子宮体がんとは

子宮体部の内膜に発生するがんで、子宮頸部にできる子宮頸がんとは性質が異なります。多くは女性ホルモンのエストロゲンが関係するタイプです。子宮は主に筋肉からできており、入口に近い頸部と奥の体部に分けられます。子宮体部は妊娠していないときには、鶏卵よりやや大きいくらいのサイズです。子宮体がんは子宮体部の内膜にできるがんで、子宮頸部にできる子宮頸がんとは性質が異なることから、明確に区別して診断・治療が行われます。

子宮体がんは閉経を迎える前後の40代後半から増え始め、50~60代で最も多くなるのが特徴です。ただ、最近では、40歳未満でみつかる「若年子宮体がん」が増えていることが指摘されています。子宮体部の内側の内膜は、排卵前に増殖して厚みを増し、月経ではがれるという新陳代謝を繰り返していますが、閉経に向かうころから、この内膜の部分にがんができることがあるのです。

子宮体がんにはいろいろな種類があります。腺細胞(子宮内膜を潤す粘液を分泌する)に発生する「腺がん」がほとんどで、そのうち8割以上が治りのよい類内膜腺がんです。女性ホルモンのエストロゲンが関与しているかどうかによっても、がんのタイプが分けられます。

子宮体がんの検査と診断

内診や触診のほか、経腟超音波検査、子宮内膜の細胞診の後、確定診断のために組織診などが行われます。がんの広がりをみる骨盤のMRI検査やCT検査などの画像検査も必須です。子宮体がんが疑われるのは、

①初期の症状(月経時ではない不正出血、月経の周期や期間の乱れ、月経量の増加、閉経後の出血、水っぽいおりものなど)がみられるとき
②内診や触診で子宮や周囲の腫れ、粘膜の異常などがみられるとき
③腟から器具を入れる経腟超音波検査で、子宮内膜が異常に厚くなっている様子がみられるとき
④子宮内膜の細胞の検査(細胞診)で異常な細胞がみつかったとき

などです。細胞診は特殊な器具で子宮内膜をこすって細胞を採取し、顕微鏡で細胞の形状をみる検査で、外来で行われます。結果が出るまで1週間ほどかかるのが普通です。

さらに組織検査や画像検査も行われる

子宮体がんと確定診断するには、子宮内膜の組織検査(組織診)が必須です。がんが疑われる部位や広がりを特定するために、前述の経腟超音波検査とともに、腹部超音波検査、骨盤MRI(磁気共鳴画像)検査、CT(コンピュータ断層撮影)検査などの画像検査も行われます。

組織診では、子宮頸管を広げる器具を腟から入れ、匙(さじ)型の金属の器具で子宮内膜組織をこすり取り、顕微鏡で調べます。原則として、経腟超音波検査や骨盤MRI検査で組織をこすり取る位置をおおよそ特定してから行われます。

子宮内膜の一部ではなく、子宮内膜を全面的に取って顕微鏡でみる検査、軟らかく細い内視鏡(子宮鏡)を使って子宮をみる検査、子宮内に生理食塩水を入れて、流れ出た水の中に含まれる子宮内膜細胞を調べる検査などが行われるケースもあり、場合によっては検査を行うときに麻酔をかけます。

このような検査で、子宮体がんと診断された後、がんの広がりの程度を確認するために、さらに血液検査で腫瘍マーカー(腫瘍細胞が作る物質を測定する。子宮体がんではCEA、CA125とCA19-9)を調べたり、肝機能検査、胸部X線検査、直腸診なども行われます。

本コンテンツは認定NPO法人キャンサーネットジャパンが出版する「もっと知ってほしい 子宮体がんのこと」より抜粋・転記しております。