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胃がんステージ1、「できるだけ胃を残したい」という強い思いで自ら探し出した希望の手術

[公開日] 2025.10.28[最終更新日] 2025.12.24

写真はイメージです。(AIによる生成)
プロフィール お名前:眠り猫さん(ニックネーム) 年代:60代 性別:男性 家族構成:妻と子ども二人の四人暮らし 仕事:地方自治体勤務(診断時は会社員) がんの種類:胃がん 診断時ステージ:ステージ1 居住地:神奈川県 診断年:2020年
※本体験談は、患者さん個人の経験に基づくものです。治療の経過や副作用、生活への影響には、個人差があります。医療的な判断や治療方針の決定の際には、必ず医師・医療従事者にご相談ください。 2020年、人間ドックをきっかけにステージ1の胃がんと診断された眠り猫さん。内視鏡手術後、追加の外科手術が必要と告げられ、提示されたのは胃の3分の2を切除する方法でした。しかし、「本当にそれしかないのか」と自ら情報収集を開始。会社の同僚の術後の姿を思い出し、「できるだけ胃を残したい」という強い思いで、胃を残せる可能性のある病院を探し当てます。医師の提案を鵜呑みにせず、納得のいく治療をどのように考え見つけたのかをお話しいただきました。

胃がんステージ1、自覚症状はなし、きっかけは人間ドック

がんの発見は、毎年受けていた会社の人間ドックでした。特に自覚症状は全くありませんでした。実は、診断される前年の人間ドックでも、内視鏡検査の際に「念のため詳しく調べますね」と色素を使った検査をして、「大丈夫ですね」と言われていたのです。ですから、今回も大丈夫だろうと高をくくっていました。 しかし、翌年の検査では「気になる病変がありますので、組織を採って調べます」と言われ、後日クリニックから電話がかかってきました。「これは、がんかな」。予感は的中し、クリニックへ行くとステージ1の胃がんだと告げられました。 診断を受けたクリニックから地元の病院を紹介していただき、治療をすることになりました。紹介してもらった病院の治療方針は、ステージ1でがんが粘膜層にとどまっている可能性が高いため、内視鏡を使って病巣を剥ぎ取るESD(内視鏡的粘膜下層剥離術)というものでした。

「胃を3分の2切除します」予期せぬ提案

ESD手術は無事に終わりました。しかし、切除した組織を詳しく調べた結果、がんが粘膜の下にある粘膜下層に、ごくわずかな深さまで達していることがわかりました。医師からは「どうしますか?」と問われました。このまま経過観察するという選択肢もあるが、年齢がまだ若いことを考えると、追加で外科手術をした方がいいのではないか、という提案でした。 そして、その病院で追加手術をする場合は、胃の3分の2を切除する方法しかないと説明を受けました。「どうしますか?」と聞かれても、患者としては「はい、お願いします」としか言いようがありません。 しかし、その提案を素直に受け入れることができなかったのには理由がありました。実は、私ががんと診断される2年ほど前に、会社の同僚が胃がんの手術を受けていたのです。彼は手術後に驚くほど痩せてしまい、その姿が私の脳裏に焼き付いていました。「胃を取ると、あんなに痩せてしまうのか」。自分のこととなると、その記憶が急に現実味を帯びてきました。

「胃を残したい」夫婦で探した最善の道

「何とか胃を残す方法はないだろうか」。その日から、私の情報収集が始まりました。インターネットや書籍を読み、胃がんの手術について調べました。すると、「幽門保存胃切除術」という、胃の入り口(噴門)と出口(幽門)を残すことで、術後の体重減少や生活の質の低下を抑えられる手術法があることを知りました。 ESD手術を受けた病院ではその手術はできないと言われていたので、私はこの手術が可能な病院を自分で探すことにしました。症例数が多く、先進的な治療を行っているがん専門病院や大学病院のウェブサイトを集中的に調べました。 病院から帰り、妻と二人で「どうしようか」と話し合いました。そして、調べた中で最も良さそうだと感じた、症例数も多いがん専門病院でセカンドオピニオンを受けてみたいと、主治医に相談しました。すると、先生はすぐに紹介状を書いてくれました。 がん専門病院で改めて内視鏡検査などを受けた結果、「この状態なら、ご希望の胃を残す手術ができますよ」と言っていただけたのです。この一言で、私たちの迷いは消え、転院して手術を受けることを決意しました。

術後の生活と情報の壁

手術は腹腔鏡で行われ、入院期間は2〜3週間ほどでした。診断時は会社員で管理職の立場だったため、仕事は上司や部下に分担してもらい、休暇中は治療に専念することができました。 手術を終えて退院した後、最初はやはり食べる量が減り、体力もかなり落ちていました。しかし、もともと趣味でスポーツクラブに通っていたので、医師からは止められていましたが、術後1か月経たないうちから無理のない範囲でトレーニングを再開しました。食事についても、妻が胃がん患者向けのレシピ本を買ってきてくれて、術後1か月ほどは消化の良い食事を用意してくれるなど、手厚くサポートしてくれました。そのおかげで、半年も経たないうちに食事の量は元に戻り、体力も回復していきました。胃がんを経験したことで一つ変わったことといえば、元々あまり強くなかったお酒を全く飲まなくなったことくらいで、逆に健康に気を遣うようになりました。 ただ一つ、術後にとても不安になったことがありました。腹腔鏡手術の傷口のあたりが、しこりのように硬くなっていたのです。「まだ、がんが残っているのではないか」。そう思って、同じような症状の人がいないかインターネットで調べましたが、全く情報が見つかりませんでした。重篤な症状で悩んでいる方の体験談はたくさんあるのですが、私のように比較的軽微な症状に関する情報は、意外なほど少ないのです。その時はとても気になりましたが、時間が経つにつれて気にならなくなりました。きっと、些細なことほど記録に残りにくいのかもしれない、と感じた出来事でした。

後悔のない選択ができた理由

振り返ってみると、後からわかったこともいくつかあります。例えば、ある大学病院では、ESDの手術中にがんが粘膜下層まで達しているかどうか調べて治療を検討することができるということを後から知りました。もし、最初にその情報を知っていれば、一度目のESD手術はせずに済んだかもしれません。 実際、がん専門病院で手術をした際、病理検査の結果、がんは粘膜下層には達していませんでした。執刀医の先生からは冗談半分に「無駄な手術でしたね」と言われました。 しかし、そうした事実を知った今でも、自分の選択に後悔は全くありません。それは、自分で考え、情報を集め、行動した末にたどり着いた結論だからです。そして、その過程で素晴らしい先生に巡り会うこともできました。この経験そのものが、私にとって大きな財産になったと思っています。 医師から「はい、がんです。どうしますか?」と突然言われたら、頭が真っ白になり、言われるがままに治療を決めてしまう人がほとんどだと思います。でも、その一歩手前で立ち止まり、自分で考えて判断しないと、「あの時こうすればよかった」という後悔が残ってしまうかもしれません。 私の体験を通して、今改めて強く感じていることがあります。それは、「まず自分がどのような状態なのかを正しく知ること」がいかに重要かということです。医師から告げられた診断や治療法をただ受け入れるのではなく、自ら情報を集め、自分の体で何が起きていて、どのような選択肢があるのかを深く理解することが大切だと思います。 この主体的なプロセスがあったからこそ、私は治療への不安を乗り越えることができました。そして、たとえどのような結果になったとしても「自分で選んだ道だから」と前を向き、後悔のない納得した治療を受けることができたのだと思います。治療の主役は、他の誰でもない、自分自身なのですから。

これからがんと向き合う方へのメッセージ

私の体験が、今がんと向き合っている方々の少しでもお役に立てればと思い、お伝えしたいことがあります。 • ご自身でよく調べて、納得して治療法を決めてください。 医師の言うことはもちろん重要ですが、それが全てではありません。病院や医師によって、方針や技術は異なります。情報を集め、複数の意見を聞くことで、自分にとって最善の道が見えてくるはずです。 • 「1日でも長く生きれば得をする」という希望を持ってください。 医療技術は日々、目覚ましく進歩しています。今は難しいと言われているがんでも、1日、また1日と生き延びることで、新しい治療法や新薬が開発される可能性があります。希望を捨てずに、一日一日を大切に過ごして欲しいです。 • 信頼できる医師を探すことが大切です。 医師も人間ですから、得意・不得意があります。ある病院で「できない」と言われた手術が、別の病院では可能だということは珍しくありません。できないことを無理強いするのではなく、自分の希望を真摯に受け止め、実現してくれる医師や病院を自ら探す努力が、後悔のない治療につながると思います。
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