再発がんの治療について

治療によって一度は目にみえない状態になったリンパ腫が再び出現した状態を再発といいます。悪性リンパ腫の場合、再発したとしても、薬物療法や造血幹細胞移植を受けることで治癒が期待できます。

再発とは、一度は消えたようにみえた悪性リンパ腫細胞が、はじめの治療では死滅せずにまた出現した状態です。再発治療も悪性リンパ腫のタイプによって異なります。ホジキンリンパ腫とびまん性大細胞型B細胞リンパ腫の再発で65歳未満の人の場合は、自家末梢血幹細胞移植と大量薬物療法を併用します。

患者さんの末梢血幹細胞は、ESHAP療法(エトポシド、シスプラチン、シタラビン、メチルプレドニゾロン)など、大量薬物療法へつなげるための救援薬物療法(治療)の2〜3コース目を行う際に採取します。びまん性大細胞型B細胞リンパ腫では、救援薬物療法にリツキシマブを加えます。

低悪性度B細胞リンパ悪性度B細胞リンパ腫の再発治療は通常の薬物療法が中心で、初回にリツキシマブ単独治療を受けた人は再度リツキシマブの投与、あるいはR-CHOPかR-CVP療法を行います。R-CHOP療法後の再発の場合、リツキシマブ、イブリツモマブチウキセタン、フルダラビン、ベンダムスチンといった薬剤を単独、あるいは組み合わせて使います。

R-CVP療法も選択肢の1つです。また、びまん性大細胞型B細胞リンパ腫、末梢T細胞リンパ腫、ホジキンリンパ腫の再発治療には、ゲムシタビンを使う場合があります。

未分化大細胞型リンパ腫かホジキンリンパ腫で再発したときには、CD30を標的にしたCD30抗体薬に強力な抗がん剤であるモノメチルオーリスタチンEを結合させたブレンツキシマブベドチンの投与が有効です。成人T細胞白血病リンパ腫でがん細胞の表面にCCR4タンパクが発現しているタイプの再発なら、分子標的薬(抗体薬)のモガムリズマブでリンパ腫が縮小する可能性があります。

悪性リンパ腫の再発治療は、新しい治療法の開発が進行中の分野です。担当医とよく相談して治療を受けましょう。

造血幹細胞移植について

悪性リンパ腫の治療では大量薬物療法が必要な場合がありますが、抗がん剤を大量に投与すると血液をつくる能力も破壊されてしまいます。そこで、患者本人やドナー(提供者)の造血幹細胞を移植して、血液をつくる機能を回復させる方法が造血幹細胞移植です。

患者自身の造血幹細胞をあらかじめ採取・冷凍保存して使う方法を自家造血幹細胞移植(自家移植)、血縁者や骨髄バンクの登録者などドナーから提供された造血幹細胞を用いる方法を同種造血幹細胞移植(同種移植)といいます。

ホジキンリンパ腫、中悪性度・高悪性度の非ホジキンリンパ腫の再発治療のように、大量薬物療法を行うときには自家移植が効果的です。低悪性度非ホジキンリンパ腫で通常の薬物療法が効かない場合や成人T細胞白血病リンパ腫の場合は、同種移植によりほかの人のリンパ球を入れることで治癒を目指します。

移植に用いる造血幹細胞は、末梢血、骨髄、臍帯血の3種類があります。悪性リンパ腫の自家移植はほぼ100%末梢血を使い、同種移植ではドナーの骨髄か末梢血を用います。これまで血縁者以外からの骨髄移植はドナーの選択と調整に時間がかかるのが難点でした。

造血幹細胞移植の拠点病院整備などを盛り込んだ「移植に用いる造血幹細胞の適切な提供の推進に関する法律」が2012年に成立し、今後は迅速に移植を受けられるようになることが期待されます。

本コンテンツは認定NPO法人キャンサーネットジャパンが出版する「もっと知ってほしい悪性リンパ腫のこと」より抜粋・転記しております。