目次
希少がんとは
希少がんは、1年間に罹患する患者数が10万人当たり6人未満の患者数が少ない「まれ」ながんです。患者数が少ないため、診断・治療経験が豊富な医師や病院を見つけにくく、診断に時間がかかることも多くあります。また、研究が進みにくく、治療法の確立が遅れています。
国立がん研究センター希少がんセンターHPに、さまざまな希少がんの解説を掲載しています。
https://www.ncc.go.jp/jp/rcc/about/index.html
MASTER KEY(マスターキー)プロジェクトとは
国立がん研究センター中央病院が中心となって開始した、希少がんの患者さんのための産学共同プロジェクトです。
希少がんの研究開発およびゲノム医療の推進を目的としています。
このプロジェクトには「希少がんデータベースの構築(レジストリ研究パート)」と「治験の推進(臨床試験パート)」の2つの柱があります。
国立がん研究センター MASTER KEYプロジェクトのページはこちらです。
https://www.ncc.go.jp/jp/masterkeyproject/index.html

希少がんデータベースの構築(レジストリ研究パート)
同意が得られた希少がん患者さんを登録し、診療情報・それぞれのがんの遺伝子異常の情報・治療に対する効果を含む大規模で信頼性の高いデータベースを構築して、希少がんの特性を明らかにします。希少がんの患者さんの情報を追跡調査しながら集めることで、5~10年後には、ある病気にはどういう遺伝子異常が多いのか、疾患ごとにどういう治療を受けた人がどうなったのかなど、いろいろな情報が蓄積され、これまで分かっていなかったことが解明されていく可能性があります。これらの情報は将来の研究や薬事申請の参考資料として活用し、将来の患者さんのための重要な情報となります。
治験の推進(臨床試験パート)
遺伝子の異常などのバイオマーカー情報を基に、希少がんの患者さんを対象にした治験や最先端の研究を進めています。すでに、いくつかの希少がんを対象にした治験がスタートしています。
オンコロでは、MASTER KEY プロジェクトの一部治験を詳しく紹介しています。
詳細は下記表内の治験詳細にございますボタンをクリックしてください。
※バイオマーカー … 治療介入の指標となる、腫瘍の遺伝子異常や蛋白発現状況
試験種別(略称) | 対象 | 治験薬 | 試験詳細お問合せ先 |
---|---|---|---|
企業治験(ROAR試験) | BRAF V600E陽性 希少がん | ダブラフェニブ トラメチニブ | JapicCTI-173743希少がんホットライン |
医師主導治験(ROCK試験) | dMMR/MSI-high陽性 希少がん | ニボルマブ | ![]() |
医師主導治験(ROLL試験) | 希少がん全体 | ニボルマブ | JMA-IIA00345希少がんホットライン |
医師主導治験(STATICE試験) | HER2陽性 子宮癌肉腫 | DS-8201a | ![]() |
医師主導治験(TACKLE試験) | ALK陽性 成人希少がん | アレクチニブ | ![]() |
企業治験 | 悪性胸膜中皮腫 | Ad-SGE-REIC | JapicCTI-152998 |
企業治験 | 腺様嚢胞癌 | Liposomal Eribulin | JapicCTI-173649登録終了・追跡中 |
医師主導治験(MADAME PRINCESA) | MDM2陽性 内膜肉腫 | DS-3032b | JMA-IIA00402希少がんホットライン |
レジストリ研究パートの対象となる患者さん
希少がんのほかに、原発不明がん、主要ながん種の希少組織分類※の患者さんが対象となります。
※胃がん、大腸がん、肺がん、乳がん、肝臓がん等の希少組織亜型のことです。
お問合せ
・その他MASTER KEY プロジェクトに関するお問合せは下記へご連絡下さい。
国立がん研究センター 希少がんセンター 希少がんホットライン
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