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乳がんと大腸がん、「正しく知り、自分で選ぶ」2度のがんから学んだこと

[公開日] 2025.12.11[最終更新日] 2026.02.02

写真はイメージです。(AIによる生成)
プロフィール お名前:はっちさん(ニックネーム) 年代:50代 性別:女性 家族構成:1人暮らし 仕事:会社員 がんの種類:乳がん、大腸がん 診断時ステージ:乳がん(ステージ0)、大腸がん(ステージ3b) 診断年:乳がん(2021年)、大腸がん(2023年) 現在の居住地:大阪府
※本体験談は、患者さん個人の経験に基づくものです。治療の経過や副作用、生活への影響には、個人差があります。医療的な判断や治療方針の決定の際には、必ず医師・医療従事者にご相談ください。 はっちさんは、2021年に乳がん、その治療が落ち着いた矢先の2023年に大腸がんが見つかりました。2つのがんと向き合うことになりましたが、持ち前の探究心で治療法を学び、フルタイムの仕事を続けながら治療を乗り越えてきました。自分で決定し、自分の生活を守り抜いたはっちさんに、その経緯と当時の心境をお話しいただきました。

毎年受けていた検診で見つかったステージ0の乳がん

私が最初のがん、乳がんの告知を受けたのは2021年のことでした。毎年自主的に受けていた乳がん検診で、「石灰化がある」と指摘されたのが始まりです。最初のクリニックでは詳しいことまではわからず、紹介状を持って地域の総合病院へ行きました。しかし、そこには乳腺外科の専門医が常駐しておらず、さらに詳しい検査や入院手術をする設備が整っていないことがわかりました。 結局、その際に診ていただいた担当の先生が普段勤めている乳腺専門のクリニックへ転院することになり、そこでようやく乳がんと確定診断されました。 ただし、幸いなことにがんは乳管内にとどまっている「非浸潤がん」でステージは0でした。「手術すれば治りますよ」という医師の言葉に安堵したものの、石灰化の範囲が広かったため、乳房温存手術ではなく全摘手術を勧められました。 「全摘後の再建手術も保険適用になりますよ」と言われ、私はその場で全摘と同時再建を行うことを決めました。2021年の年末に告知を受け、年明けの1月には手術というスピーディーな展開でした。

セカンドオピニオンで決めた再建手術

手術までの間、少し冷静になって考えると「本当に全摘で再建まで決めてしまってよかったのか」という迷いが生じました。そこで、正月休みを利用してセカンドオピニオンを受けることにしました。 受診した有名なクリニックの先生は、私のMRI画像を見てこう言いました。「これを全摘手術だけで終わらせる(=再建手術をしない)と、目も当てられない状態になりますよ。絶対に再建をお勧めします」その言葉で迷いが吹っ切れました。結果的に、左胸の全摘手術を行い、その8か月後にインプラント(人工乳房)への入れ替え手術を行いました。 この時、想定外だったことが1つあります。それは「がん保険」のことです。私はしっかり保険に入っていたつもりでしたが、診断が「非浸潤がん(上皮内がん)」だったため、診断一時金が少額しか下りず、再建手術の費用も保障の対象外でした。「ステージ0でも全摘という大手術をするのに」という悔しさはありましたが、約款を正しく理解していなかった自分の落ち度でもあります。これから保険に入る方は、上皮内がんと悪性新生物の保険的な違い(保障内容)もしっかり確認することをお勧めします。

乳がん経過観察中に発覚した大腸がん

乳がんの治療は外科手術のみで終わり、放射線治療や薬物治療などもなく経過観察だけが続いていました。仕事も在宅勤務を活用し、スムーズに復帰できていたのです。  ところが2023年8月、乳がんの定期検診で血液検査をした際、腫瘍マーカー(CEA)の数値がわずかに上がっていると指摘されました。 「乳がんの転移ではないと思いますが、他の検査も受けてください」 主治医にそう言われ、私はすぐに胃内視鏡検査と大腸内視鏡検査を受けることにしました。元々便秘症だったこともあり、「もしかしたら大腸かも」という予感があったからです。 9月に受けた大腸内視鏡検査で、異常が見つかりました。「組織検査をしていないので確定診断はできませんが、大腸がんの可能性が高いです」そう告げられ、すぐに総合病院を紹介されました。紹介先の外科医からは「画像を見る限り、かなり進行しているようです。週明けすぐに受診してください。そのまま入院・手術になる可能性もありますので準備をお願いします」と電話がありました。 その週末は3連休でした。「進行している」という事実だけを突きつけられ、ステージも転移の有無もわからないまま過ごす3日間は、恐怖以外のなにものでもありませんでした。

「わからない」恐怖を「知る」ことで安心に変える

この3連休中に、私は徹底的にネット検索で情報収集をしました。乳がんの時は「治る」と言われていたのであまり調べませんでしたが、今回は違います。調べれば調べるほど怖い情報も目につきましたが、私は「正しく知って、正しく怖がりたい」と思うタイプなので、目を背けず知ることを選びました。 連休明けに入院し、改めて検査を行うと、幸いにも遠隔転移がないことがわかりました。「ステージ4ではない」とわかっただけで、心底ほっとしたのを覚えています。 手術は腹腔鏡で行われ、下行結腸を40cmほど切除しました。術後の病理検査の結果、リンパ節への転移が3個見つかり、最終的な診断は「ステージ3b」となりました。 ステージ4だったらどうしようという恐怖から始まり、「転移なし」「リンパ転移は3個」と、詳細がわかるたびに、不思議と気持ちが楽になっていきました。

自分のライフスタイルに合った抗がん剤治療を選択

ステージ3のため、再発予防の抗がん剤治療を行うことになりました。ここでまた、私は大きな選択を迫られました。 主治医から提案されたのは、飲み薬(カペシタビン)単独の治療でした。「治ることも大事ですが、副作用で生活の質を落とさないことも大事です」という方針の先生だったのです。 しかし、私は独身で一人暮らし。もし再発したら、頼れる家族はいません。「できることは全てやりたい」と考え、より強力な標準治療であるオキサリプラチンを併用する治療を希望しました。 そのため、ここでもセカンドオピニオンを受けることにしました。セカンドオピニオン先の医師もカペシタビンのみではなく、オキサリプラチンも併用する「XELOX療法」を推奨しました。 そのことを主治医に相談すると、「オキサリプラチンを併用する治療を受ける覚悟があるなら、FOLFOX療法にしましょう」と言われました。FOLFOX療法は、フルオロウラシルとオキサリプラチンを併用する治療法です。 私はそれぞれのメリット・デメリットを比較検討しました。XELOX療法は通院回数が少ない代わりに、大きな錠剤を2週間飲み続けなければなりません。私は嘔吐反射が強く、体調が悪い時に薬を飲むのが苦手です。一方、FOLFOX療法は48時間の持続点滴が必要ですが、CVポート(皮下埋め込み型ポート)を使えば、点滴をぶら下げたまま自宅で過ごせます。 私は「飲み薬の苦痛」よりも「点滴の手間」を選び、FOLFOX療法を選択しました。結果的に、在宅勤務をしながら点滴を行い、副作用も比較的コントロールできたため、この選択は私にとって正解でした。

予備知識は自分で納得した治療を選ぶための武器

振り返ってみれば、私は常に「納得すること」を大切にしてきました。医師の言うことをただ聞くだけでなく、自分でも調べ、疑問点は必ず質問しました。有料の医療相談サービス(Ask Doctors)を使って、主治医以外の専門家の意見を聞いたりもしました。予備知識があったからこそ、医師の説明がスムーズに理解でき、自分に合った治療法を選び取ることができたのだと思います。 また、医学的な情報だけでなく、同じ経験を持つ「患者さんの生の声」も大きな助けになりました。私は保険会社が運営する患者コミュニティサイトに登録し、乳がんの闘病中から活用していました。 大腸がんがわかった時も、すぐにコミュニティサイト内の大腸がんグループに参加し、同じような状況の方を探しました。ネット検索ではどうしてもネガティブな情報ばかりが目につきますが、コミュニティには「私も同じ診断を受けたけれど、今は大丈夫ですよ」と励ましてくれる先輩患者さんがいます。具体的な治療の体験談を相談したり、同じ境遇の仲間を見つけられたりしたことは、孤独感や不安を和らげるための大きな安心材料となりました。

仕事という日常が精神安定剤に

約4年間のがん治療を通じて、仕事を辞めずに続けられたことは大きな支えになりました。会社が治療に対して理解があり、乳がんの時も大腸がんの時も、フルリモートでの勤務を認めてくれたことには感謝しかありません。 入院中は社会から隔絶されたように感じましたが、退院してオンライン会議で同僚の顔を見た時、「自分の居場所に戻ってこられた」と実感しました。収入面の安心感はもちろんですが、仕事という「日常」があることが、精神的な安定剤になっていました。 現在は、大腸がんの経過観察中です。3年間の観察期間のうち、まだ道半ばですが、仕事も続けながら穏やかに暮らしています。また、がんになったことで、食生活や生活リズムを見直すきっかけにもなりました。 二度のがんを経験しましたが、私は決して不運だったとは思っていません。早期発見できたこと、自分らしい治療選択ができたこと、そして今もこうして日常を送れていることに感謝しています。

これからがんと向き合う方へのメッセージ

がんの告知を受けたとき、「まさか自分が」と誰もが思うはずです。私もそうでした。でも、過度に恐れる必要はありません。自身の経験から、以下のことをお伝えしたいと思います。 「がん」という言葉だけで絶望しないでください 以前は「ステージ4=末期」というイメージがありましたが、今は医療が進歩しています。正しく知り、正しく治療すれば、希望はあります。いたずらに怯えるのではなく、まずはご自身の状態を正しく知ることから始めてください。 「わからない」ことが一番の恐怖です 検査結果が出るまでの待機期間が一番不安かもしれません。しかし、詳細がわかれば対策が立てられます。疑問に思ったことは医師に質問し、納得して治療に進むことが、不安を減らす近道です。 検診は必ず受けてください 乳がんも大腸がんも、がん検診で見つかりやすいがんです。早期であればあるほど、治療の選択肢は増え、体への負担も軽くなります。どうか「自分は大丈夫」と思わず、定期的ながん検診を受けてください。 自分に合った治療環境を整えましょう 仕事や生活スタイルによって、最適な治療法は人それぞれ異なります。医師任せにするのではなく、自分の生活を守るために、どのような選択肢があるのかを相談し、情報を集めてみてください。
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