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留学直前に判明した「皮膚線維肉腫」、治療中の孤独から社会とのつながりを取り戻すまで

[公開日] 2025.11.10[最終更新日] 2026.01.05

写真はイメージです。(AIによる生成)
プロフィール お名前:ながちゃんさん(ニックネーム) 年代:20代 性別:女性 家族構成:一人暮らし 仕事:求職中(診断時はアルバイト) がんの種類:肉腫 (皮膚線維肉腫) 居住地:北海道 診断年:2025年
※本体験談は、患者さん個人の経験に基づくものです。治療の経過や副作用、生活への影響には、個人差があります。医療的な判断や治療方針の決定の際には、必ず医師・医療従事者にご相談ください。 20代で留学を目前に控えていたながちゃんさん。右肩のしこりと手のしびれを感じて病院を受診したところ、「皮膚線維肉腫」と診断されました。予定していた留学をすべてキャンセルし、約1か月にわたる入院と手術。個室の病室で一人、将来への不安と孤独に苛まれたといいます。診断から治療、そして現在に至るまでの経緯と心境の変化についてお話しいただきました。

留学直前に感じた体の異変

最初に右肩に異変を感じたのは、2024年の夏ごろでした。その時はニキビのような小さなもので、特に気に留めていませんでした。 しかし、2025年の6月ごろ、そのしこりが5cmぐらいまで大きくなっていることに気づきました。9月からの留学も決まっていた時期です。見た目の変化だけでなく、右手がしびれてうまく物が持てなくなったり、肩にあるしこりのせいでリュックを背負うと痛みを感じたりするようになりました。 去年はニキビ程度だったものが3個ぐらいに増えたようにも感じ、触るとコリコリしていました。親に相談した際は「脂肪の塊じゃないか」と言われましたが、自分で調べた脂肪の塊の特徴とは違う気がしました。さすがに「いままでに、感じたことのない状態だ」と思い、病院へ行くことにしました。 まず、家から近い皮膚科クリニックを受診しました。しかし、そこでは「大丈夫じゃないか」という診断で、特に治療薬も出されず「1か月後ぐらいにまた来てください」と言われるだけでした。 私としては、留学も控えていて時間がありませんし、何より痛みやしびれがあるのに1か月も放置するのは不安でした。そこで、少し大きめの、皮膚科と形成外科がある別のクリニックを予約して行きました。 そこでは「ちょっと怪しいかもしれませんが、ここでは詳しい検査はできません」と言われ、総合病院への紹介状を書いてもらうことになりました。

検査入院と看護師さんからのがん告知

1週間後ぐらいに紹介された総合病院を受診すると、「ちょっと怪しい」という雰囲気になり、そこからさまざまな検査が始まりました。MRIやCT、採血、そして最終的には生検(組織を採って調べる検査)も行いました。 検査結果が出るまでにまた1週間、また1週間と時間が過ぎていき、最終的に診断が下りたのは、最初にクリニックを受診してから約1か月半後のことでした。 医師から直接「がんです」と言われたわけではありませんでした。「ちょっと良くないかもしれないから、そのために検査入院して欲しい」という説明でした。しかし、その時に入院のために渡された書類をよく読むと、「皮膚線維肉腫」という見慣れない病名が書いてありました。 がんという言葉はなかったので、最初は「そうなんだ」ぐらいの感じで、一人で説明を聞いていました。ただ、「検査入院」にしては1か月という期間が提示され、入院経験がほとんどない私は「長いな。どういうことだろう」と疑問に思いました。 そこで、病棟の看護師さんに尋ねてみたところ、「いや、実は…」と、それが肉腫の一種であることを教えてくれました。この時初めて、自分ががんになったのだとわかったのです。 すぐに家族(母親)に電話で報告しました。母は一度ショックで電話を切ってしまいましたが、少ししてからかけ直してくれました。その間に病気のことを調べてくれたようで、「抗がん剤とかで大変な感じではなさそうだね」と、少し落ち着いた様子でした。父も母から話を聞き、とても心配して「入院の時に行こうか」と言ってくれたようです。

諦めた留学と、取りきれなかった腫瘍

当時、私には大きな目標がありました。2025年の9月から、まずフィリピンに4か月間語学留学し、その後カナダで1年間ワーキングホリデーをする計画を立てていたのです。すでに費用も全額支払っていて、あとは出発するだけという状態でした。 診断が下りた時、病院にも留学の予定は伝えていました。医師も「それまでに頑張って終わらせましょう」と言ってくれました。 入院期間は約1か月。入院して1週間後に全身麻酔での手術を受けました。手術は無事に終わったのですが、退院する当日、最後の検査の時に医師から告げられた事実は衝撃的でした。 「実は、全部取り切れていなくて、再発する可能性はあります」 私の腫瘍は、血管や神経にかなりかぶっている状態だったそうです。そのため「切除できなかった腫瘍が大きくなればまた切除ができるが、それまでは経過観察することになります」とのことでした。さらに「腫瘍を縮小させる薬もあるが、あまり効果はないかもしれない」と言われました。 この話を聞いて、留学は諦めるしかないと思いました。海外に半年以上行く予定なのに、再発の不安を抱え、薬も持って行かなければならない。もし現地で何かあっても、すぐに対応できないだろうと考えました。 留学エージェントに事情を話し、すべてキャンセルしました。幸い、費用は全額戻ってきましたが、ずっと目標にしていたものがなくなり、「これから何をしたらいいんだろう」という不安が大きかったです。 現在は、腫瘍を小さくするための薬(いわゆる抗がん剤ではありません)を飲んでいます。今のところ、大きさはあまり変わらないと言われています。

スマホだけが繋がりの孤独な入院生活

約1か月の入院生活中、精神的に一番つらかったのは手術の前日でした。全身麻酔のリスクも説明されていましたし、インターネットで調べると良くない情報ばかりが目につきました。「自分は重いがんではないはずなのに」「手術で取り切れても、麻酔から目覚めなかったらどうしよう」と、不安で仕方がありませんでした。 私が入院したのは全室個室の病院で、周りの音も聞こえず、とても静かでした。治療費を節約したかったので、入院セットに含まれるテレビなども申し込みませんでした。 部屋にあるのは自分の携帯電話だけ。それを見ると、Instagramなどでは友人たちが楽しそうに日常を過ごしている様子が流れてきます。それを見るのもつらいのですが、見ないと社会とのつながりが全くなくなってしまうようで、メンタルはどんどん落ちていきました。 手術後4日間はHCU(高度治療室)におり、そこは家族しか面会ができませんでした。その後、一般病棟に移りましたが、友人には詳しい病状を伝えていなかったので、誰も来ません。お見舞いに来てくれたのは同じ市内に住む従妹だけでした。 友人たちには、退院してから数人にだけ「実は入院していた」と伝えました。「1か月も入院って、骨折以外に何があるの?」と聞かれ、そこで初めて「がんの手術だった」と、さらっと話しました。自分ががんであることを、あまり大々的に言いたくなかったのです。逆の立場で、もし友達から「がんになった」と言われたら、どう反応していいか困るだろうなと思ったからです。 治療自体は、手術後の痛みを除けば特につらいものではありませんでした。だからこそ、時間を持て余すことで余計に将来のことを考えてしまいました。 「留学もなくなった」「仕事(アルバイト)も辞めた」「再発したら」「就職はどうしよう」「また休まないといけなくなったら…」 何もやることがないのに、よくわからない不安だけが募っていく。そんな日々が一番つらかったです。

退院後に訪れた心境の変化と新たな目標

退院して1週間ぐらいは、まだ「これからどうしよう」という不安が続いていました。 転機になったのは、実家に帰ってからでした。家族と一緒に出かけたり、事情を話した友人とご飯に行ったりしました。友人は「留学は残念だったけど、また行けるよ」「今度、旅行に行こうよ」と、本当に何事もなかったかのように明るく接してくれました。 傷跡があるので温泉には行けないな、という話をしても、「温泉も、いずれ行けるっしょ!」と笑い飛ばしてくれました。そうした周りの人たちの変わらない態度に、私は本当に救われたと思います。孤独だった入院生活から一転し、気持ちはかなり前向きになりました。 現在は、就職活動をしています。もともと接客業をしていましたが、再発して通院や入院が必要になる可能性もゼロではありません。そのため、面接の段階で「がんの治療歴があり、再発の可能性があること。ただ、日常生活に支障はないこと」を正直に伝えるようにしています。それで落ちてしまったら仕方がない、と割り切っています。隠して入社するよりも、事情を理解して受け入れてくれる会社で働きたいと思っています。 そして、今の私には新しい目標ができました。まずは仕事を頑張ってお金を貯め、そして、いつか治療が落ち着いて安心できるようになったら、今度こそ留学に挑戦したいと思っています。

これからがんと向き合う方へのメッセージ

私自身の経験から、今がんと向き合っている方や、体に異変を感じている方にお伝えしたいことが2つあります。 「変だな」と思ったら、すぐに病院へ行ってください。 私は、右肩の異変に気づいてから約1年間、放置してしまいました。もし、もっと早い段階、良性のうちに見つけていれば、入院も全身麻酔も必要なく、もっと簡単な日帰り手術などで済んでいたかもしれません。どんなに小さなことでも、体に違和感を覚えたら、どうか後回しにせず受診してください。 一人で抱え込まないでください。 私は入院中、親しい友人にも病気のことを言えず、非常に孤独を感じました。その結果、必要以上に落ち込んでしまったと思います。信頼できる家族や友人、一人でもいいので「つらい」と弱音を吐ける相手を見つけてください。直接言いにくければ、SNSなどで同じ病気の人とつながるのも一つの方法だと思います。誰かとつながっている感覚が、大きな支えになるはずです。
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