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膀胱・尿管・腎盂に広がった尿路がん、「がんとともに生きる」と決めたポジティブ思考

[公開日] 2025.10.31[最終更新日] 2025.12.25

写真はイメージです。(AIによる生成)
プロフィール お名前:盛田昭子(本名) 年代:80代以上 性別:女性 家族構成:一人暮らし 仕事:年金暮らし(元看護師) がんの種類:膀胱がん、尿管がん、腎盂がん 診断時ステージ:ステージ不明 居住地:宮崎県 診断年:2019年
※本体験談は、患者さん個人の経験に基づくものです。治療の経過や副作用、生活への影響には、個人差があります。医療的な判断や治療方針の決定の際には、必ず医師・医療従事者にご相談ください。 2019年、頻尿をきっかけに受診した病院で、尿路全体に広がるがんの診断を受けた盛田昭子さん。元看護師としての知識と判断力で、治療方針が決まらない不安な日々や、体への負担が大きい手術を乗り越えてきました。膀胱と子宮、そして右の腎臓の全摘という大きな決断の背景にあった思い、そして術後5年を経た現在の穏やかな日常についてお話ししていただきました。

頻尿から始まったがん告知

始まりは、年齢のせいだろうと思っていた頻尿の症状でした。近所の泌尿器科クリニックで膀胱炎と診断され、抗生剤を処方されましたが、症状は一向に良くなりません。そこで、クリニックの先生に紹介状を書いてもらい、県立病院の泌尿器科を受診することにしました。 県立病院では、膀胱洗浄を行い、その洗浄液で細胞診の検査をしました。その結果、「悪い細胞が出た」と告げられたのです。この時、血尿などの自覚症状は全くなく、本当に驚きました。 当初は病変は膀胱のみとの診断で、まずは内視鏡でがんを切除する経尿道的手術を受けました。しかし、私のがんは膀胱の壁の奥深くまで入り込んでいて、手術では取り切ることができませんでした。 さらに、手術の際に尿路全体の細胞を詳しく調べたところ、事態は私が考えていたよりも深刻であることがわかりました。両方の腎盂(じんう)、右の尿管、そして膀胱の複数箇所にがん細胞が見つかったのです。

治療方針が決まらない不安な日々

尿路全体にがんが広がっているため、治療方針はすぐには決まりませんでした。県立病院の先生も、大学病院の医師と相談を重ねて最適な方法を模索してくださっていたようですが、結論が出るまでには時間がかかりました。 「どうなるのだろう」「両方の腎臓を全部取らなければならないのだろうか」。そんなことを考えると、不安でいっぱいでした。両方の腎臓を摘出してしまえば、血液透析をしながら生きていくことになります。それまで元気に過ごしてきた私にとって、それはどうしても避けたいことでした。 方針が決まらないまま、2020年の1月から抗がん剤治療が始まりました。2回にわたる治療を受けましたが、副作用はやはりつらいものでした。特に食欲が全くなくなってしまったことは、精神的にもこたえました。看護師として多くの患者さんの副作用を見てきましたが、いざ自分が体験すると、「食欲がない」ということがこれほどつらいものなのだと痛感しました。

「左の腎臓は残す」という覚悟

抗がん剤治療を続けていたある日、主治医の先生から「右の腎臓と尿管、そして膀胱をすべて摘出するのはどうだろうか」という治療方針が示されました。左の腎臓と尿管にはがん細胞が見つかっているものの、それを残すという提案です。 その提案を聞いた時、私は腹を決めました。「左の腎臓さえ残れば、透析は免れる」そう考え、手術を受けることを決意しました。不思議なもので、あれほどモヤモヤしていた気持ちが、覚悟を決めた途端にすっと軽くなったのを覚えています。 最終的な手術内容は、膀胱の全摘、右の腎臓と尿管の摘出、そして子宮の全摘でした。さらに、尿を体の外に出すための「尿管皮膚瘻(にょうかんひふろう)」、いわゆるストーマを造設することになりました。看護師でしたから、ストーマがどういうものかは理解していましたし、それを受け入れることにためらいはありませんでした。 離れて暮らす子どもたちには、LINEのビデオ通話をつないで、先生からの説明を一緒に聞いてもらいました。病状については全て共有しましたが、最終的にどうするかは、自分で決断しました。子どもたちも、私の意思を尊重してくれたようです。 主治医の先生に「手術の後、またゴルフはできますか?」と尋ねると、「できますよ」と力強く答えてくれました。その一言は、私にとって大きな希望になりました。そして、「私の年齢(当時79歳)での手術が成功例となれば、今後の医療の発展に少しでも貢献できるかもしれない」そう思うと、手術への恐怖は消えていきました。 手術を受けるにあたり、自分の気持ちを整理するためにノートに思いを書き出していきました。 「尿路系にはがん細胞があるけれど、幸い全身への転移はない」「1年前のCT検査では異常がなかった。これは、がんの進行が早いのかもしれないけれど、逆に言えば比較的早い段階で発見できたということではないか」。そう自分に言い聞かせました。左の尿管にがん細胞が残ってしまう可能性も受け入れ、「そうなっても、まだ治療法はあるはずだ」と前を向きました。 そして、なぜ手術を受けるのか、その意味を自問自答しました。その時、ノートに書き留めたのは、次のような思いです。 「医療従事者の端くれとして、この挑戦をやってみよう」 かつて看護師として患者さんに寄り添ってきた自分が、今度は当事者としてこの試練に立ち向かおう、という気持ちでした。 そして、もう一つが、 「私の年齢での手術が成功すれば、今後の医療の発展に貢献できるかもしれない」 この思いが、最終的に私の心を決めさせました。もし成功すれば、同じように高齢で大きな手術を前に不安を抱えている人たちの、一つの希望になれるかもしれない。そう考えました。

手術後の新たな日常と喜び

大学病院で行われた手術は、長時間に及ぶ大変なものでしたが、無事に成功しました。術後、摘出した臓器の病理検査の結果を聞いた時のことは、今でも忘れられません。先生から「がん細胞は、どこにもありませんでした」と告げられたのです。 その瞬間、「今すぐここから走って家に帰りたい!」と、心の底から思いました。まだ入院中の身でしたが、それほどの喜びでした。がんは取り切れたという事実が、何よりの力になりました。 手術から5年が経ちましたが、元気に過ごしています。特別な治療はしていませんが、左の尿管が狭くならないように「ステント」という管が入っているため、それを交換するために1か月に1度通院しています。 ストーマとの付き合いも、すっかり慣れました。元看護師の知識を活かして、さまざまなメーカーの装具を試し、自分の肌の状態に合ったものを選んでいます。何かトラブルがあれば、直接メーカーの担当者に電話して相談することもあります。訪問看護などは受けず、全て自分で管理できています。 心配していた趣味のゴルフも、以前と変わらずに楽しんでいます。好きなことができる。それが、今の私の「生きる力」になっています。がんになっても、人生は続きます。落ち込みすぎず、前を向いて、自分らしい毎日を過ごして欲しいと心から願っています。

これからがんと向き合う方へのメッセージ

がんと診断されると、誰もが不安になり、落ち込んでしまうと思います。しかし、私が伝えたいのは、がんと共に元気に生きていくことは可能だということです。 • がんと上手く付き合ってください。 がんは、完全に消し去ることだけが治療ではありません。私のように、がん細胞が体の中に残っている可能性があっても、うまく付き合いながら元気に生活している人もいます。前向きに病気を受け止めることが大切だと思います。 • 自分のことをオープンに話してみてください。 私は友人たちに、自分ががんであり、ストーマを着けていることを隠さずに話しています。「ここに袋をぶら下げているのよ」と冗談めかして言うこともあります。そうやってオープンにすることで、自分自身が楽になりますし、周りの人も理解してくれます。 • 物事の良い側面にも目を向けてください。 ストーマを造設したおかげで、あれほど悩まされていた夜間の頻尿がなくなりました。夜中に何度もトイレに起きる必要がなくなり、ぐっすり眠れるようになったのです。大変なことの中にも、必ず良い側面はあるものです。
体験談 腎盂・尿管・尿道がん 膀胱がん

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