前立腺がんが再発・転移した場合

治療後に残った小さながん細胞が再び増殖し始めるのが再発、がん細胞が他の組織に移動して、そこで腫瘍を形成するのが転移です。

 根治目的で手術しても目に見えない微細ながん細胞が残り、それが再び増殖し始めた状態が「再発」です。放射線療法で消滅させたはずのがん細胞がしぶとく生き残り、増殖し始めるのも再発です。同じ臓器(前立腺がんの場合、摘出した部位やその周辺)ではなく、離れた組織や臓器に「転移」した状態で見つかることもあります。

 再発の兆候はまずPSA値の上昇として現れ(PSA再発=生化学的再発)、続いて画像診断や触診で腫瘍が確認されます(臨床的再発)。後者の段階では、再発がんがかなり進行していると考えられます。再発時の治療方法は、根治治療前のがんの悪性度や進行度、PSA値の上昇速度などに応じて検討されます。手術後に局所的に再発した場合は放射線療法か内分泌療法、放射線療法後に同じく局所的に再発した場合は内分泌療法が一般的な選択肢ですが、状態によっては当面、経過を観察する場合もあります。 

 がん細胞が発生した場所から離れ、リンパ管や血管を経て、リンパ節やほかの臓器で増殖して腫瘍を形成した「転移」の場合、残念ながら治療が難しくなります。遠隔臓器への転移があれば根治は不可能と考えたほうが
よいでしょう。内分泌療法や化学療法でできるだけがんの増殖を抑え、QOLを維持しながら延命を図るのが一般的な治療方法です

 前立腺がんは骨盤、下部腰椎、大腿骨など骨に転移しやすく、腰や脚の痛みのために受診し、初めて前立腺がんだとわかるケースも、まだ少なくありません。骨転移には有効な薬剤があります。また、痛みの緩和には鎮痛薬、ステロイドなどの薬物が用いられるほか、放射線による緩和治療も有効です。再発したがんや転移のあるがんでは、完治しなくても、がんと共存していくことは可能です。担当医や薬剤師、看護師などとよく話し合って、がんと付き合っていきましょう。

本コンテンツは認定NPO法人キャンサーネットジャパンが出版する「もっと知ってほしい前立腺がんのこと」より抜粋・転記しております。


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