦人科検診などではなく、意外にも頻尿でした。すぐトイレに行きたくなる状態だったため、最初は膀胱炎を疑い、近所の泌尿器科を受診しました。その際、右下腹部にわずかな痛みを感じる程度で、その他の自覚症状は全くありませんでした。 泌尿器科で超音波(エコー)検査を受けたところ、医師から「影が見えます。大きな病院の婦人科で精密検査を受けてください」と告げられ、隣町の大学病院への紹介状を渡されました。翌日すぐにその大学病院を受診し、CTやMRI検査を行った結果、卵巣が10cmほどに腫れていることが判明しました。病名は卵巣がんで、ステージは3C。子宮にも浸潤し、腹腔内にもがんが散らばっている状態でした。 告知を受けたときは、まさに青天の霹靂で「まさか自分が」という思いが強かったです。しかし、ショックを受けながらも、「告知された事実は変えられない。しっかりと治療を受けよう」と、比較的早く気持ちを切り替えることができました。

手術前に行われた3か月の化学療法

主治医から提案された治療方針は、まず抗がん剤で腫瘍を小さくしてから手術を行い、その後に再び抗がん剤を行うというものでした。2020年8月から、パクリタキセルとカルボプラチンを組み合わせるTC療法を開始しました。 最初の1回目は、副作用などの体の反応を慎重に見るために入院し、2回目以降は、通院治療となりました。抗がん剤に対しては「激しい吐き気に襲われる」というイメージを持っていましたが、強力な吐き気止めを投与されたおかげで、実際には吐き気に苦しむことはありませんでした。ただ、パクリタキセルにはアルコール成分が含まれているため、お酒に弱い私は点滴中、毎回頭がぼーっとして酔ったような感覚になりました。 また、投与から3、4日目には副作用のピークが訪れ、全身の倦怠感と関節の痛みで、起き上がることが難しいほどつらい時期がありました。しかし、抗がん剤の効果は数字に現れました。3回の投与を終えた段階で、10cmあった腫瘍は約5cmまで小さくなり、2000を超えていた腫瘍マーカー(CA125)の値も半分以下にまで下がりました。この結果を受け、手術を受けることが決まりました。

術後化学療法の方がつらかった副作用

手術は開腹で行われ、両側の卵巣、卵管、子宮、大網、腹膜内の目に見える病変を摘出しました。 手術を待っていた夫に対し、医師からは「目に見えるがんはすべて取り切ることができました」という報告があったそうです。手術後、さらに3回のTC療法を行いました。この後半の治療時期には、脱毛だけでなく、手足のしびれ、味覚障害、関節痛などが顕著に現れました。 特に手の症状がひどく、すべての指の先がささくれだったようになり、皮膚がむけてしまいました。すべての指に絆創膏を貼り、炊事の際には水が染みないようゴム手袋をはめるなど、日常生活に工夫が必要でした。足のしびれも深刻で、まるで「砂利や紙やすりの上を歩いている」ような感覚があり、地面に足がついていないような浮遊感に悩まされました。転倒を防ぐため、外出時は常に底の安定したスニーカーを履くようにしていました。

通いやすさを優先した病院選びと情報収集

私が治療を受けているのは、自宅からタクシーで1メーター内、徒歩でも16分程度の場所にある大学病院です。告知を受けた際、主治医からはがん専門病院やがんセンターへの紹介も可能だと言われました。しかし、私は「体調が悪くなったときにすぐに行ける距離」を最優先に考え、今の病院を選びました。 提示された治療方針に納得していたことや、その病院の設備や看護師さんの対応が丁寧であったことから、セカンドオピニオンは受けませんでした。一度、近くのがん診療連携拠点病院の相談窓口へ行ったこともありましたが、そこでは「現在通っている大学病院のほうが設備は整っていますよ」と助言を受け、自分の選択に自信を持つことができました。 情報収集については、SNSを活用し、同じ卵巣がんの患者さんとつながることで、副作用への対策などを学びました。また、動画サイトでは卵巣がんの患者会の動画や、腫瘍内科医が発信する情報を参考にしました。入院生活で必要なものや、脱毛時期の過ごし方など、経験者の具体的なアドバイスは非常に参考になりました。

遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)の告知

術後の治療が進む中で、主治医の勧めで遺伝子検査を受けました。その結果、私はBRCA遺伝子に変異があることがわかりました。いわゆる遺伝性乳がん卵巣がん症候群(HBOC)です。 この告知を受けた際、自分の家族の病歴を改めて詳しく調べたところ、父方の祖母と叔母の2人が、卵巣がんで亡くなっていたことが判明しました。自分の病気が遺伝的な背景から来ている可能性が高いと知り、腑に落ちる思いでした。 この遺伝子変異があることで、分子標的薬であるリムパーザによる維持療法を受ける選択肢ができました。2021年2月ごろからリムパーザの服用を開始しましたが、強い倦怠感に見舞われたため、主治医と相談して途中で薬を減量しました。減量しながらも規定の2年間、2023年2月ごろまで薬を飲み切ることができました。その後は薬の服用を終了し、4週間に1度のペースで血液検査を受ける経過観察期間へと入りました。

2024年の再発と再度の抗がん剤治療

リムパーザの服用を終えてから1年8か月ほど経った2024年10月、定期検診で腫瘍マーカー(CA125)の値が少しずつ上昇し始めました。12月にはPET-CT検査を行い、腹膜に5か所ほどの播種が見つかり、再発が確定しました。初診の2020年7月から数えると、4年5か月が経過していました。 「もうすぐ5年生存の目安が見えてくる」という時期だったため、ショックはありましたが、同時に「やはり来たか」という覚悟もありました。主治医からは、プラチナ感受性のタイプであるため、再度パクリタキセルとカルボプラチンを用いたTC療法が有効であると説明を受けました。 2024年12月から、2度目の化学療法が始まりました。再発時の2回目の治療の投与後に首の周りに湿疹が出るアレルギー反応が起きました。アナフィラキシーショックなどの重篤な状態には至りませんでしたが、安全を期して、それ以降の投与はすべて入院して行うことになりました。点滴の速度を通常よりゆっくりにしてもらい、24時間体制で心電図モニターをつけるなど、厳重な管理のもとで全6回のスケジュールを完遂しました。再発時の腫瘍マーカーは最高で2600まで上がっていましたが、治療後には20まで下がり、しっかりと効果を確認することができました。

副作用対策と日常生活での工夫

抗がん剤治療を繰り返す中で、副作用との付き合い方も身についてきました。脱毛に関しては、初回も再発時もすべての髪が抜けましたが、「また生えてくる」とわかっていたため、過度に落ち込むことはありませんでした。外出時はほぼケア帽子で、法事のときだけウィッグを使用しました。 手足のしびれや指先の荒れについては、再発時の治療の際、初回以上の徹底した保湿を心がけました。そのおかげか、再発時の治療では指先の皮膚がむけることはありませんでした。現在もしびれは残っており、神経の痛みを和らげる薬を服用しています。 また、抗がん剤の投与中は血管痛がひどかったため、看護師さんにお願いして、点滴中の腕を温めてもらいました。副作用は人によって千差万別ですが、自分の体に合う対処法を一つずつ見つけていくことが、治療を継続する鍵になると実感しました。

運動と趣味がもたらす体力の維持と心の安定

治療を続けるための体力を養おうと、私は2023年10月から女性専用のフィットネスクラブに通い始めました。週3回、マシンを使った筋トレとウォーキングを交互に繰り返すサーキットトレーニングを行っています。月に1回、体重や骨格筋率の変化を測定してもらうことで、自分の身体の状態を客観的に把握することができ、前向きに運動を続ける励みになっています。 趣味については、病気の影響で変化がありました。チェロを習い始めていたのですが、指先のしびれの影響で残念ながら再開できていません。しかし、以前から嗜んでいた生け花は、抗がん剤の合間の体調が良い時期を見計らって再開しました。 告知直後の不安が強い時期には、現実を忘れさせてくれる中世を舞台にした漫画を大人買いして読みふけりました。また、2024年12月、再発が濃厚だった時期には、新幹線に乗って宝塚歌劇団の公演を観に行きました。劇場で自分と同じようにケア帽子をかぶって観劇している方を見かけ、「治療中でもこうして好きなことを楽しんでいいんだ」と、大きな勇気をもらいました。

患者会や信仰の場で得られる共感と支え

私は現在、卵巣がんの患者会に参加しています。そこでは、自分と同じように再発を経験した方や、同じ維持療法の薬を飲んでいる方と直接話をすることができます。ネット上のやり取りも助けになりますが、実際にお会いして「しびれはどう対策していますか?」といった具体的な相談ができる場は非常に貴重です。 また、私はクリスチャンで教会に通っています。教会には、乳がんや胃がんなどの治療を経験しているがん友が何人もいます。検査の結果が悪かったときや、入院が決まったとき、お互いに励まし合い、祈り合える関係があることは、孤独になりがちな闘病生活において大きな心の支えとなりました。 現在は、ゼジューラという薬を服用しながら経過を追い続けています。疲れやすさやしびれといった後遺症はありますが、無理をせず、周囲の助けを借りながら生活しています。がんは完治したわけではなく、これからも共生していくものだと覚悟していますが、病気に心を支配されるのではなく、自分自身の時間を主体的に生きていきたいと考えています。

これからがんと向き合う方へのメッセージ

今、がん治療をしている方にお伝えしたいことがあります。 医療の進歩と標準治療を信頼してください 現代の医療は非常に進歩しており、新しい薬や治療法が次々と承認されています。抗がん剤の副作用、特に吐き気については、優れた薬によって大幅に抑えられるようになっています。インターネット上にはさまざまな情報が溢れていますが、まずは主治医が提案する標準治療を信頼してください。副作用に対して不安があれば、我慢せずに医療スタッフに伝えることが大切です。 副作用の波を把握して無理をせず過ごしてください 抗がん剤の副作用は人それぞれだと思いますが、私の場合は、投与から3、4日目が最もつらく、1週間から10日経てば少しずつ体が楽になっていきました。その「波」を理解しておけば、つらい時期は徹底して休み、動ける時期に好きなことをするというメリハリがつきます。 病気のことを忘れる時間を意識的に作ってください がんと診断されると、頭の中が病気のことばかりになりがちです。しかし、24時間患者でいる必要はありません。好きな漫画を読む、映画を観る、短時間の散歩をするなど、何でも良いので「病気を忘れて夢中になれること」を見つけてください。自分を喜ばせる時間を持つことは、治療を続けるための大きな活力になります。 同じ悩みを持つ仲間とつながってみてください 一人で抱え込まず、患者会や信頼できるコミュニティに参加することをお勧めします。同じ経験をした人でなければわからない悩みや、生活の知恵があります。他の方の頑張る姿を見ることは、「自分ももう少しやってみよう」という励みになります。ルールが守られた信頼できる場であれば、安心して悩みを共有することができます。
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