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「Remember Girl’s Power !! 2023」Day3:アイドルやアーティストと一緒にがん=ネガティブなイメージと真正面から向き合う唯一無二のライブ! 8年目を迎えて総出演者も膨大な数に
[公開日] 2023.11.08[最終更新日] 2024.10.02
【寄稿】文・写真:乃木 章
日本人の生涯で、2人に1人がかかる身近な病気であるがんのうち、国が検診を勧める肺がん、胃がん、乳がん、子宮頸(けい)がん、大腸がんなどは治療法も進歩し、早期発見すれば治る可能性が高いものになっています。
しかし、小児がん、AYA世代(15歳から39歳)のがんに有効な予防、検診方法はなく、これらのがんについては、有効な治療法・治療薬の開発、臨床試験が重要とされています。
啓発対象である若い世代は、がん=ネガティブなイメージが強いため、がん体験者を直視することはもちろん、がんを話題にすることを避ける傾向にあります。そこで、がん情報サイト「オンコロ」が2016年から開催しているのが、女性シンガー、アニソン歌手、アイドルを通したがん啓発イベントです。
毎回、ステージでパフォーマンスをするアーティストにしかない発信力を活かした「トーク&ライブ」では、がんと無縁のように見られる10〜20代のアイドルとがん体験者によるトークセッションが大きな反響を集めています。
2023年も通算8回目となる、小児がん・AYA世代(15歳~39歳)のがん、 臨床試験(治験)の啓発を目的とする女性アーティストによる日本最大級のチャリティーライブ「Remember Girl’s Power !! (オンコロライブ) 2023」が、東京・池袋で開催されました。
Remember Girl’s Power !! (オンコロライブ) 2023実行委員(がん体験者):鳥井 大吾氏
同イベントは豊島区との共催で、株式会社サンシャインシティの協力を得て、9月2日と9月3日は池袋西口公園野外劇場グローバルリング シアター、9月9日と9月10日はサンシャインシティ噴水広場にて開催されました。総合司会は、がんサバイバーでフリーアナウンサーの笠井 信輔さんが務めました。
Remember Girl’s Power !! (オンコロライブ)総合司会:笠井 信輔さん(がん体験者)
寄付付きの優先席はあるものの、いずれの会場もパブリックスペースで、リアルタイムで動画配信もされ、広く一般の方への啓発を目的としていました。
■Day3:9月9日はサンシャインシティ噴水広場で開催
進行アシスタントは、元SKE48メンバーの矢方 美紀さんが務め、アイドルグループからは「アイオケ」、アーティストからは石井 あみさん、YURiKAさん、Suaraさん、スペシャルゲストとして甲状腺がんの体験者である歌手の木山 裕策さんが昨年に引き続き出演してパフォーマンスを披露しました。
進行アシスタント:矢方 美紀さん
■アイオケ
オープニングアクトは、ボーカル、フルーティスト、ピアニスト、ヴァイオリニスト、サックスプレイヤー、パフォーマーで構成されたアイドルオーケストラユニット「アイオケ」。アイオケの全楽曲には、〈歓喜の歌〉〈天国と地獄〉〈乙女の祈り〉〈ファランドール〉等、数多くのクラシック曲が組み込まれており、歌・演奏・ダンスが融合した華やかなパフォーマンスが魅力です。
メンバーは、根本 流風さん、JINさん、白鳥 ゆりかさん、三田 萌日香さん、kurumiさん、ゆゆ・THE・エクスカリバーさん、大野 まりかさん、安里 唯さん、小林 萌夏さん、真田 真帆さんの11人。
当日は「アイオケ体操第一」、「トライ&GO!」、「#青春1・2・3」、「開く迷宮」、「Catch The Dream」の5曲を華やかに披露してくれました。
■石井 あみ
続いては、音大卒業のボーカリストで、歌もの・CM・映画・TV・ゲーム等、幅広いコンテンツの歌唱・コーラスを手掛ける石井 あみさん。TVアニメ『ひろがるスカイ!プリキュア』OP主題歌・前期 ED主題歌でメジャーデビュー。2023年9月公開『映画プリキュアオールスターズF』テーマソングを担当しました。
当日は、「ひろがるスカイ!プリキュア ~Hero Girls~」、「ハッピーバースディ!」、「Spin Story」の3曲を熱唱し、ちびっこたちからの熱い声援はこれまでのオンコロライブにはないものでした。
■YURiKA
YURiKA さんは、2017年1月より放送スタートのTVアニメ『リトルウィッチアカデミア』のオープニングテーマ『Shiny Ray』を担当し、2017年2月22日に同CDでメジャーデビュー。以降、『リトルウィッチアカデミア 第2クール』・『宝石の国』・『はねバド!』・『BEASTARS』・『ロマンティック・キラー』など、人気アニメの主題歌を歌唱しています。
当日は、「MIND CONDUCTOR」、「ミラクルステップ」、「時のFoliage」、「創聖のアクエリオン」、「Shiny Ray」、「ROMA☆KiRA」の6曲を元気いっぱいに披露してくれました。
■Suara
トリを務めたのはアニメ&ゲームソングシンガー・Suaraさん。2005年9月にゲーム主題歌『睡蓮-あまねく花-』、『星座』でデビュー。TVアニメ「ToHeart2」エンディングテーマ 『トモシビ』、TVアニメ「うたわれるもの」のオープニングテーマ『夢想歌』を歌うなど、その歌声がアニメ・ゲームファンをはじめ広い層の心に響き話題となり、2007年「Animelo Summer Live 2007 Generation-A」初出演を果たしました。以降もTVアニメ「WHITE ALBUM」「ティアーズ・トゥ・ティアラ」「カードファイト!!ヴァンガード リングジョーカー編」などの主題歌を担当しています。
Suaraさんは2017年に出演し、今回は2回目の出演となり、当日は、「人なんだ」、「Fly away -大空へ-」、「傘」、「トモシビ」、「夢想歌」の5曲を披露してくれました。
■木山 裕策
スペシャルゲストは昨年に続いて出演してくれた木山 裕策さん。36歳の時に甲状腺がんの宣告を受け、声を失うかもしれない手術を乗り越えたことで、ずっとやりたかった歌手を目指すことを決意。妻や子どもたちの応援を受けながら、39歳の時に家族への思いを込めた「home」でメジャーデビューと紅白歌合戦出場を果たしました。
「がんになっていなければ歌手への挑戦はしていなかった」と言う木山さん。笠井さんも「がんになったからこそ生まれる人生の選択がある」と同調し、「木山さんは背中を押してくれた」と、生き方を変える原動力にもなると前向きな言葉を残しました。
当日は、「home」、「愛は勝つ」の2曲を熱唱してくれました。
■啓発セッション:AYA世代がんサバイバー・谷島 雄一郎
啓発セッションでは、2012年に食道に希少がん(GIST)が見つかった谷島雄一郎さんが登壇。10万人に1〜2人しかかからないため治療開発が進まず、標準治療終了後は治験や遺伝子パネル検査などにもトライ、これまで受けた抗がん剤治療は4回、手術は7回です。未だ完治はしておらず経過観察の状態で、新たな治療開発に期待していることを明かしました。
現在は、厚生労働省のがん対策推進協議会委員を始めとする様々な組織で、がん治療について意見を述べている谷島さん。自身の経験からがん治療に対する情報で、病院や地域格差があることを痛感しており、全ての患者が治療の選択肢を知ることができるよう取り組んでいます。
■共催セッション:山口学園
チャリティーライブを共催として支える企業や団体を紹介する共催セッションでは、埼玉県川越市で3つの幼稚園(川越ひばり幼稚園、川越第二ひばり幼稚園、川鶴ひばり幼稚園)を経営する学校法人 山口学園の先生方が登壇。とにかく明るく元気いっぱいの様子でした。
最後は幼稚園の生徒や親御さんと一緒に記念撮影
同学園では、医療アドバイザーの導入、子供たちに体について学ぶ時間を提供、健康を育む給食・自園給食など、様々な健康分野に対する取り組みを行っています。当然ながら幼稚園に通う子供たちは全員が元気いっぱいとは限りません。これまでも持病がある子供や、突然大きな病気に罹った子供もおり、快復を祈ることしかできなかったとしても、通園してくれた時に明るく元気に過ごせる環境づくりやサポートに力をいれています。
■一過性で終わらない、小児がん、AYA世代のがん啓発ライブ
最後は、恒例となる中川 和彦先生(近畿大学病院がんセンター長)からの感謝状手渡し、実行委員長の柳澤 昭浩さんの挨拶で締めくくられました。
感謝状を手渡した中川 和彦先生の挨拶
クロージングの挨拶をする実行委員長の柳澤 昭浩さん
柳澤さんは、がんの啓発という難しいイベントに快く出演してくれた演者への感謝を述べました。今回のライブイベントには30社以上の企業や団体の協賛があったと明かし、来場者からの寄付は全て小児がん、AYA世代のがん、臨床試験の研究期間にお渡しして啓発を進めると約束。最後は、これまで8年間続けて来た同イベントを来年以降も続けていきたいと力強く宣言してくれました。
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