再発とは

再発とは、手術などで治ったように見えても腹膜や肝臓に転移して、再びがんが現れることです。いったん再発すると治癒は難しくなりますが、がんと長く共存できるよう、手術後は定期検査を受けて、早期発見に努めることが大切です。

再発の多くは術後3~5年以内に起こる

再発とは、手術した時点ですでに転移していた微小ながんが大きくなり肉眼的にわかるようになった状態、あるいは血中や骨髄に潜んでいたがんが転移して大きくなった状態のことをいいます。たとえば、手術で温存した胃に微小ながんが残っていて胃の吻合部(胃と小腸などのつなぎ目)に再発する場合や、胃の周りの切除すべき転移リンパ節が取り残され、そこに潜んでいたがんが大きくなった場合など、手術した場所で起こる再発を「局所再発」といいます。

また、がんが腹膜に再発した場合を「腹膜再発」、肝臓に再発した場合を「肝再発」、胃から離れたリンパ節に再発した場合を「リンパ節再発」、ほかの臓器に再発した場合を「遠隔転移再発」といいます。このような再発は早期胃がんでは起こりにくく、病期が進むほど起こる確率が高くなり、90~95%は術後5年以内に、80~85%は術後3年以内に見つかります。そのため、胃がんの治療では術後5年経って再発がなければおおむね根治したと考えられています。

手術後の定期検査をきちんと受ける

再発を予測し、確実に防ぐことは難しく、残念ながらいったん再発すると治癒する可能性はほとんどなくなります。しかし、早期発見によって、まれに治せることもあります。また、そうでなくてもがんと共存する時間を長くし、有意義な時間を持つことができるので、定期検査を受けることが大切です。『胃癌治療ガイドライン』では、Ⅰ期および手術でがんを取り切れた可能性の高いⅡ期、Ⅲ期に対して術後の定期検査の頻度を示しています。

Ⅰ期では、手術から1か月前後で最初のフォローアップを行い、それ以降3年目までは6か月ごと、4年目、5年目は1年ごとに定期検査を行います。Ⅱ期、Ⅲ期では術後1年間は術後補助化学療法を行いますので、できれば2週間ごと、少なくとも6週間ごとにフォローアップを行います。さらに、その間を含めて術後2年目までは3か月ごと、それ以降5年目までは6か月ごとに定期検査を行い、再発および胃切除術の後遺症の有無を調べます。

ただし、術後1年間は消化管機能の回復と胃切除した状態に順応しているかどうかを確かめる目的もありますので、外来受診の頻度は術式や個人の状況によって異なります。また、胃全摘術を受けた場合、ビタミンB12が小腸で吸収できなくなるため、年に2~4回程度、外来でビタミンB12の注射を受ける必要があります。

定期検査では問診、診察、血液検査、腫瘍マーカー検査のほか、Ⅱ期、Ⅲ期では頸部リンパ節の触診、貧血・黄疸の確認、腹部触診、直腸診などが行われることがあります。さらに腹部超音波、胸腹部CT、上腹部内視鏡の検査を必ず行い、胸部X線や残胃造影、注腸、大腸内視鏡、骨シンチグラフィー、PETなどの検査は必要に応じて行われます。

本コンテンツは認定NPO法人キャンサーネットジャパンが出版する「もっと知ってほしい胃がんのこと」より抜粋・転記しております。