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25年ぶりの健診で判明した肺がん、「心配しても変わらない」というがんとの向き合い方

[公開日] 2025.11.27[最終更新日] 2026.01.14

写真はイメージです。(AIによる生成)
プロフィール お名前:B.Bunnyさん(ニックネーム) 年代:60代 性別:女性 家族構成:1人暮らし 仕事:自営業(フリーランス) がんの種類:肺がん 診断時ステージ:ステージ2B 診断年:2022年 現在の居住地:東京都
※本体験談は、患者さん個人の経験に基づくものです。治療の経過や副作用、生活への影響には、個人差があります。医療的な判断や治療方針の決定の際には、必ず医師・医療従事者にご相談ください。 フリーランスとして働くB.Bunnyさんは、平成の時代のほとんどを海外で過ごし、2019年に日本へ拠点を移しました。2021年末、日本で初めて受けた健康診断で肺に影が見つかり、精密検査の結果、2022年に肺がんステージ2Bと診断されます。長年の海外生活で培われた「自分のことは自分で解決する」というメンタリティで、診断から治療の選択、術後の生活まで、一貫して冷静かつ合理的に向き合った考え方についてお話しいただきました。

肺がんが見つかったきっかけは25年ぶりに受けた健康診断

私は大学卒業後、就職せずにフリーランスとして働き始め、その後イギリスに渡るなど、平成の時代のほとんどを海外で暮らしていました。海外では健康診断を定期的に受ける習慣がなく、日本に戻るまで25年間、一度も受けたことがありませんでした。 2019年、コロナ禍が始まる直前に日本に拠点を移すことになり、帰国。イギリスでは受けたことがなかった健康診断の案内が自治体から届いていました。しかし、コロナの影響もあって先延ばしにしていました。2021年、「そろそろ健康診断を受けなくては」と重い腰を上げて、12月に近所のクリニックで健康診断を受けました。 健診の結果は年明けと言われていたのですが、翌日、「すぐに来てください」とクリニックから電話がありました。クリニックの先生は「すぐにCT検査を受けてください。その結果次第では大きな病院を紹介することになります」と告げられました。 正月が明け、すぐにクリニックで紹介された放射線専門のクリニックでCT検査を受けました。検査の結果を見て「やはり肺がんの疑いがあるので、大きな病院でしっかり見てもらってください」と、自宅から近い総合病院を紹介してくれました。 総合病院では肺がん専門の先生に診ていただきました。当時はコロナ禍の真っただ中でしたが、そのおかげか検査の予約が空いており、毎週のようにCT、MRI、PETなどの精密検査がスムーズに進みました。「こんなにスムーズに検査が受けられるのは強運の持ち主だね」と言われるほどでした。 クリニックの先生も総合病院の先生も、私に診断を伝える際は非常に言葉に気をつけてお話しされているのがわかりました。ですが、私自身は自覚症状が全くなかったこともあり、不思議なほど動じていませんでした。そして2022年2月の半ば、最終的に「肺がん、ステージ2B」という確定診断を受けました。

ライフスタイルを考慮してくれた治療方針

先生からは、治療方針として「手術しましょう」と提案されました。まだステージが2Bで、手術が可能な段階だったのです。私も「お願いします」と即決しました。 先生は「できるだけ早く」というスピード感でした。しかし、私はフリーランスで働いていたため、確定申告をしなければならない時期でした。そのため「確定申告が終わってからにして欲しい」とお願いし、手術は3月の半ば過ぎに決まりました。 自覚症状は全くなく、仕事は普段通り自宅でできていました。入院は1週間と聞いていたので、その期間だけエージェントに連絡し、仕事の引継ぎを済ませました。基本的に自宅作業なので、入院期間以外、仕事への大きな影響はありませんでした。 3月半ば過ぎに予定通り入院し、手術は無事に終わりました。術後は多少の息切れや、1日に1時間ほど横になる時間は必要でしたが、予定通り1週間で退院できました。 手術は成功しましたが、これで終わりではありませんでした。術後に切除したリンパ節を詳しく調べた結果、転移が見つかったのです。そのため、再発予防のための術後治療が必要と説明されました。 当初、一般的な抗がん剤治療になるだろうと言われていました。私は一人暮らしですし、副作用で仕事に支障が出るのは避けたいと思っていました。抗がん剤治療が始まれば脱毛なども想定されると聞き、ウィッグの専門店の紹介も受けていたほどです。 その時、担当医は、私が一人暮らしでフリーランスとして働いており、副作用への懸念があることを深く考慮してくださいました。そして、当時まだ術後治療薬としては承認されたばかりの分子標的薬を提案してくださったのです。 ただし、この薬が使えるかどうかは、がん遺伝子検査をしてみないとわかりませんでした。費用もかかると言われましたが、私は迷わず検査をお願いしました。結果、私の場合はこの薬が適合する遺伝子変異が見つかったのです。 もちろん、治療による副作用が全くないわけではありません。手術の後遺症である肋間神経痛は今も続いており、痛み止めの薬を飲んでいます。 分子標的薬の副作用としては、「皮膚の乾燥」「爪が割れやすくなる」「突然襲ってくる下痢」などがあります。ただ、これらは抗がん剤で想定されていた副作用に比べれば軽いもので、外見に大きな変化もありません。仕事や日常生活に深刻な影響はなく、周囲の人に言わなければ気づかれない程度です。幸い、最近は薬の量が半分になり、それらの副作用もかなり落ち着いてきました。

日本の医療制度と経済的な備えで治療に専念

今回のがん治療を通じて、日本の医療制度の素晴らしさを痛感しました。 私は診断されるまで、がんに関する情報をネットで調べることはしませんでした。情報が氾濫していて何を信じていいかわからなかったですし、信頼できる先生に出会えたので、先生のご著書を読む程度にとどめ、あとは全てお任せしようと決めていました。 経済的な面でも、先生が早い段階で「高額療養費制度」について教えてくださったので助かりました。実際、1週間の手術入院で病院から届いた請求額は数百万円という金額でしたが、この制度のおかげで自己負担は上限額ですみました。 私は長年イギリスに住んでいましたが、日本の医療の質の高さ、アクセスの良さ、そして国民皆保険によるセーフティネットの手厚さは、世界でもトップレベルだと実感しました。 また、経済的な負担についても、私は本当に幸運でした。分子標的薬は非常に高価で、高額療養費制度を使っても月4万4000円の負担が続きます。先生からは「経済的な理由で、本当はこの薬が適していても抗がん剤治療を選ぶ患者さんもいます」というお話も伺いました。 私の場合は、海外在住時から民間の医療保険に加入していました。この保険のおかげで、毎月の薬代の負担(4万4000円)がほぼ相殺され、経済的な心配をせずに治療に専念できています。

私が「がん」と言われても動じなかった理由

周りからは、診断時から一貫して「本当に動じていない」と驚かれました。私自身、なぜかと聞かれると「性格」としか言いようがないのですが、いくつか理由があると思っています。 一つは、「心配しても結果は変わらない」という考え方です。検査を受けている最中に私がどれだけ心配しようと、結果が良くなるわけではありません。それならば、悩む気持ちが生まれること自体を避けたいと考えます。 もう一つは、皮肉なことですが「家族がそばにいなかった(一人暮らしだった)」ことです。もし家族がいたら、術後の痛い時やつらい時、「痛い」と素直に言えず、我慢してしまったかもしれません。心配をかけたくないからです。一人だったからこそ、1時間横になりたいと思えば気兼ねなく横になれました。 長年、海外で仕事をし、一人で生活してきた経験が、良くも悪くも「自分のことは自分で解決する」というメンタリティを育てていたのだと思います。

がんと冷静に向き合うための心のよりどころは、気の置けない友人たちの気遣い

私の親戚には、がんを経験した人が何人かいました。いとこ世代にも治療をして、その後ケロっと元気に暮らしている人がいたので、「がん=死」とは全く結びつきませんでした。 診断がついて手術日が決まると、仕事関係者、ロンドンの親友、そして万が一の時に駆けつけてくれる親戚など、本当に身近な20人足らずの人たちには「業務連絡」としてすぐに伝えました。 友人たちは私の性格をわかってくれていて、しんみりするどころか、入院前日には「1週間お酒が飲めなくなるから」と、「前祝い」と称して飲み会を開いてくれました。退院後も、友人たちと食事をするときはさりげなく禁煙のお店を選んでくれたり、自宅でお酒を一緒に飲もうというときは、美味しいものを持ってきてくれたりしました。 私にとって今回のがん体験は、初めての「病院体験」でもありました。病院のデザイン、最新の医療器具、看護師さんたちの働き方、個性的な麻酔科の先生、全てが興味深く、退院後はその「入院観察記」をネタに、友人を呼んではお酒を飲み、笑い話として披露していました。 また、病気になったことで、これまで縁がなかったボランティア活動も始めました。あまりに幸運な経過をたどったので、「バチが当たっては大変だ」と思ったのがきっかけです。私は動物が好きなので、セラピードッグの育成や殺処分を減らす活動をしている団体で、自分の専門であるデザインのスキルを活かしたお手伝いをしています。 再発への不安を尋ねられることもありますが、それも心配しても仕方のないことです。きちんと薬を飲み、定期検査を受け、あとは先生にお任せするだけです。感情に流されず、今できる楽しいことを見つけて淡々と向き合っていく。それが、私ががんという病気と向き合う方法だったのかもしれません。

これからがんと向き合う方へのメッセージ

私の体験が全ての方に当てはまるとは思いませんが、今がんと向き合っている方にお伝えしたいのは、「気持ちまで病気に支配されないで」ということです。 肉体的な苦痛がないのなら、過度に心配しないようにしましょう。 もちろん、痛みや苦しさがある時は別です。しかし、まだ起きてもいない未来の再発などを心配しすぎても、結果は変わりません。私は「心配しなくていいことは心配しない」と決めていました。 信頼できる先生を見つけたら、治療は先生にお任せするくらいの気持ちを持ちましょう。 自分で情報を集めすぎると不安が増すこともあります。信頼できる先生を見つけたら、その先生を信じて治療に専念するのが良いと思います。 治療は自分ではできませんが、気持ちのコントロールは自分でできます。 病気になったことで、できないことはあるかもしれません。でも、「気持ちの持ちよう」は自分でコントロールできます。食事制限がないなら美味しいものを食べる、友人と話すなど、できる範囲で楽しいことを続けることが大切です。 前向きな患者でいましょう。 これは私の実感ですが、くよくよしている患者さんよりも、ケロっとしている患者さんの方が、医師や看護師さんも接しやすく、より良い関係が築けるのではないでしょうか。周りも応援しやすくなると思います。
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