アドセトリス(ブレンツキシマブベドチン)


  • [公開日]2017.08.16
  • [最終更新日]2019.09.20

本ページは株式会社インテリムとオンコロで共同で作成しています。

概要

一般名 ブレンツキシマブベドチン
商品名 アドセトリス
治験薬コード
一般名英語表記 Brentuximab vedotin
商品名英語表記 ADcetris
種類 分子標的薬
種類 微小管阻害薬結合抗CD30 モノクローナル抗体
投与経路 注射
適応がん種 ホジキンリンパ腫
未分化大細胞リンパ腫

特徴

アドセトリスは抗CD30抗体にモノメチルアウリスタチンE(MMAE)が結合した分子標的薬の一種です。悪性リンパ腫の中にはがん細胞の表面にCD30という抗原分子を発現しているタイプがあります(CD30陽性といいます)。

アドセトリスを投与するとCD30を狙って悪性リンパ腫細胞と特異的に結合します。アドセトリスが細胞内に取り込まれるとMMAEが抗CD30抗体から分離して微小管という器官に結合します。

微小管はがん細胞の分裂に必要な器官なので、MMAEが結合することによりがん細胞の分裂が阻害され死滅します。2019年2月現在、再発又は難治性のCD30陽性の下記疾患:ホジキンリンパ腫、未分化大細胞リンパ腫に適応があります。

微小管というのは、がん細胞だけではなく、普通の細胞の分裂にも関わる器官です。細胞分裂は細胞周期のM期で起こります。主に、二極性の紡錘糸を形成し、赤道面に並んだ染色体を細胞の両極に引っ張ることで細胞分裂を引き起こします。

効能・効果

・ホジキンリンパ腫
・未分化大細胞リンパ腫

用法及び用量

未治療のCD30陽性のホジキンリンパ腫
ドキソルビシン塩酸塩、ビンブラスチン硫酸塩及び、ダカルバジンとの併用において、通常、成人には、ブレンツキシマブ ベドチン(遺伝子組換え)として2週間に1回1.2mg/kg(体重)を最大12回点滴静注する。なお、患者の状態に応じて適宜減量する。

再発又は難治性のCD30陽性のホジキンリンパ腫及び未分化大細胞リンパ腫
通常、成人には、ブレンツキシマブ ベドチン(遺伝子組換え)として3週間に1回1.8mg/kg(体重)を点滴静注する。なお、患者の状態に応じて適宜減量する。

重大な副作用

末梢神経障害(61%):
手足のしびれ、手足の痛み、感覚のまひなどが現れる場合があります

感染症(26%)
免疫力が低下することにより、感染症にかかりやすくなってしまいます。

進行性多巣性白質脳症(PML)(頻度不明):
痙攣、意識障害、物忘れ、しゃべりにくい、考えがまとまらないなどが現れる場合があります

骨髄抑制(64%):
好中球減少症血小板減少症、貧血などが現れる場合があります
上記などにより肺炎や敗血症などの重篤な感染症が現れる場合もあり十分な観察などが必要です

腫瘍崩壊症候群(0.2%):
体内の尿酸が増加、カリウムなどの電解質バランスが崩れるなどが現れる場合があります
皮膚粘膜眼症候群(Stevens-Johnson症候群)(0.2%):
悪寒、吐き気、呼吸困難、そう痒、咳嗽、蕁麻疹、まぶた・唇などの腫れ、発熱、などが現れる場合があります。

急性膵炎(0.1%):
腹痛、吐き気、背部の痛み、食欲の低下、膨満感などが現れる場合があります

劇症肝炎(頻度不明)、肝機能障害(10%):
黄疸 (肝臓や血液の異常で皮膚や粘膜が黄色くなること)、出血傾向、精神状態の悪化などの症状が現れる場合があります。  

肺障害(1%):
咳、痰、呼吸困難などが現れる場合があります。

参考リンク

https://www.pmda.go.jp/PmdaSearch/iyakuDetail/GeneralList/4291425D1

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