写真はイメージです。(AIによる生成)プロフィール
お名前:和子さん(ニックネーム)
年代:50代
性別:女性
家族構成:夫と子ども(二人)との四人暮らし
仕事:高齢者施設の厨房スタッフ(診断時はパート)
がんの種類:卵巣がん、子宮体がん
診断時ステージ:卵巣がん(ステージ3A)、
子宮体がん(ステージ1A)
居住地:山口県
診断年:2024年
※本体験談は、患者さん個人の経験に基づくものです。治療の経過や副作用、生活への影響には、個人差があります。医療的な判断や治療方針の決定の際には、必ず医師・医療従事者にご相談ください。
更年期特有の症状だと思い込み、1年ほど不正出血を放置していた和子さん。しかし、突然の大量出血をきっかけに病院を受診したところ、子宮体がんと、より進行した卵巣がんが発見されました。子宮体がんの症状がなければ発見が遅れていた可能性があったという卵巣がん。その診断から治療までの道のりと、経験を通して伝えたいことについてお話しいただきました。
まさか自分が、という油断
2024年3月、私は経験したことのない大量出血で病院へ駆け込みました。実は、その1年ほど前から長く続く不正出血がありました。しかし、ちょうど更年期に差しかかった年齢でしたし、周りの友人からも「そういうものよ」と聞いていました。インターネットで調べても、更年期の症状としてよくあることだと書かれていたので、「そのうち止まるだろう」と完全に自己判断で放置してしまっていたのです。自分は健康だという自信もありましたし、まさかがんだとは夢にも思っていませんでした。
しかし、日常生活に支障が出るほどの大量出血が始まり、さすがに「これはおかしい」と近所の個人クリニックの婦人科を受診しました。超音波検査を受けている際に、カーテンの向こうで先生たちが何やら深刻そうに話しているのが聞こえました。その時のざわつきで、「これはただごとではないのかもしれない」と初めて不安を覚えました。先生からは「すぐに大きな病院へ行ってください」と、強い口調で言われました。
紹介された総合病院でもう一度検査を受け、詳しい結果が出る前に、担当の先生から「これは手術が必要です」と告げられました。後日、先に受けたクリニックの組織検査の結果が出て「子宮体がん」であることがわかりました。さらに総合病院での精密検査を進める中で、「卵巣がん」も見つかったのです。しかも、卵巣がんの方がステージ3Aと進んでおり、より深刻な状態だという説明でした。
後からわかったことですが、卵巣がんは自覚症状が出にくく「サイレントキラー」と呼ばれるそうです。私の場合は、子宮体がんの症状である大量出血がなければ病院に行くことはなく、卵巣がんの発見はもっと遅れていたでしょう。そういう意味では、不幸中の幸いだったのかもしれません。
副作用の少なかった抗がん剤治療
診断後は、とにかく大量出血を止めたいという気持ちが一番でした。住んでいる地域で一番大きな病院でしたし、先生を信頼してお任せしようと、セカンドオピニオンなどは考えませんでした。手術日が決まり、治療に専念するため、当時パートで勤めていた職場は退職することにしました。
手術では、子宮と卵巣を摘出しました。手術は無事に終わり、術後の経過も順調でした。退院前の診察で、先生から「再発予防のため、抗がん剤治療を6回行います」と説明がありました。
「抗がん剤」と聞くと、吐き気や倦怠感といったつらい副作用をイメージしていたので、正直なところ不安でした。しかし、私の場合は本当に幸運なことに、重い副作用はほとんどありませんでした。少し足がしびれる程度で、食欲が落ちることもなく、普段通りの生活を送ることができたのです。副作用の程度には個人差があり、私は幸運にも軽い症状で済みました。
唯一、見た目に大きな変化があったのは脱毛です。抗がん剤の1回目を終えて2週間ほどで髪が抜け始めました。でも、これも事前にわかっていたことなので、治療が始まる前にウィッグを2つ用意していました。気分に合わせてウィッグを変えたりしていると、むしろおしゃれを楽しんでいるような気持ちになり、若返った気分で過ごすことができました。おかげで、治療中に気持ちが落ち込むことは全くありませんでした。
2024年5月から始まった抗がん剤治療は、月に1回のペースで進み、10月に無事6回のコースを終えました。
治療を終えて初めて感じた不安
不思議なことに、がんの診断を受けてから治療が終わるまでの間、私はほとんど不安を感じませんでした。検査や手術、抗がん剤治療と、やるべきことが次々とあったので、目の前のことをこなすのに必死だったからかもしれません。「治療をしている」という事実が、ある種の安心感にもつながっていました。
しかし、全ての治療が終わり、これからは経過観察です、となった時、急に「これからどうなるんだろう」という不安と心細さを感じました。
現在は3か月に1度の定期検診を受けています。検査結果が出るまでの1週間ほどは、やはり「もし再発していたら」と考えてしまい、とても不安な気持ちになります。ですが、それ以外の日常生活では、がんになる前とほとんど変わらない、穏やかな毎日を送れています。
家族や友人への報告
がんの告知は一人で受け、帰宅してから夫に報告しました。夫は冷静に受け止め、インターネットでがんについて調べてくれていたようです。子どもたちには手術が終わってから、「お母さん、がんだったんだ。これから抗がん剤治療をするから髪の毛が抜けるけど、心配しないでね」と伝えました。多感な時期ではありましたが、子どもたちは「そうなんだ」といった様子で、落ち着いて受け止めてくれました。
私が副作用も少なく元気にしていたので、家族も過度に心配することなく、普段通りに接してくれたことが、私にとってはとてもありがたかったです。
友人たちにも、自分の経験を正直に話しました。特に、私と同じように「自分は大丈夫」と思っている友人には、「何か気になる症状があったら、すぐに検査に行った方がいいよ。がん検診は絶対受けたほうがいいよ」と強く勧めています。私の話を聞いて、実際に検診に行ってくれた友人も何人かいました。
経験してわかった「備え」の大切さ
今回の経験を通して、二つの「備え」の重要性を痛感しました。
一つは、体の備えとしての「検診」です。私は市から案内が来ていても、「自分は関係ない」と一度も検診を受けたことがありませんでした。あの時、大量出血というサインがなければ、今頃どうなっていたかわかりません。「おかしいな」と思ったら自己判断せず、すぐに病院へ行くこと。そして、何も症状がなくても定期的に検診を受けることが、早期発見につながる唯一の方法だと実感しています。
もう一つは、経済的な備えとしての「がん保険」です。実は、診断を受ける1年ほど前に、郵便局で声をかけられたのがきっかけで、偶然がん保険に加入していました。当時は「まあ、入っておくか」くらいの軽い気持ちでしたが、これが本当に私を救ってくれました。抗がん剤治療は高額で、健康保険を使っても1回6万円ほどかかりました。
後から保険の内容を確認すると、ウィッグの購入費用や、入院費用なども手厚く保障されていて、本当に助かりました。自分の経験から、友人たちにも「もしもの時のために、保険は必要だよ」と伝えています。
がんの治療を終えた今、私の生活は以前とほとんど変わっていません。ただ一つ変わったのは、自分の体を大切にする意識です。早寝早起きを心がけ、食事にも気を配るようになりました。
これからがんと向き合う方へのメッセージ
これからがんと向き合う方や、そのご家族にお伝えしたいのは、以下の3つのことです。
• 「おかしい」という体のサインを見逃さないでください。
「更年期だから」「疲れているから」と自己判断せずに、まずは専門医に相談することが大切です。
• 「自分は大丈夫」という根拠のない自信は捨てて、定期的な検診を受けてください。
がんは誰にでも起こりうる病気です。早期発見が、心と体の負担を軽くしてくれます。
• もしもの時のために、経済的な備えをしてください。
がんの治療にはお金がかかります。安心して治療に専念するためにも、がん保険への加入を一度検討してみて欲しいです。