黄疸の治療について

胆道がんの治療を進めるにあたって、黄疸のコントロールは重要です。肝臓や胆管にチューブを入れ、体の外や腸管へ胆汁が排出されるようにする胆道ドレナージ(減黄療法)を行います。がんによって胆汁の流れが滞るために起こる黄疸は、胆道がんの患者さんに最も多い症状です。

黄疸を軽減するためには、胆道ドレナージという減黄療法を行い、胆管がふさがって上流にたまった胆汁が排出されるようにします。減黄療法は手術や薬物療法といったがんの治療を進めるうえでも、患者さんの生活の質(QOL)を改善するためにも重要です。

胆道ドレナージの方法

減黄療法には、ERBD(内視鏡的逆行性胆管ドレナージ)とPTBD(経皮経肝胆道ドレナージ)の2種類があります。

ERBDは、鼻あるいは口から十二指腸まで内視鏡を挿入して胆管に細いチューブをつなげ、詰まった部分を通らずに胆汁が流れるように別の道をつくる方法です。

PTBDでは、体の外から皮膚、肝臓に針を刺し、胆管に細いチューブを挿入して胆汁を排出します。どちらの方法でも、胆汁が滞りなく流れるようになれば、1~4週間で黄疸が軽減します。

ERBDは肝内や上部胆管のがんにおいて比較的手技が難しいのが難点ですが、出血を伴わない方法であり腹水がたまっている人でも実施できるのが長所です。一方、PTBDは確実性が高いものの、腹部に針を刺すため出血を伴う治療であり、腹水がたまっている人や胆管があまり広がっていない人には不向きな方法です。どちらを選択するかは本人の状態や希望にもよりますが、内視鏡が普及している日本では、ERBDを行うことが多くなっています。

黄疸が出ているときには全身倦怠感、疲労感、皮膚のかゆみ、発熱といった症状が伴うこともあって、一般的に減黄療法は入院治療として行います。

胆汁の排出方法

ERBD、PTBDのどちらの場合も、胆汁の排出方法には、チューブを通して胆汁を体の外へ出す外瘻法(がいろうほう)と、胆管にステント(管)を埋め込んで腸管へ胆汁を流し込む内ない瘻ろう法ほうの2種類があります。

外瘻法は、鼻、あるいは腹部から細いチューブを出して、専用バッグやボトルに胆汁をためる方法です。内瘻法では、胆管がふさがっているところにステントを埋め込んで新たな道をつくり、胆汁の流れを取り戻します。ステントには直径4mm程度の細いプラスチックステントと、直径10mm程度のメタリック(金属製)ステントがあります。プラスチックステントは交換可能で安価ですが、詰まったり抜けたりしやすいので長期使用には適さない面があります。

どちらの方法が適しているかは受ける治療法や詰まっている状況などによって異なります。ステントを埋め込むと手術後の合併症で感染のリスクが高くなるため、術前の減黄療法では、外瘻法でチューブを鼻や腹部から出す場合が多くなっています。

術前にステントを使うときにはプラスチックステントを挿入します。手術の適応にならない人や術後に再発して黄疸が出た場合の減黄療法には、長期使用が可能なメタリックステントを埋め込むのが一般的です。

進行・再発胆道がんの場合には、ステントを埋め込んでも胆管の別の場所がふさがってまた黄疸が出ることが少なくありません。その際は、再度、胆道ドレナージを行います。

本コンテンツは認定NPO法人キャンサーネットジャパンが出版する「もっと知ってほしい 胆道がんのこと」より抜粋・転記しております。