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高血圧で判明したステージ4の腎臓がん、正しい情報を共有できる仲間が病気と闘う力に

[公開日] 2025.11.11[最終更新日] 2026.01.05

写真はイメージです。(AIによる生成)
プロフィール お名前:ななちゅけさん(ニックネーム) 年代:50代 性別:女性 家族構成:夫と子ども三人との五人家族 仕事:会社員 がんの種類:腎臓がん 診断時ステージ:ステージ4 居住地:大阪府 診断年:2017年
※本体験談は、患者さん個人の経験に基づくものです。治療の経過や副作用、生活への影響には、個人差があります。医療的な判断や治療方針の決定の際には、必ず医師・医療従事者にご相談ください。 43歳の時、コントロール不能になった高血圧の精密検査で腎臓がんが見つかったななちゅけさん。その時にはすでに肺や膵臓など多臓器に転移があるステージ4でした。手術はできず、すぐに薬物療法が開始されます。主治医から提案された「治験」への参加を決意し、副作用と向き合いながら治療薬を3回変更しながら8年間治療を続けています。診断時から、いかにして情報を集め、医師と関係を築き、治療を継続してきたのか、その経験をお話しいただきました。

腎臓がん診断のきっかけは「コントロール不能の高血圧」

私ががんだとわかったのは2017年、43歳の時のことでした。きっかけは、高血圧です。3人目の子どもを産んだ後から血圧が高くなり、出産した大学病院の循環器内科で血圧コントロールをしてもらっていました。 ところがある時、薬を飲んでも血圧がまったく下がらなくなってしまったのです。「これはおかしい」ということで、原因を調べることになりました。腎臓付近で雑音がすることから腎動脈狭窄の可能性を疑われ、腎臓付近の超音波検査を受けました。 その結果、腎臓に大きな腫瘍が見つかったのです。

手術予定から一転、ステージ4の告知

すぐにCT検査を受け、画像を見た循環器内科の先生から「明らかに腫瘍です。泌尿器科に行ってください」と言われ、泌尿器科を受診しました。 泌尿器科の先生も画像を見て、「これは悪性腫瘍の可能性が高いですね」との診断でした。ただ、その時のCTでは転移は見当たらなかったので、「左側の腎臓を全部取りましょう」と、手術の方針が決まりました。 しかし、手術のために受けた造影CT検査で、状況は一変しました。 左側の腎臓だけでなく、右側の腎臓、さらに肺と膵臓にも転移が見つかったのです。両方の腎臓に腫瘍があり、かつ多発転移しているため、手術は中止となり、腎機能を温存しつつ、薬物療法で治療していくことになりました。

家族への報告と夫のサポート

最初に悪性腫瘍と告知された際には、夫も同席してくれていました。血圧が急上昇した時からずっと心配してくれていた夫は、私の腎臓に腫瘍があるとわかってから、副腎の褐色細胞腫なども含め、病気について一生懸命調べてくれていました。 転移がわかった時は、「もう自分は長く生きられないかもしれない」と思いました。当時は育児勤務中で、一番上の子が中学3年生、真ん中が中学1年生、一番下が小学校1年生になったばかり。そのため夫と話しながら、よく泣いていました。 子どもたちには隠さずに「がんだった」と伝えました。ところが、子どもたちの反応は驚くほどあっさりしたものでした。「あ、そうなんだ。でも、がんは治るんでしょ?」という感じで、誰も泣いたり心配したりしませんでした。正直、「もっと心配して欲しい」と、がっかりしたくらいです。 後日、「気にしてないふりしてたけど、心配してたよ。あまり考えないようにしてた」ということを聞き、そんな子どもの気持ちを汲み取ることができなかったことを申し訳なく思っています。 でも今思えば、子どもたちがそれぞれの生活を崩さず、普通に接してくれたことは、結果的に良かったのかもしれません。母親ががん患者だからといって、何かを我慢させたり、悲しませたりしたくはありませんでした。 治療が始まると、副作用で朝起き上がれない日もありました。その間、夫はフルタイムで働きながら、子どもたちの学校の準備など、家のことを全てやってくれました。もともと共働きで家事は分担していましたが、夫のサポートには本当に助けられました。 職場には、最初は「手術で1か月ほど休みます」と伝えていましたが、転移がわかって状況が変わったため、「長く生きられるかわからない」と、正直に話しました。幸い会社の制度が整っていたため、まずは休職制度を利用して3か月休み、その後は療養勤務制度を使って時短で仕事を続けています。

「新しい治療」への期待を込めた治験参加

薬物療法に方針転換した2017年当時、腎臓がんの治療は分子標的薬が主流になってきた頃でした。主治医からはスーテントやインライタといった薬の選択肢を提示されました。 同時に、「ちょうど今、治験を行っているので参加してみないか」と提案されました。それは「バベンチオ」と「インライタ」を併用する第3相試験でした。 先生が「この治験に参加している私の患者さんで、体の外からでもわかるほどの大きな腫瘍が、見えなくなるくらい小さくなったケースがある」と話してくれたのです。 その話を聞いて「ぜひ、その治験を受けたい」と即決しました。新しい治療への期待が大きかったですし、もし治験薬でない群に当たったとしても、標準的な治療が受けられるので、デメリットはないと判断しました。 その後、腎生検などのスクリーニング検査を経て、無事に治験を開始することができました。この一次治療は私に非常に合っていたようで、腫瘍は縮小し、効果は約4年間も続きました。

治療法の変遷と新薬への挑戦

4年後、残念ながら薬が効かなくなり、再び腫瘍が増悪しました。そこで二次治療として、分子標的薬の「カボメティクス」という薬に移りました。これも当時、比較的新しい薬でした。幸い、カボメティクスも効果があり、約4年間治療を続けることができました。 そして、その効果も切れてきた頃、タイミングよく承認されたばかりの新薬「ウェリレグ」の情報を得て、三次治療として現在使っています。 一次治療、二次治療と、効果が長く続いてくれたおかげで、次の新しい薬の登場を待つことができました。新薬が使えることは本当に希望です。 一方で、新薬を使うということは「これが効かなくなったら、次はどうなるんだろう」という不安が常につきまといます。そのため、今使っている薬が効かなくなった時に、また次の選択肢があることを願いながら治療を続けています。

患者会で得た「正しい情報」と「同じ病気の仲間」

診断当初、私は病気に関する正しい情報にたどり着くのに苦労しました。ネットで検索しても、古い情報や真偽不明な情報が溢れていて、何を見たらいいのかわからなかったのです。 転機になったのは、診断後に始めたブログでした。治験のことを発信していると、それを見た方から「腎臓がんの患者会がありますよ」と、声をかけていただいたのです。診断から半年後のことでした。 患者会に参加して得られたものは、本当に大きかったです。 一つは、治療に関する正しい知識と情報です。同じ病気の仲間が今どんな薬を使っていて、次にどんな薬の選択肢があるのか、いわば治療の「ロードマップ」を知ることができました。4年間薬が効いている間も、「万が一これが効かなくなっても、次はあの薬がある」と思えたことは、心の支えになりました。 そして何より大きかったのは、副作用への具体的な対処法を共有できたことです。例えば、手足症候群に対しては、病院では「ヒルドイドを塗っておいて」と言われる程度ですが、それだけではとても対処できないほどひどくなることもあります。たまたま私の友人の皮膚科医から「シールタイプのステロイド」や「医療用テープでのカバー方法」など、具体的な対処法を聞くことができたため、患者会で共有したこともあります。 下痢にしても、病院で処方される薬が効かない時、他の人が試したさまざまな対処法を共有することができました。こうした生の情報は、治療を続ける上で本当に助かりました。 そして同じ病気の仲間とつながれたことも、私にとってとても大きなことでした。悩みや不安を共有し、「あの人も頑張っているから自分も頑張ろう」と、勇気をもらえました。安心して治療を続けていく上で、仲間の存在は不可欠でした。

医師と「対等」に話すために、正しい情報を知る

私は、治療を医師に「お任せ」にするのではなく、自分でも積極的に勉強し、医師とコミュニケーションを取ることが非常に重要だと考えています。 最近、「心不全」になり入院しました。三次治療で使っている新薬の副作用の可能性はないかと思い、 病棟担当の医師に相談しました。副作用がひどくなっていった経過やさまざまな症状をお伝えしたところ、新薬の副作用であることがわかり、その後の回復につながりました。 このように、患者自身も「勉強しています」という姿勢を見せることが大事だと思っています。そうすることで、医師も対等な立場で話をしてくれるようになると感じます。 また、私は「副作用対策をしっかりすることで、減薬や休薬をしたくない」という希望を持っています。 先ほどの手足症候群の対策(貼るステロイド)も、情報を得てから主治医に「これがよく効くので処方して欲しい」と私から提案し、処方してもらえるようになりました。 医師は治療方針を提案してくれますが、最終的に決めるのは患者自身です。後で「あの時、違う薬を選んでいればよかった」と後悔しないためにも、患者自身も情報を集め、希望を伝えていくことが大切だと思います。

これからがんと向き合う方へのメッセージ

私の経験から、今、がんと向き合っている方々にお伝えしたいことがあります。 正しい情報を早く見つけてください。 ネットには古い情報や誤った情報も多くあります。がん診療連携拠点病院のがん相談支援センターや、信頼できるがん情報サイト(がん情報サービスなど)、そして患者会など、正しい情報源にアクセスすることが第一歩です。 仲間を見つけてください。 同じ病気を経験した人の情報は、副作用対策など、治療を続ける上で非常に役立ちます。何より、不安やつらさを共有できる仲間がいることは、大きな安心感と頑張る力になります。 一歩踏み出す勇気をもってください。 私はブログを始めたことがきっかけで患者会とつながれました。今はXなどSNSで発信している方も多いです。閉じこもらずに外に出ていくことで、得られる情報や出会いが必ずあります。 自分の治療に積極的に関わってください。 医師任せにせず、自分でも病気や薬について勉強しましょう。正しい知識を持つことが、医師と対等に話し合い、納得のいく治療を選ぶための力になります。あなたの希望をぜひ医師に伝えてみてください。
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