スプリセル(ダサチニブ)


  • [公開日]2017.08.16
  • [最終更新日]2017.09.19

本ページは株式会社インテリムとオンコロで共同で作成しています。

概要

一般名 ダサチニブ
商品名 スプリセル
治験薬コード
一般名英語表記 dasatinib
商品名英語表記 SPRYCEL
種類 分子標的薬
チロシンキナーゼ阻害薬
種類 Bcr-Abl
投与経路 内服
適応がん種 慢性骨髄性白血病
・急性リンパ性白血病

特徴

ダサチニブは、チロシンキナーゼ阻害剤と呼ばれる分子標的治療薬のひとつです。慢性骨髄性白血病ではフィラデルフィア染色体と呼ばれる異常な染色体が発現しています。フィラデルフィア染色体が形成されると、この染色体にあるDNA情報を元にして異常なタンパク質が作られます。この異常なタンパク質をBcr-Ablと呼びます。このタンパク質が細胞内のシグナル伝達を促進させ、白血病細胞の増殖を活発にします。細胞の増殖に関係する酵素がチロシンキナーゼです。

ダサチニブはこのチロシンキナーゼの働きを阻害し、白血病細胞の増殖を引き起こすシグナル伝達を遮断するすることで抗腫瘍効果を発揮します。ダサチニブより先にこの疾患に使用されていたイマチニブと異なる作用機序を持っているため、イマチニブ治療抵抗性の慢性骨髄性白血病にも効果を発揮します。2017年2月現在、慢性骨髄性白血病、再発又は難治性のフィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病に適応があります。

効能・効果

・慢性骨髄性白血病
・再発又は難治性のフィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病

用法及び用量

1)慢性骨髄性白血病
 (1) 慢性期
通常、成人にはダサチニブとして1日1回100mgを経口投与する。なお、患者の状態により適宜増減するが、1日1回140mgまで増量できる。

 (2) 移行期又は急性期
通常、成人にはダサチニブとして1回70mgを1日2回経口投与する。なお、患者の状態により適宜増減するが、1回90mgを1日2回まで増量できる。

2)再発又は難治性のフィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病
通常、成人にはダサチニブとして1回70mgを1日2回経口投与する。なお、患者の状態により適宜増減するが、1回90mgを1日2回まで増量できる。

重大な副作用

汎血球減少、白血球減少、好中球減少、血小板減少、貧血、脳出血・硬膜下出血、消化管出血、胸水肺水腫、心嚢液貯留、腹水、全身性浮腫、肺炎、敗血症、間質性肺疾患、腫瘍崩壊症候群、心電図QT延長、心不全、心筋梗塞、急性腎不全、肺動脈性肺高血圧症

参考リンク

https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/GeneralList/4291020F1

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