• 検索
  • お問い合わせ
  • お知らせ
  • メニュー
  • がん種
  • ニュース
  • 特集
  • 治験
  • リサーチ
  • イベント
  • 動画
  • 患者会
  • 辞典
  • お役立ち

AIにはない「対話」の力、小リンパ球性リンパ腫の治療で見つけた医師との信頼関係

[公開日] 2026.04.06[最終更新日] 2026.03.30

写真はイメージです。(AIによる生成)
プロフィール お名前:ひーくんさん(ニックネーム) 年代:40代 性別:男性 家族構成:妻と子ども3人との5人暮らし(子ども1人独立) 仕事:会社経営(診断時は会社員) がんの種類:小リンパ球性リンパ腫 診断時ステージ:Rai分類2期 診断年:2023年 現在の居住地:広島県
※本体験談は、患者さん個人の経験に基づくものです。治療の経過や副作用、生活への影響には、個人差があります。医療的な判断や治療方針の決定の際には、必ず医師・医療従事者にご相談ください。 2022年、40代という働き盛りで小リンパ球性リンパ腫の告知を受けたひーくんさん。当初は原因不明の体調不良に悩み、複数の医療機関を巡りながらも「異常なし」と診断される日々が続きました。しかし、自身の直感を信じて行動し続けたことで、ようやく病名が判明します。その後、無治療経過観察の期間を経て、治療の副作用による危機を乗り越え、現在は自ら起業した会社の代表として、仕事と治療を両立させています。納得のいく医療を勝ち取り、家族のために生き抜こうとするひーくんさんにお話しいただきました。

原因不明の倦怠感と首のしこりに悩まされた1年間

2021年ごろ、当時会社員として働いていた私は、これまでにない体調の変化を感じていました。朝9時から夜の7時ごろまで仕事をして帰宅すると、夕食も取れずにそのまま泥のように眠ってしまう日が続いたのです。また、首のあたりにしこりがあることにも気づいていました。 さすがにおかしいと感じ、まずは近所のクリニックを受診しました。最初は甲状腺の異常を疑い、血液検査や超音波(エコー)検査を受けましたが、結果は「異常なし」でした。医師からは「一時的にリンパが腫れているだけだから心配ない」と言われ、一度は安心しようと努めました。 しかし、その後も体調は改善せず、首のしこりも消えません。花粉症の時期に受診した耳鼻咽喉科でも、しこりについて相談しましたが「柔らかいしこりだから、がんの可能性はないと思います。大丈夫ですよ」と断言されました。結局、自分の体に明らかな違和感があるにもかかわらず、原因がわからないまま1年以上の月日が流れていきました。

専門外の医師との出会いが病名判明のきっかけに

状況が動いたのは、ひどい片頭痛に襲われて脳神経外科を受診したときでした。私はそこで、脳の症状とは別に、ずっと気になっていたリンパの腫れについても切実に訴えました。 その脳神経外科の先生は、専門外であるにもかかわらず、私の言葉に真剣に耳を傾けてくれました。その場ですぐに、頸部のエコー検査をしてくれました。検査を担当した技師さんが驚いて上司を呼びに行くほど、私の首には大きな腫れがいくつも確認されました。先生は「これはただごとではない」と判断し、すぐにCT検査を手配してくれました。 CT検査の結果、リンパの腫れは全身に広がっていることがわかりました。先生はすぐに血液内科への紹介状を書いてくれました。あのとき、私の言葉を信じて調べてくれた先生に出会わなければ、病名が判明するのはさらに先になっていたかもしれません。今振り返っても、あの先生には命を助けてもらったという感謝の念しかありません。

希少ながん「小リンパ球性リンパ腫」との確定診断

紹介された総合病院の血液内科で、生検などの精密検査を重ねた結果、ようやく小リンパ球性リンパ腫という診断が下りました。これは慢性リンパ性白血病と同じ種類のがんですが、血液中には異常が出ず、リンパ節だけで増殖するという非常に希少なタイプでした。 診断時の状態は、横隔膜を挟んで上下のリンパ節が腫れているRai分類2期相当でした。しかし、当時の血液数値には異常がなかったため、すぐに治療を始めるのではなく無治療経過観察という方針が示されました。 がんだと宣告されながら治療をしないという状況に、当初は大きな不安を感じました。そこで、がん保険の付帯サービスを利用してセカンドオピニオンを受けることにしました。紹介された県外の病院の医師は非常に親身な先生で、私の疑問にすべて答えてくれました。この先生の意見を聞き、納得して経過観察を続ける覚悟が決まりました。

家族の未来を守るための起業を決断

病気がわかったとき、一番に考えたのは家族のことでした。当時、長男は高校2年生で大学進学を目前に控えていました。下の子はまだ小学生です。もし将来、治療で働けなくなったら、子どもたちの学費や生活費はどうなるのか。その不安が私を突き動かしました。 当初、私は「自分の体に投資する余裕はない。治療費を払うくらいなら、そのお金を子どもたちの教育費に回したい」とさえ考えていました。自分を犠牲にしても、子どもたちの進路を優先させることが親の役目だと思い込んでいたのです。しかし、家族を守るためには、自分自身が生き続け、稼ぎ続けなければなりません。 会社員として決まった時間に出勤することが精神的・肉体的に負担になっていたこともあり、私は独立を決意しました。自分の体調に合わせて柔軟に働ける環境を自ら作るためです。診断から約半年後、会社を退職して個人事業主としてスタートし、その後法人化しました。現在は従業員を雇い、万が一私が動けなくなっても仕事が回る体制を整えています。「家族のために生きる」という強い目標があったからこそ、この大きな決断ができたのだと思います。

治療による激しい頭痛と肝数値の異常により休薬

2024年の1月、数年間の経過観察を経て、血液数値に変化が見られたため、いよいよ治療を開始することになりました。入院してカルケンスとガザイバの併用療法が始まりました。 しかし、治療は一筋縄ではいきませんでした。カルケンスを飲み始めると、これまでに経験したことのない激しい頭痛に襲われたのです。医療用麻薬を使用しなければ耐えられないほどの痛みで、投与量を調整しながらの苦しい日々でした。 さらに追い打ちをかけたのが、ガザイバの初回投与時に起きた重度のアレルギー反応です。点滴を始めてすぐに血圧が40~50mmHgといった危険な数値まで急降下し、発熱も伴いました。結局、100mLを落とすのに朝から夜まで8時間近くかかりました。さらに、その翌日の検査では肝数値(AST、ALT、LD)が通常の数十倍にあたる1000 U/Lを超え、すべての投薬が一時中断となりました。 このとき、担当医からは指針通りに治療を再開すべきだという提案がありましたが、私は「まずは肝臓を休ませたい」と強く主張しました。経験の少ない担当医はマニュアル通りの進め方を重視しましたが、私は自分の体の悲鳴を感じ取っていました。この意見の対立は激しいものでしたが、最終的には担当医の上司にあたる教授が、私の希望を聞いてくれ、いったん休薬することになりました。

対話が生んだ医療者との信頼関係と現在の体調

医師と言い合う形にはなりましたが、自分の意思をはっきりと伝えたことで、結果として医療チームとの間に新たな絆が生まれたと感じています。数値だけを見るのではなく、1人の人間としての私の声を聞いてもらえたことで、治療に対する信頼感が増しました。 幸いなことに、初回に投与したわずか100mLのガザイバが劇的な効果を発揮してくれました。3月の検査結果では、血液検査の数値はすべて基準値内に収まり、あんなに腫れていた首のリンパの状況も劇的に改善しました。医師からは「これなら当面、追加のガザイバ投与は必要ないだろう」と言われ、現在は副作用の頭痛も収まり、カルケンスの服用のみで落ち着いた生活を送っています。 1年以上原因がわからなかった時期の不安、治療が中断したときの絶望感など、多くの困難がありましたが、諦めずに自分の体と向き合い続けて本当によかったと思っています。

数値だけを見るのではなく、1人の患者として向き合う医療を求めて

私が納得のいく先生を探し続けた背景には、最初の1年間、複数の医師から「大丈夫だ」と言われ続けたことによる医療への強い不信感がありました。紹介された血液内科の先生の中には、いわゆる「研究型」で、患者の顔を見ずパソコンの画面や検査結果だけを見て淡々と話す方もおり、相性の悪さを感じていました。 私は、数値だけを見て判断するような診断であれば、将来的にAIに取って代わられるのではないかとさえ感じたのです。医師との対話ができないことほど、患者にとって不安はありません。だからこそ、セカンドオピニオンで出会った先生や、今の大学病院の教授のように、患者の顔を見ながらプライベートな悩みまで私の言葉に耳を傾けてくれる「対話」を大切にする姿勢に、何よりも救われました。医療とは、データを与えるだけのものではなく、人と人が向き合い、共に作り上げるものだと強く実感しています。

これからがんと向き合う方へのメッセージ

今、がん治療をしている方にお伝えしたいことがあります。 自分の体の違和感を大切にしてください 検査数値が正常であっても、あなた自身が感じる「おかしい」という感覚は、何よりも正確な情報であることがあります。納得がいかないときは、複数の医師の意見を聞いたり、自分の症状を詳しく伝え続けたりすることをためらわないでください。 医療は医師と共に作り上げるものです 医師にお任せするだけではなく、対話を通じて共に治療方針を探っていく姿勢が大切です。自分の希望や不安を率直に伝えることで、結果としてより自分に合った、納得のいく医療を受けることにつながります。 生きるための目的を明確に持ってください 私にとって、それは家族の未来を守ることでした。その目的があったからこそ、困難な状況でも起業という挑戦ができ、治療を乗り越える力になりました。何か1つでもいいので、自分が前を向くための支えを見つけてほしいと願っています。
体験談 悪性リンパ腫 小リンパ球性リンパ腫

おすすめ記事

治験・臨床試験

一覧を見る

リサーチ・調査

一覧を見る

ニュース

一覧を見る

イベント

一覧を見る

動画

一覧を見る

体験談

一覧を見る

患者会

一覧を見る

電話受付:平日(月〜金)10:00-18:00

※オペレーターが受付いたします。内容に応じて専門のスタッフへおつなぎいたします。