写真はイメージです。(AIによる生成)プロフィール
お名前:bunnyblueさん(ニックネーム)
年代:60代
性別:女性
家族構成:一人暮らし
仕事:会社員
がんの種類:子宮体がん(明細胞がん)
診断時ステージ:ステージ1A
居住地:埼玉県
診断年:2022年
※本体験談は、患者さん個人の経験に基づくものです。治療の経過や副作用、生活への影響には、個人差があります。医療的な判断や治療方針の決定の際には、必ず医師・医療従事者にご相談ください。
2022年、bunnyblueさんはごく少量の不正出血をきっかけに婦人科クリニックを受診。精密検査の結果、子宮体がんの中でもまれな「明細胞がん」のステージ1Aと診断されました。早くがんを取り除きたい一心で手術に臨み、術後は抗がん剤治療も経験されましたが、重い副作用により2回で中止するという決断をされます。診断から治療、そして後遺症と向き合う現在についてお話しいただきました。
発端はごく少量の茶色いおりもの
私ががんの可能性に気づいたきっかけは、本当にごく少量の茶色いおりものでした。ペーパーで拭いたときに付着する程度でしたが、2週間ほど続いたとき「なんだか嫌な予感がするな」と感じ始めました。
しかし、人間は認めたくないことがあると、つい見て見ぬふりをしてしまうものです。私も「まさか自分が」という気持ちがあり、そこからさらに2週間ほど放置してしまいました。
看護師の友人の一言でクリニックへ
そんな中、看護師をしている友人に「実はこういう症状があるんだけど」と相談してみました。すると、友人は「すぐに婦人科に行かなきゃだめよ」と言いました。その言葉に背中を押され、ようやく病院へ行く決心がつきました。
受診先に選んだのは、インターネットで口コミの良さそうな、少し離れた場所にあるクリニックでした。そこで超音波検査を受けたところ、医師から「ポリープのようなものがありますね」と言われました。今思えば、その時点で既に悪性の腫瘍だったのだろうと思います。医師からは「すぐに大きな病院で診てもらってください」と言われました。
総合病院での検査と「明細胞がん」の告知
紹介先は、自宅から近い場所にある総合病院でした。そこで最初に対応してくれたのは、研修医を終えたばかりのような、本当に若い女性の医師でした。しかし、その先生がとても機転を利かせてくださり、その日のうちに細胞診、CT検査、腫瘍マーカーの採血まで進めてくれたのです。MRI検査だけは当日は無理とのことで、最短で予約が取れた3日後に受けることになりました。
詳しい検査結果が出るまでには10日から2週間ほどかかると言われていたのですが、比較的早く細胞診の結果が出ました。医師から告げられたのは、「子宮体がん」であること、そしてその中でも「明細胞がん」ということでした。
明細胞がんは子宮体がんの中でもごくまれな組織型で「進行が早く悪性度が高い」とされているという説明を受けました。それを聞いた瞬間、「早く取ってもらいたい」「早く手術がしたい」という気持ちが強く湧き上がってきました。
「早く取りたい」一心で決めた手術
クリニックを最初に受診したのが2022年4月の上旬、総合病院を受診したのがその翌週で、手術日は5月20日に決まりました。診断から約1か月半後のことです。
明細胞がんは進行が早いと聞いていたので、とにかく「体の中に1秒でも残しておきたくない」という思いでいっぱいでした。手術までの間、本当に不安な日々を過ごしました。
手術は、子宮全摘出と両側付属器(卵巣・卵管)の切除、さらに骨盤リンパ節郭清、大動脈リンパ節郭清、そして大網の切除も行うという、かなり大規模なものになりました。
手術で取り除いた組織の詳しい病理検査の結果、がんは子宮の筋肉の層には浸潤しておらず、腫瘍の大きさも2cmと小さめでした。腹水も陰性、切除したリンパ節や大網への転移も認められませんでした。最終的な診断は、ステージ1A。非常に早い段階で見つかったとのことでした。
しかし、組織型が明細胞がんであるという理由から、主治医からは「念のため、抗がん剤治療もやった方がいい」と勧められました。
重い副作用と2回で中止した抗がん剤
術後の抗がん剤治療は、私の体質には合いませんでした。
1回目の投与の時から、手足のしびれが強く出始めました。さらに深刻だったのは、投与の途中で目が覚めたら、目がパンパンに腫れ上がり、右目の視力がほとんどなくなってしまったことです。総合病院だったので、すぐに眼科も受診しました。眼科医からは「もし2回目も同じ症状が出たら、抗がん剤はやめましょう。別のものに変えましょう」と言われました。
幸い、2回目の投与では目の腫れは出ませんでしたが、手足のしびれはさらに強くなり、足までしびれるようになってしまいました。また、1回目の副作用で低下した視力は元に戻らず、点滴を受けた腕の血管は硬くなってしまいました。
3回目の治療を前に主治医に相談すると、「3回目をやれば、しびれは今よりもっと強く出ます」と言われました。私は3回目までは頑張ろうかと思っていたのですが、主治医から「6回までやらないのなら、2回でやめても3回でやめても同じです」という説明があり、私は抗がん剤治療を2回で中止することを決断しました。
しびれだけでなく、筋肉痛もひどかったですし、髪の毛もあっという間に抜けました。吐き気は幸い軽く済みましたが、抗がん剤という治療自体に、私自身が強い拒否反応を示していたのだと思います。「あれはもう本当にやりたくない」と、心から思いました。
仕事と治療の両立、職場のサポート
私は会社員として働いていますが、診断当時は、コロナ禍の影響で在宅勤務の体制がかなり整備されていました。私自身、がんになる前から腰痛を理由に「週3回在宅・週2回出勤」という勤務形態を許可してもらっていました。
がんだと確定診断が出た日、病院からの帰りにすぐに会社の上司に報告しました。手術と療養のためにまとまった休暇が必要になることを伝えると、幸いにも私の職場は、産休や病気休暇などに非常に理解があり、「治療に専念してください」とすぐに休職を認めてくれました。
5月下旬の手術から入院・療養期間を経て、抗がん剤治療が始まる頃に一度復職しました。治療中は、8月は副作用を見越して完全に休職し、9月と10月は「完全在宅勤務」という形で配慮してもらいました(月に2回ほど、様子見のために出勤はしましたが)。
治療と仕事を両立する上で、会社の理解と周囲のサポートには本当に助けられました。この点は非常に恵まれていたと感じています。
情報が少ない「明細胞がん」との向き合い方
子宮体がんと診断されてから、とにかく情報を集めようとインターネットで検索を繰り返しました。「子宮体がん」の情報はたくさん出てくるのですが、「明細胞がん」と絞り込むと、途端に情報が少なくなるのです。
数少ない情報を読み漁る中で、医師が発表している論文や、大学病院が出している症例報告なども見つけました。ある大学病院の報告では、10年間で明細胞がんの症例は十数例しかない、といった記述もあり、本当にまれな病気なのだと実感しました。
私の場合はステージ1Aで、かつ広範囲に切除する手術を受けたので「きっと取り切ってもらえているはずだ」と自分に言い聞かせ、それが安心材料になっていました。
セカンドオピニオンを受けなかった後悔
今振り返って後悔しているのは、セカンドオピニオンを受けなかったことです。
当時は「がんが体にあるのが気持ち悪い」「早く取りたい」という焦りが全ての判断に勝っていました。病院を選んだ理由も「家から近くて通いやすい」という利便性が大きかったです。
病院を変えて、また検査を一からやり直し、手術が何か月も先になってしまうのは耐えられないという思いが強かったのです。
もちろん、早く手術ができたこと、結果として初期で見つかったことには安心しています。ですが、手術で後遺症が残ったことや、抗がん剤の副作用がひどかったことを考えると「もっとちゃんと調べて、他の治療法や病院も検討すればよかったかな」という思いが今でもあります。
手術の後遺症と、趣味のテニスへの思い
抗がん剤治療は7月に終えましたが、今も残っているのが手術の後遺症です。手術の際に神経が損傷したようで、特に左足に力が入りにくくしびれも残っています。
術後しばらくは痛みもひどく、最寄りの駅まで歩くのにも、途中で休憩を挟まないと大変でした。
私にはテニスという趣味があるのですが、この足の状態では、コートで走ることができず、まだ本格的な復帰はできていません。しかし、徐々に回復してきているので壁打ちなどで感覚を取り戻しながら、来月あたりから少しずつでも再開したいと思っています。テニス仲間も待ってくれていますから。
「喉元過ぎれば熱さを忘れる」と言いますが、がんになったという事実を忘れず、これからは再発予防のために食生活や運動に気を付け、免疫力を上げていくことが何より大事だと考えています。自分でできることとして、健康管理をしっかり続けていくつもりです。
これからがんと向き合う方へのメッセージ
私の体験から、これからがんと向き合う方、特に女性の皆さんにお伝えしたいことがあります。
体の異常を放置しないでください。
私の場合、ごく少量の不正出血(おりもの)がサインでした。「これくらい大丈夫」と思わず、どんなに小さな変化でも、続いた場合は必ず病院へ行ってください。
「忙しい」を理由に後回しにしないでください。
私も最初は仕事の忙しさなどを理由に受診をためらいました。あの時、看護師の友人が背中を押してくれなければ、もっと進行していたかもしれません。
定期検診を過信しないでください。
私は毎年、子宮頸がんの検診は受けており、異常はありませんでした。しかし、一般的な婦人科検診(子宮頸がん検診)では、子宮体がんまではわかりません。
更年期世代こそ、婦人科検診を受けてください。
年齢を重ねると、つい婦人科から足が遠のきがちになるかもしれません。しかし、子宮体がんなどはまさにその年代に多い病気です。「おかしいな」と思ったら、ためらわずに婦人科を受診してほしいと思います。