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胃がん手術後にステージ4が判明、2年5か月の治療を支えた「正しい情報」と家族の存在

[公開日] 2025.11.25[最終更新日] 2026.01.20

写真はイメージです。(AIによる生成)
プロフィール お名前:Dongurigorogoroさん(ニックネーム) 年代:60代 性別:男性 家族構成:妻と子ども2人との4人暮らし 仕事:会社員 がんの種類:胃がん 診断時ステージ:ステージ3 診断年:2023年 現在の居住地:大阪府
※本体験談は、患者さん個人の経験に基づくものです。治療の経過や副作用、生活への影響には、個人差があります。医療的な判断や治療方針の決定の際には、必ず医師・医療従事者にご相談ください。 2023年に胃がんの診断を受けたDongurigorogoroさん。当初ステージ3と診断されましたが、手術後に腹膜播種が判明し、ステージ4と告知されました。現在は抗がん剤治療を続けながら、仕事と治療を両立されています。診断からの経緯、副作用との向き合い方、家族の支えについてお話しいただきました。

突然のがん告知と、判断基準のないなかでの病院選択

2023年の春、みぞおちの左側あたりに痛みが続いていました。気になって近所のクリニックを受診し、胃内視鏡検査を受けることにしました。医師からは「4cmぐらいの胃潰瘍があります。一応、組織検査に出しますね」と言われ、その時は軽い気持ちでいました。 しかし、2023年5月1日、検査結果を聞きに行くと、医師から告げられたのは「胃がんでした」という言葉でした。「4cm」という大きさが頭に残り、「もうだめかもしれない」とひどくうろたえたのを覚えています。 動揺する私に、クリニックの医師は「紹介先として、大学病院とがん専門病院がありますが、どっちにしますか?」と言いました。 自分ががんになるなんて想像もしていませんでしたから、どちらの病院が良いかなど判断基準が何もなく、本当に迷いました。その場で妻にも電話で相談しましたが、妻もわかるはずがありません。結局、「近いから」という理由だけで大学病院を選びました。後からネットで調べると、がん専門病院の方が胃がんの手術数が10倍近く多いと知り、受診の直前まで「変えた方がいいのではないか」という迷いはありました。

ステージ3から、手術後「ステージ4」に診断変更

2023年5月8日に大学病院を受診し、精密検査の結果、診断は「ステージ3」。5月15日には治療方針が確定し、「胃の上部1/3を切除する手術」と説明されました。ステージ3ではありましたが、「手術ができる。まだ大丈夫」と、少し前向きに捉えられたのを覚えています。セカンドオピニオンを受けるという考えは、当時は全く思い浮かびませんでした。 同年5月31日に手術を受けましたが、術後の入院中に医師から「残念なお知らせです。ステージ4でしたので、できるだけ早く抗がん剤治療をした方が良いです」と告げられました。説明によると、腹膜播種が見つかり、腹水にもがん細胞があったそうです。

正しい情報と家族の支えが闘病の力に

最初の告知ではあれほど動揺したのに、ステージ4と告げられた時は、不思議と落ち込みは少なかったです。診断後に自分なりに調べる中で「ステージ4でも助かっている人がいる」という情報を得ていたこと、そして何より家族の支えが大きかったと思います。 特に食事面では、本当に妻には助けられました。胃を切除してからは一度に食べられる量が減り、よく咀嚼しないと飲み込めないため、妻の協力は不可欠でした。子どもは2人とも社会人になっていましたが、診断を伝えたゴールデンウィーク中、一緒にバーベキューに行った時など、とても優しくケアしてくれました。 また、後でわかったことですが、私が受けた手術は、「噴門部(胃の入り口)側を切除した代わりに仮の弁のようなものを作る」というその大学病院独自の術式だったようです。医師から「ホームページに書いてあるけど見ていませんでしたか?」と言われ、初めて知りました。何もわからずに選んだ病院でしたが、この手術のおかげか、胃の入り口を切除したにもかかわらず、食事後の逆流もなく助かっています。これは本当に「不幸中の幸い」だったと思っています。

3剤併用療法と治療薬ごとの副作用

退院後の6月19日から、抗がん剤治療が始まりました。私の場合は、ニボルマブ、オキサリプラチン、S-1の3剤併用療法です。 さまざまな副作用が出ました。 オキサリプラチンの副作用は、「冷感しびれ」が特徴的でした。冷たいものに触れるとしびれるだけでなく、体温との温度差があるもの、例えば40度のお風呂に入っても「冷たい」と感じるようなしびれが出ました。 手足のしびれは、今もまだ残っています。また、オキサリプラチンと同時に投与される吐き気止めがきつく、便秘になりました。そのせいで硬い便が出て、痔(血豆)も2回発症してしまいました。 オキサリプラチンは約1年1か月(15回目)続けたところで、点滴中に強いかゆみが出ました。すぐに看護師さんに伝えたところ、医師も集まってきて一時騒然となりました。アナフィラキシーショックを懸念されたようです。これを機に、オキサリプラチンは中止となりました。 2024年2月、ニボルマブの深刻な副作用が出ました。定期受診の前日あたりから体がだるいなと感じていたのですが、当日の血液検査でナトリウム(Na)の値が異常に低いことが判明したのです。すぐに内分泌内科に回され、「このままでは危険な状態」と緊急入院になりました。 原因は、ニボルマブの影響で脳の下垂体からのホルモン(ACTH)が出なくなるというもので、これは元に戻らないことが多い「不可逆反応」だと説明されました。以来、ホルモンを補充するための治療をしています。 S-1は、粘膜への影響が大きく出ました。服薬1週目の後半から2週目にかけて胃腸の調子が悪くなり、食事量が減ってしまいました。その結果、手術前に73kgあった体重が、現在は50kgまで減ってしまいました。また、口内炎や鼻炎、蓄膿症も発症しました。 副作用が出ても我慢してしまう患者さんもいると聞きますが、私は治療の記録をつけ、自分の症状をできるだけ正確に医師に伝えるように心がけています。それが適切な診断と治療につながると信じているからです。

「勉強不足」と感じた医師と自分との知識のギャップ

がんを宣告されてから、インターネットや本でさまざまな情報を夢中で調べました。中には民間療法に関するものもあり、主治医に「こういう療法と抗がん剤を併用するといいと聞きましたが、どうなんでしょうか?」と尋ねてみたことがあります。 しかし、医師の答えは「エビデンス(科学的根拠)はありませんね」「もしそれが本当に効果があるなら、標準治療となっています」と言われました。 この時、医師と自分との間にある知識のギャップを痛感し、「勉強不足だな」と反省しました。それ以降、あいまいな情報に振り回されるのではなく、エビデンスのある確かな情報を自分で取捨選択するように努めています。

仕事と治療の両立、知らなかった支援制度

会社には、診断後すぐに上司に報告しました。入院は有給休暇で対応しました。退院後も抗がん剤治療が続いていますが、会社は非常に協力的で、私の体調を最優先に考えてくれています。通院日や、副作用で体調が悪い時は、在宅勤務に切り替えたり、朝10時からの時差出勤をさせてもらったりと、柔軟な対応にとても助けられています。 経済的な面では、ニボルマブが高額なこともあり、「高額療養費制度」を利用しています。しかし、診断された当初、私はそうした制度のことをよく知りませんでした。たまたま、ご主人が病気をされた経験のある会社の友人が、「こういう制度があるから使った方がいい」と教えてくれて、初めて知りました。 がん拠点病院には「がん相談支援センター」という場所があることは知っていましたが、そこは治療法に関する相談場所だと思い込んでいました。まさか、高額療養費制度のような金銭面や、生活全般の相談もできる場所だとは、知りませんでした。

「生存率」などのデータの意味と考え方

治療開始から2年5か月、抗がん剤治療は続いていますが、幸いなことに、今のところ再発や転移の兆候はありません。 ただ、主治医からは「この先どうなるかは、誰にもわかりません」と言われています。治療がいつまで続くのか、オキサリプラチンの副作用で残った手足のしびれは本当に治るのか、そうした不安は常にあります。 胃がんステージ4の5年生存率は、私が見たデータでは14%ほどでした。しかし、私は「100人中86人が亡くなる」ではなく、「100人中14人も生きているのか」と捉えています。ステージ4といっても、私のように腹膜播種だけの人から、遠隔転移している人までさまざまです。また、ある大学が出しているデータで、「1年生存すると生存率が30%に上がる」「3年生存すると50~60%に上がる」というグラフを見たことがあります。こうしたデータは、「自分もそこに乗れるように頑張ろう」という大きな励みになっています。 生存率などのデータを見ると不安になるかもしれません。でも、それは「生きている人がこれだけいる」という希望の数字でもあります。統計データを、ご自身の治療への励みにしてほしいと思います。

これからがんと向き合う方へのメッセージ

今がんと向き合っている方に、お伝えしたいことがあります。 症状は我慢せず正確に伝えてください。 副作用や体調の変化は、我慢せずに医師や看護師に正確に伝えることが、適切な治療につながると思います。 情報に振り回されないでください。 不安から、自分に都合のいい情報に飛びつきたくなる気持ちはわかります。しかし、中にはエビデンスのない情報もあります。医師と相談しながら、自分にとって正しい情報を見極めてほしいと思います。 利用できる制度やサービスは利用しましょう。 高額療養費制度など、患者を支える制度はたくさんありますが、その多くは「申請主義」です。自分から情報を調べたり、周囲に相談したりすることが大切です。がん拠点病院にある「がん相談支援センター」も利用してください。私のように、治療以外の相談(金銭面や生活面)ができると知らずにいる方も多いかもしれません。ためらわずに活用してほしいと思います。
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