希少がんMeet the Expert 第1回 悪性黒色腫(メラノーマ)書き起こし~開会挨拶~


  • [公開日]2017.02.17
  • [最終更新日]2019.03.11
スピーカー
国立がん研究センター希少がんセンター 加藤 陽子
国立がん研究センター中央病院 院長 西田 俊朗
国立がん研究センター中央病院 骨軟部腫瘍・リハビリテーション科 希少がんセンター長 川井 章
認定NPO法人キャンサーネットジャパン理事 柳澤 昭浩
がん情報際サイト「オンコロ」オンコロジー事業本部 本部長 可知 健太

開会挨拶
講演 前編
講演 後編
ディスカッション
閉会挨拶

加藤) 皆さん、こんばんは。本日は、希少がん Meet the Expertにお越しいただきまして、誠にありがとうございます。ただ今からセミナーを開催いたしたいと思います。希少がん Meet the Expertは、国立がん研究センター 希少がんセンター、認定NPO法人キャンサーネットジャパン、がん情報サイト「オンコロ」共催。
株式会社かるてぽすと、樋口宗孝がん研究基金、株式会社クリニカル・トライアル、株式会社クロエ、後援、運営協力で開催いたします。このセミナーは、原則として毎月第2金曜日に開催していきます。

私は司会、進行を担当いたします、国立がん研究センター 希少がんセンターの加藤陽子と申します。どうぞよろしくお願いいたします。それでは、開会に先立ちまして、国立がん研究センター中央病院、病院長の西田俊朗から挨拶がございます。西田のほうは、次回の第2回のGIST(消化管間質腫瘍)のほうで講師を務めます。では、よろしくお願いします。

西田) こんばんは。本日は皆さんたくさんの方にお集まりいただきまして、ありがとうございます。希少がんセンターが、主に主催したというかたちで、先ほど紹介がありましたように、Meet the Expertというのをやろうと、これから定期的に実施していこうと思ってます。ご存知のように、希少がんセンターは、できたのは2年半前です。2014年の6月に希少がんセンターを、がん研究センターの中に作りました。それ以来いろいろな希少がんの相談を受けまして、結構、最近は認知度が高くなったかな?っと思っています。ただ、希少がんの患者さんは、結構いろいろな場面で困ったことがあります。いくつかありますが、その中にやっぱり情報が少ない、正しい情報がしかも少ない、と実情がございまして、これを是非少しでも解決しようということで、Meet the Expertのセミナーの中で、きちんと専門知識の持った人が、正しい現状の情報出していこう、ということで、企画してもらいました。先ほどもお話しがありましたが、私も希少がんのGISTというがん種を担当しています。来月、その話を少しさせてもらおうかなと思っていますが、是非これから可能な限り、皆さんに見ていただくのと、できるだけ多くの方に見ていただきたいなということで、このセミナーはネットで流すようにいたします。

是非、希少がんのような病気を、診断されたんだけどというときに、誰でも見れるようにしていきたいと思いますので、ご協力のほど、よろしくお願いします。この後、希少がんセンターのセンター長である。川井章から一言、挨拶をしていただきまして、本格的に始めたいと思います。では、川井先生お願いします。

川井) 皆さんこんばんは。国立がん研究センター 希少がんセンター長を務めさせていただいております。川井と申します。金曜日の夜、大変お忙しい中、こんなにたくさんの患者さん、あるいはご家族の方に来ていただいて、このMeet the Expertを企画した1人として、いささか緊張しております。今、院長の西田からお話がありましたように、希少がんというのは、5大がんに比べると、まだまだ耳慣れない言葉でありますけども、希少がんの定義というのが2年前に決まりました。厚生労働省の検討会で決められましたが、「人口10万人あたり年間6人未満の患者さんが発症するものを、希少がんとしよう」と決めたんですね。そうすると、希少がん、今日のお話はメラノーマでありますけども、先ほどの西田先生の専門としておられるGIST。それから私、もともと整形外科医ですので、肉腫の専門家ですけども、そのような病気は全部、希少がんになってしまうんですね。

一つ一つの希少がんというのは、がん全体の中では、本当に小さな、1%未満のがんなんですね。ですから、がん対策であるとか、がんの情報というのは、乳がん、肺がん、胃がんはたくさん患者さんもいらっしゃいますし、研究もそれなりに進んでいます。患者さん自身も似たような、あるいは同じような経験をした患者さんが、どこかにやはりいらっしゃる、ということで、患者さん自身の情報も少ない。それから、研究の進捗も遅い。ある意味、情報を過疎の中に置かれた患者さんがたくさんいらっしゃるということが、大きな問題だというふうに言われております。先ほど、西田のお話にもありましたように、希少がんセンターを2年半前に、国立がん研究センターの中に作っていただきました。それから、先ほどの加藤が担当しております。希少がんホットラインという電話相談を始めましたが、この2年半の間に希少がんホットラインには、7,000人を超える患者さん。あるいはご家族から相談をいただきました。その数の多さに、まずびっくりしたということもありますが、反面、それだけ患者さんがどうしたらいいか困ってらっしゃると。日本、津々浦々から電話がかかってまいります。本当に困ってらっしゃるということを、1人の医師として、2年間痛感しておりました。患者さんに対して希少がんに対する最新の正しい情報を。なかなか一人一人の患者さんのご自身だけのちからでは、得る事のできない最新の正しい情報を、できるだけ多くの方に知っていただきたいという思いがずっとありました。

そこに、キャンサーネットジャパン、あるいはがん情報サイト「オンコロ」さん。さまざまな方がちからを貸してくださいまして、私たちの持てる専門家としての知識。そういうものを、目の前にいらっしゃる患者さんだけでなくて、日本全国のさまざまな患者さんにお届けすることができると、そういう機会を作っていただきました。私たちとしても、このMeet the Expertというのは、大変期待をしていますし、ちからを入れて取り組んでまいりたいと思っております。これから毎月第2金曜日に、このような会を開催していきたいと思いますので、どうぞ、お力添えをいただけたらと思います。少し長くなってしまって申し訳ございませんでした。ではこれで希少がんセンター長としての話を、終わらせていただきたいと思います。では、共催してくださっております方々に、少しお話をいただきたいと思います。

柳澤) こんにちは。私はキャンサーネットジャパンと、樋口宗孝がん研究基金というところの立場で、挨拶させていただきます柳澤と申します。

可知)がん情報サイト「オンコロ」の可知と申します。よろしくお願いします。

柳澤) 簡単に、背景だけご紹介しますと、2013年、私たちはNPO法人として希少がんの情報発信をしたいということで、ビデオ配信プログラムをスタートしました。これは外国の、アメリカの支援団体の助成を受けて作ったものです。その時から、やはりこういった国立がん研究センターとご一緒に、こういったプログラムを届けたいとずっと思っていました。今回、さまざまな方のご協力を得て、こういうプログラムがスタートできることになりました。
その背景には、実は、樋口宗孝がん研究基金が、若年者のがんを応援している団体なのですが、若い子たちがここに通って、一緒に川井先生や、加藤さんと交流始めたのが、僕はこれがきっかけだと思っています。今日から毎月1回、12回続きますが、是非、よろしくお願いいたします。「オンコロ」よりご挨拶を。

可知) 我々のほうは、2015年の5月から治験情報をお届けするというコンセプトでスタートしまして、我々のほうにも希少がんの患者さんから、何か情報がないか?といろいろと問い合わせをいただいてる中で、その一方、そういった希少がんの情報がないという実情は、我々もよくわかってますし、我々も情報を持ちえないといったところがございました。その中で国立がん研究センター様と、キャンサーネットジャパンさんと一緒になって、このような会を開くことができたことを光栄に思っております。どうぞ、皆さんよろしくお願いします。

加藤) ありがとうございました。このセミナーは、はじめに講師の先生からの講義がありまして、後半は皆さんからのご質問に答えるかたちで、ディスカッションしていきたいと思います。お手元に質問表があると思いますので、何か質問等ございましたら、それにお書きになってスタッフのほうにお渡しください。本日はメラノーマの患者会Over The Rainbowの徳永寛子さんがいらしております。徳永さんには、後半のディスカッションの時に、一緒にご参加いただいて、皆さんと討議していきたいと思います。では、本日のテーマは悪性黒色腫・メラノーマの講義となります。本日の講師をご紹介いたします。国立がん研究センター中央病院皮膚腫瘍科、希少がんセンターの山崎直也先生です。先生、どうぞよろしくお願いいたします。

講演 前編に続く

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