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乳がんステージ1、自分の心と体に向き合うことで得た全摘と再建という納得の治療選択

[公開日] 2026.04.09[最終更新日] 2026.04.07

写真はイメージです。(AIによる生成)
プロフィール お名前:ユカポンさん(ニックネーム) 年代:50代 性別:女性 家族構成:夫と2人暮らし(子ども2人は独立) 仕事:受付事務(パートタイム) がんの種類:乳がん 診断時ステージ:ステージ1 診断年:2019年 現在の居住地:埼玉県
※本体験談は、患者さん個人の経験に基づくものです。治療の経過や副作用、生活への影響には、個人差があります。医療的な判断や治療方針の決定の際には、必ず医師・医療従事者にご相談ください。 2019年、自治体が実施する無料の健康診断をきっかけに乳がんが判明したユカポンさん。診断時はステージ1という早期発見ではあったものの、ユカポンさんは再発のリスクや将来の生活を見据え、乳房の全摘とその後の自家組織による再建という道を選択しました。術後のホルモン療法による副作用に悩みながらも、仕事への復帰やSNSでの交流、新しい趣味などを通じて自分らしい生活を取り戻していくまでの道のりについてお話しいただきました。

市の健康診断で指摘された予期せぬ影

がんがわかったきっかけは、2019年に受診した自治体の無料健康診断でした。そのときはマンモグラフィを受けたのですが、当初は右側の胸に影があるという指摘を受けました。普段から通っている総合病院に乳腺外科があったため、検査結果を持って精密検査を受けに行くことにしました。 病院で血液検査、CT、マンモグラフィ、超音波(エコー)検査など、一通りの検査を受けました。その結果、最初に指摘された右側の胸には問題がなかったのですが、逆に左側の胸に乳がんの可能性を指摘されました。 医師から「乳がんの可能性があります」と言われたときは、やはり驚きがありました。しかし、その病院では確定診断後の詳細な治療を行う体制が整っていなかったため、さらに詳しく検査ができる大きな病院をいくつか紹介されました。私は、通いやすさとがん専門の医療機関であるという信頼感から、がんセンターを紹介してもらうことに決めました。

再発のリスクを考えて決断した乳房全切除術

紹介されたがんセンターで改めて精密検査を受けたところ、最終的にステージ1の乳がんであると確定しました。その際、医師から「がんの顔つきがいいね」という言葉をかけられました。当時の私にはその言葉の意味がよくわかりませんでした。 医師からは、ステージ1という初期段階であるため、手術には乳房温存手術と乳房全切除術の2つの選択肢があることを説明されました。乳房温存手術を選んだ場合は、その後に放射線治療が必要になること、またどちらの術式を選んでもホルモン受容体陽性のため、今後5年間のホルモン療法は必須であるというお話がありました。さらに、乳房を再建したいのであれば、形成外科の受診も可能であるという提案もいただきました。 治療方針を決めるにあたって、私はかなり悩みました。しかし、それは決して後ろ向きな悩みではなく、これからの自分の人生をより良くしていくための前向きな葛藤でした。 最終的に私が出した答えは、乳房全切除術でした。医師からは温存も可能だと言われましたが、部分切除で形が変わってしまうことへの抵抗感がありました。それ以上に、もしわずかでもがん細胞を残してしまった場合、将来的に局所再発が起きるリスクを考えると、一度しっかりとすべてを取り除いてしまいたいという思いが強かったのです。まずは自分の体としっかり向き合い、リセットしてから次のステップを考えようと決意しました。 また、手術と同時に再建を行う同時再建という選択肢もありましたが、私はあえてそれを選びませんでした。一旦、全摘出した状態の自分を受け入れ、落ち着いた状態でゆっくりと再建について考えたいと思ったからです。もし全摘したままでも支障がないと感じるならば、そのまま過ごしてもいいという、自分への猶予期間でもありました。

全摘後の生活と再建を決意した理由

手術を終え、しばらくは乳房がない状態で生活を送りました。自分自身としては、鏡を見ても「こういう感じなんだな」と受け入れることができ、それほど精神的な落ち込みはありませんでした。 しかし、日常生活を送る中で少しずつ不便さを感じるようになりました。私はお風呂が好きでよく温泉にも行きますが、一度試しに行ってみたところ、周りの人は誰も見ていないとわかっていても、やはりどこか気兼ねするような、落ち着かない気持ちになりました。他人が自分の体を見てどう思うかよりも、自分自身が「人に対して気を遣わせてしまうのではないか」という思いが引っかかってしまったのです。 また、運動をするときにパッドを入れる手間も、面倒くさがりの私には負担に感じられました。ヨガやフィットネスクラブで体を動かすことが好きだったので、将来的に長く続けていくなら、やはり再建したほうが自分らしくいられるのではないかと考えるようになりました。結局、全摘から約1年が経過したころに、再建手術を受けることを決めました。

自家組織による乳房再建という選択

再建手術にあたっては、人工物のシリコンインプラントを使うか、自分のお腹などの組織を移植する自家組織再建にするかの選択肢がありました。私は形成外科の医師から詳しく話を聞き、それぞれのメリットとデメリットを比較しました。 シリコンインプラントは手術が比較的簡便です。また、現在は不具合がなければそのままでも大丈夫というのがスタンダードのようですが、そのときは10年後には入れ替えの手術が必要になる可能性があると聞きました。10年後の自分を想像したとき、今よりも体力や気力が落ちているだろうと考え、何度も手術を繰り返したくないという思いがありました。 一方で、自家組織による再建は手術時間が長く、体への負担も大きいというハードルがありました。しかし、自分のお腹の脂肪を使って再建すれば、一度の手術で済み、自分の体の一部として定着します。形成外科の先生が冗談を交えて「お腹の脂肪を取るから、お腹がぺったんこになるよ」と言ってくださったことも、少し背中を押してくれました。 手術の結果、非常に腕の良い先生に担当していただき、娘からも「すごいね、きれいだね」と言われるほど自然な仕上がりになりました。今でも左右の感覚の違いや、自分の組織とはいえ以前とは異なる違和感は残っていますが、シリコンではなく自分の体を使ったこの選択に後悔はありません。

地味につらかったホルモン療法の副作用

手術は成功しましたが、術後に始まったホルモン療法は、私の生活に地味ながらも大きな影響を及ぼしました。5年間にわたる投薬治療の中で、さまざまな副作用が現れたのです。 まず悩まされたのが、関節の痛みです。指の関節や体のあちこちが痛み、常に体がだるいような感覚がありました。また、急に汗が噴き出すホットフラッシュも頻繁に起こりました。体重がなかなか減らなくなったり、舌がピリピリと痺れるような感覚があったりと、言葉では説明しづらい小さな不調がいくつも重なりました。 これらの副作用は、日常生活や仕事にも影響しましたが、乳がんと診断された時点で、治療に専念するために一度すべてを白紙に戻し、仕事を辞める決断をしました。退職する際には職場に乳がんであることを伝えましたが、当時は「これからどうなるかわからない」という不安が大きく、働く意欲はあるものの、体がついていかないもどかしさを感じていました。

SNSとの出会いと社会復帰への一歩

仕事を離れて自宅で過ごす時間が増えたころ、私はSNSを始めました。これが私にとって大きな転換点となりました。 それまでの自分は知らなかったお店や場所の情報、そして同じ病気を経験している方たちの発信に触れることで、世界がぐっと広がりました。ひとりで運転して気になる場所へ出かけてみるなど、それまで以上に有意義な時間を過ごすことができました。自分だけのペースで過ごせる時間は、病気で傷ついた心を癒やすのに必要だったのかもしれません。 しばらくして、副作用と付き合うコツも徐々にわかってきました。SNSで働く人たちの姿を見ているうちに、「そろそろ私も自分の力でお金を稼ぎたい」という意欲が湧いてきました。約2年のブランクを経て、まずは週2日から3日の半日勤務で、大学の清掃の仕事を始めました。 清掃の仕事は体力を使いますが、若い学生さんたちの姿を見て元気をもらえたり、あいさつを交わしたりすることに大きな喜びを感じました。現場のリーダーに病気のことやホットフラッシュの症状を伝えておいたところ、体調を気遣ってシフトを調整してくれるなど、理解ある環境に恵まれたことも幸いでした。

患者会での学びと自分自身の心の変化

がんセンターで行われていた勉強会や患者会にも参加しました。そこでは自分と同じ乳がんでも、ステージやサブタイプによって治療法が全く異なることを学び、情報収集の大切さを実感しました。 しかし、活動を続ける中で少しずつ心境に変化が現れました。いつまでも病気のことばかりを話し合い、お互いに慰め合うような関係に留まることが、私の性格には合わなくなってきたのです。次第に患者会からは足が遠のきましたが、そこで知り合った個別の友人とのお付き合いは今も続いています。また、後に乳がんになった友人に対して、自分の経験を伝えて支えるという新しい役割もできました。 現在は、清掃の仕事を辞め、より自分の今の体力に合った受付事務の仕事を始めました。座って仕事ができるため体への負担も少なく、週に数日の勤務という今のスタイルが、今の私にはちょうど良いと感じています。

正しい知識を得るための向き合い方

乳がんと診断された当初、インターネットで検索をすると、根拠のない情報や極端に悪い話ばかりが目に入り、負のループに陥りそうになったことがありました。その経験から、私は情報の取捨選択を徹底するようにしました。 病院でもらえるパンフレットや、公的な機関が発信している信頼できる情報を優先し、わからないことはそのままにせず、必ずメモを取って主治医や看護師さんに質問するようにしました。 医師は多忙ですが、診察の際に「私の話を聞いてください」という姿勢で、自分のペースに巻き込んでいくくらいの積極性が大切だと感じています。医療従事者との信頼関係を築き、納得した上で治療を受けることが、前向きに病気と向き合うための鍵となりました。不安なときは神社仏閣を巡って手を合わせ、心を落ち着ける時間を作ったことも、私にとっては大きな支えになりました。 2019年から始まった私の闘病生活は、ホルモン療法も完遂し、ようやく一段落つきました。振り返ってみれば、がんは私にとって、自分の体と心、そしてこれからの人生を見つめ直すための大きな気づきを与えてくれた経験だったと言えるのかもしれません。

これからがんと向き合う方へのメッセージ

今、がんの治療をしていて不安を感じている方にお伝えしたいことがあります。 医療従事者を自分のペースに巻き込んでください 主治医や看護師さんは多くの患者さんを抱えて忙しそうに見えるかもしれませんが、自分の体のことは遠慮せずに質問することが大切です。聞きたいことをメモにまとめ、納得いくまで話し合うことで、医師との間に強い信頼関係を築くことができます。 情報の取捨選択を慎重に行ってください インターネット上の個人の感想や根拠のない噂に振り回されると、不安だけが膨らんでしまいます。まずは病院で提供される資料や公的な機関の情報を基本とし、正しく病気を理解することから始めてください。 自分自身と向き合う時間を作ってください 診断直後は心が乱れがちですが、意識的に心を落ち着かせる時間を持つことをお勧めします。私の場合は神社巡りでしたが、趣味でも何でも構いません。一度立ち止まって自分の心と対話する時間が、適切な治療方針を選択する力になります。
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