講演タイトル:『がんに対する補完代替療法』
演    者:大野 智 先生(大阪大学大学院医学系研究科 統合医療学寄附講座 准教授)
日    時: 11月22日(水) 19:00
場    所: 秋葉原・ジーニアスセミナールーム

今月は、がんに対する補完代替療法がテーマでした。
クローズドセミナーであるため全ての情報は掲載できませんが、ポイントとなる情報をお伝えしていきます。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

がんの患者さんの多くが経験しているがんに対するサプリメントなどの補完代替療法。補完代替医療は、英語ではComplementary & Alternative Medicine といい、頭文字を取って CAM(カム)と言います。

CAMには、現行の医療をすべて止めて何か別のものに置き換える代替医療と現行の医療に何かを上乗せして、さらにQOLを向上させる補完医療との2つの要素が存在しますが、両者を厳密に分けることができないものも存在します。

(大阪大学大学院 医学系研究科 統合医療学寄附講座HP参考)

具体的には、食事療法・サプリメント・鍼灸(はりきゅう)・マッサージ・漢方・アロマセラピー・ヨガ・音楽療法等があります。患者さんがCAMに興味を持っている、利用している割合は83%と言われています。

使用する目的は「進行抑制」「治癒」が大半を占め、「症状緩和」「通常治療の補完」等です。

CAMを使用する後押しとなるものは、患者さんご家族の薦めが最も多く、ブレーキ(使用が控えられる原因)としては、医療者の否定的な考えや正確な情報を持っていないことが挙げられました。

(詳細は「がんの補完代替医療ガイドブック」PDFを参考)

CAMを利用する上で大切なことは「正確な情報」を見極めることである、と先生は述べられました。科学的根拠(エビデンス)はその治療法の裏付けです。

エビデンスの種類は様々で、経験談・権威者(医師等)の意見や動物実験は低く、観察研究(症例報告、コホート研究)→※ランダム化比較試験→システマティックレビューにつれて情報の信頼性が高く、偏り・偶然が少なくなります。

システマティックレビューとは、ランダム化比較試験を取りまとめ、全体としてはどうかを再評価したものです。

※ランダム化比較試験・無作為化比較試験とは/研究の対象者をランダムに2つのグループに分け(ランダム化)、一方には評価しようとしている治療や予防のための介入を行い(介入群)、もう片方には介入群と異なる治療(従来から行われている治療など)を行います(対照群)。一定期間後に病気の罹患率・死亡率、生存率などを比較し、介入の効果を検証します。…国立研究開発法人国立がん研究センターがん対策情報センターHP「がん情報サービス」より

 

実施する前に「何のために(目的)でやるのか、価値観、自分の好みに合うか。エビデンスはあるならどれ位か」を明確にすることをお勧めされました。

CAMに関するエビデンスは厚生労働省が構築した『「統合医療」情報発信サイト 利用マニュアルPDF』を参考にして下さい。

また、会場からの質問コーナーでは「だまされない為にはどうすれば良いか、主治医にCAMを否定される場合はどうすれば良いか」などの質問が挙がりました。

気をつける事は高額なもの、標準治療を否定するものには注意する事です。寄せられる相談には、CAMの相互作用、健康被害より経済的被害が最も多いそうです。

また、主治医に相談しづらい時は看護師、薬剤師に相談する事も薦められました。認定看護師はカリキュラムの中にCAM相談があるそうです。治療薬との関係も気になる場合は薬剤師に相談して下さい。

患者さんに必要なことは、正確な情報をもとに自分で下した決断に責任を持つこと―インフォームド・チョイスをすること―、と述べられました。それは、インフォームドコンセントから一歩進み、みずから情報を取りにいくことです。

そして、「医療者や家族はそれを選んだ患者さんの意思をまず聞いて、寄り添うことが大切。」と述べて締めくくられました。

大野先生、ご参加された皆様、本当にありがとうございました。

12月22日(金)は、がん研有明病院 消化器化学療法科 部長 山口 研成先生をお迎えし、『進化する胃がん治療の実際』をテーマにご講義いただきます。

引き続き、皆様のご参加をお待ちしております。
(赤星)
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登場したHPサイトのリンク/
 ・日本補完代替医療学会
 ・厚生労働省「統合医療」情報発信サイト
 ・朝日新聞DIGITAL「apital」大野 智先生記事一覧

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