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乳がんステージ1、ホルモン療法の副作用をがまんせず「諦める勇気」で見つけた新たな生活

[公開日] 2026.04.08[最終更新日] 2026.04.07

写真はイメージです。(AIによる生成)
プロフィール お名前:SATOMIさん(ニックネーム) 年代:50代 性別:女性 家族構成:夫と2人暮らし 仕事:休職中(診断時は派遣社員) がんの種類:乳がん 診断時ステージ:ステージ1 診断年:2021年 現在の居住地:大阪府
※本体験談は、患者さん個人の経験に基づくものです。治療の経過や副作用、生活への影響には、個人差があります。医療的な判断や治療方針の決定の際には、必ず医師・医療従事者にご相談ください。 2021年、SATOMIさんはステージ1の乳がんと診断されました。診断の2年前、健康診断で左乳房の異常を指摘され、定期的な経過観察を続けていましたが、実際にがんが発見されたのは、監視対象ではなかった右乳房でした。術後に開始したホルモン療法では、重い副作用に直面し、一時は仕事を続けるのが困難な状態になりました。現在は、リンパ浮腫のケアや副作用に伴う新たな疾患の疑いへの検査を続けながら、体調に合わせた生活の再構築に取り組んでいます。診断から現在に至るまでの治療の経緯についてお話しいただきました。

健康診断を機に始まった半年ごとの経過観察

私が乳がんと診断されたきっかけは、2019年ごろに受けた会社の健康診断でした。検査項目の中に無料で受けられる乳がん検診が含まれていました。それまで乳がん検診の経験はありませんでしたが、無料であれば受けておこうと考え、超音波(エコー)検査を追加しました。 その結果、左乳房に精密検査が必要との判定が出ました。友人が子宮がんの治療で通っていた総合病院に、女性の乳腺外科医が在籍していると聞き、紹介状を書いてもらって受診しました。その病院で細胞診を含む精密検査を行いましたが、結果は異常なしでした。私の乳腺はもともと脂肪が少なく乳腺組織が多いタイプで、エコー画像では白い塊のような影が映りやすい性質があったようです。 医師からは、直ちに治療が必要な状態ではないものの、慎重を期して変化を確認していく必要があると告げられました。それから半年ごとに1回、定期的にエコーとマンモグラフィの検査を受ける経過観察が始まりました。この継続的な検査が、後に大きな意味を持つことになりました。

監視を続けていた部位とは反対側に発見されたがん

経過観察を続けていた2021年、定期検査で撮影したマンモグラフィの画像に変化が現れました。医師が過去の画像と比較した際、前回までは見られなかった微細な点状の影が確認されたのです。その画像を見せてもらうと、素人の私でも明らかに以前とは異なる異変が起きていることが分かりました。 驚いたことに、その影が現れたのは、注意深く監視を続けていた左側ではなく、それまで何の指摘も受けていなかった右側の乳房でした。本来の監視対象とは異なる部位でしたが、半年ごとの検査を徹底していたからこそ、医師は右側に生じたわずかな兆候を見逃さなかったのです。直ちに実施されたMRI検査や針生検の結果、乳がんであるとの確定診断を受けました。 がんの大きさは約1.5cmで、ステージ1。性質は進行が比較的穏やかなホルモン受容体陽性のルミナルAタイプと説明されました。左乳房の疑わしい影をきっかけに定期的な受診を継続していなければ、発見はさらに遅れていた可能性がありました。

納得感を重視した治療方針の選択と手術の実施

診断時、私は派遣社員として働いていました。治療のために仕事を休む必要があったため、派遣元の担当者や派遣先の上司に病状を報告しました。周囲は非常に理解があり、有給休暇や傷病手当金の活用を含め、治療に専念できる環境が整えられました。 提示された治療方針は、乳房温存手術、術後の放射線治療、そしてホルモン療法の組み合わせでした。私は納得した上で治療に臨みたかったため、不明な点はすべてメモに書き出し、毎回の診察で医師に質問しました。例えば、担当医には「全摘出を選んだ場合に放射線治療を省略できるのか」、形成外科の医師には「再建手術を行う場合の選択肢はどのようなものがあるか」といった話を聞きました。全摘出と再建手術の可能性についても形成外科医から話を聞いた上で、納得して温存手術を選択しました。 しかし、手術前日の夜、入院先の病室で医師から新たな説明を受けました。事前のCT検査の結果、がんが乳頭の下付近まで浸潤している可能性が浮上したのです。もし手術中にがんがさらに上部まで広がっていることが確認された場合、切除範囲を広げなければならないという内容でしたが、実際の手術ではがんが1.5cmの範囲内に留まっており、乳頭・乳輪を温存することができました。また、リンパ節については、当初はセンチネルリンパ節生検の予定でしたが、医師が浸潤の状態を懸念したため、結果としてリンパ節郭清が行われました。術後の検査の結果、リンパ節への転移は認められませんでした。

術後から始まったリンパ浮腫とホルモン剤の副作用

手術から2週間後には職場に復帰し、働きながら放射線治療を開始しました。平日の朝に病院へ通い、計25回の照射を受けてから出勤する生活を1か月以上続けました。この時点までは体調も安定しており、社会生活への大きな支障はありませんでした。 しかし、再発予防のために始まったホルモン療法が、私の生活を一変させました。最初に服用したのはタモキシフェンでした。服用開始後、それまで順調だった生理が止まり、激しいホットフラッシュが始まりました。1日に10回以上、突然体が熱くなり汗が止まらなくなる症状に襲われ、頭痛やめまいも頻発するようになりました。 さらに術後3か月が経過したころ、手術をした側の右腕にむくみが現れました。リンパ浮腫です。幸い軽症ではありましたが、それ以来、医療用の弾性スリーブを毎日着用し、月に1回は病院のリンパ外来で用手的リンパドレナージを受けるケアが不可欠となりました。

日常生活に支障をきたした激しい関節痛と副作用

2023年秋、閉経状態であることが確認され、処方薬がレトロゾールに変更されました。この薬に切り替わってから、副作用はさらに深刻化しました。全身の関節に激しい痛みが現れ、特に起床時の手指のこわばりが著しくなりました。朝、自分の手が全く動かず、1本ずつ指を解きほぐすようにしなければ動かせない状態になりました。 関節痛は全身に及び、膝や足首の痛みで階段の昇降さえ困難になりました。家のドアノブを回す、冷蔵庫の扉を開けるといった日常の動作一つひとつに激痛が走り、生活の質は著しく低下しました。派遣先での仕事も、立ち仕事やパソコン入力が痛みのために続けられなくなりました。 私は痛みには強い方だと自負していましたが、この時期の痛みは精神を削り取るような過酷なものでした。結局、仕事との両立が不可能となり、2025年6月末で退職せざるを得ませんでした。その後は、痛みのために自宅から外出することさえままならない日々が続きました。

1人で抱え込まずに医療者や家族へ頼るという選択

体調が悪化していく中、私は「自分がしっかりしなければならない」と思い詰め、すべての苦しみを1人で抱え込んでいました。夫には病状を伝えていましたが、彼がどこまで理解しているか不安があり、弱音を吐くことができませんでした。コロナ禍での通院や入院が、私の孤立感をさらに深めていた側面もありました。 精神的な限界を感じた私は、がん専門の精神科である精神腫瘍科を受診しました。そこで医師から「1人で抱え込みすぎています」との指摘を受け、肩の荷が下りるのを感じました。それからは、家事を完璧にこなそうとするのをやめ、夫にも具体的な助けを求めるように意識を変えました。 患者会が開催するセミナーにも足を運びましたが、ステージや副作用の重さが異なる人たちの集まりでは、自分の悩みが矮小化されてしまうように感じ、継続的な参加はやめました。代わりに、医師や専門家による医療セミナーなど、客観的な知識を得られる場所を重視しました。自分にとって有益な情報を見極めることが、心の安定につながりました。

副作用から生じた新たな疾患への懸念と5年目の現状

あまりに激しい関節痛を受け、主治医と相談して2025年秋に再びタモキシフェンへと薬を戻しました。これにより、一時は歩行困難になるほどだった関節痛は軽減されましたが、代わって新たな懸念が生じました。タモキシフェンの副作用による子宮内膜の増殖です。 半年ごとの婦人科検診で、内膜が異常に厚くなっていることが判明しました。MRI検査の結果、子宮体がんの疑いが極めて高いとの所見が得られました。現在、私はこの新たな疾患に対する精密検査を受ける予定です。 乳がんの診断から間もなく5年が経過しますが、幸い乳がん自体の再発や転移はありません。副作用との闘いは続いていますが、主治医からは、今後順調であれば、本来10年とされるホルモン療法の期間を短縮できる可能性も示唆されています。今はそれを目標の1つとして、日々の治療を続けています。

現在の体調でできることを探し、生活を再構築する

病気になったことで、以前のようにフルタイムで働くことや、活発にスポーツを楽しむことはできなくなりました。しかし、できないことを数えて悲しむのではなく、「今の自分にできること」に目を向けるようにしています。 手指のこわばりのリハビリを兼ねて、以前嗜んでいたピアノを再開しました。痛みはありますが、音楽に触れる時間は心の癒やしになっています。また、体への負担を考慮し、週3日程度の勤務や在宅での仕事を見据えた新しい分野の勉強も始めています。 がんは私の生活を大きく変えましたが、同時に、自分の限界を認めて人を頼ることの大切さや、日々の小さな喜びを見つける視点を与えてくれました。どのような検査結果が出ようとも、冷静に事実を受け止め、最善の選択を積み重ねていこうと考えています。

これからがんと向き合う方へのメッセージ

今、がんと診断され、不安や副作用の苦しみの中にいる方へ、私の経験からお伝えしたいことがあります。 身体の異変やつらさは我慢せずに伝えてください 「これくらいの副作用はみんな耐えているはずだ」と考え、医師に症状を伝えないことは避けてください。痛みや不便さは主観的なものであり、あなたがつらいと感じるなら、それは解決すべき問題です。具体的に伝えることで、薬の変更や緩和ケアなど、より良い生活を送るための選択肢が見つかるはずです。 正確な情報を冷静に取捨選択してください がんになると、不安からさまざまな情報に手を出したくなるものです。しかし、エビデンスのない情報や無責任な助言に惑わされないよう、主治医が提示する標準治療を信頼の柱に据えてください。正しい医療知識を持つことは、不必要な不安を払拭し、自分自身で納得のいく決断を下すための支柱となります。 できないことを潔く諦め、今できることに目を向けてください 以前の健康な自分と比較して、動けない今の自分を責める必要はありません。できないことを無理に続けようとするのではなく、今の体調に合わせて活動範囲を調整することは、自分自身を大切にするための現実的な選択です。小さなことでも、今の状態で楽しめることを見つけ、自身を労わる時間を持ってください。
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