治療について

胆道がんでは可能な限り手術を行います。手術でがんを取り除くことが難しいケースは薬物療法(化学療法)で治療します。胆道がんの主な治療法は、手術と薬物療法(化学療法)です。どの病期であっても、根治が可能な限りは手術を行い、がんとその周囲のリンパ節などを取り除きます。手術の前には、必要に応じて胆道ドレナージや門脈塞栓術といった術前処置を行います。

Ⅳ期で、胆道がんと離れたリンパ節や臓器に転移があるために切除が難しいと判断された場合には、薬物療法を行うのが標準治療です。このときも黄疸が出ていれば、必ず胆道ドレナージを行います。日本肝胆膵外科学会と日本癌治療学会が「胆道癌診療ガイドライン」を作成して、胆道がんの治療を標準化しています。

標準治療は、国内や海外で実施された複数の臨床試験の結果をもとに検討され、専門家の間で合意が得られている、現時点で最善の治療法です。胆道がんは周囲のリンパ節や臓器に広がりやすい特徴をもっていますが、再発予防のために行われる手術後の薬物療法には、現時点では、標準治療として高い効果が証明されたものがないのが実情です。

術後の薬物療法は臨床試験として実施されています。離れたリンパ節や臓器に転移はないが手術は難しいというケースには、放射線療法、あるいは放射線療法とゲムシタビン、テガフール・ギメラシル・オテラシルカリウム(S-1※)などの薬物療法を併用した化学放射線療法が行われる場合があります。
※TS-1とも呼ばれる

放射線療法はがん細胞を死滅させるために、X線、γ線、粒子線などを照射する治療法です。胆道がんの放射線療法には、体の外から放射線を当てる外部照射と、胆管の中から放射線を当てる腔内照射の2つの方法があります。腔内照射は、黄疸の治療のために挿入した胆道ドレナージのチューブの中に放射性同位元素イリジウム192を一定期間入れる治療法です。30分間の腔内照射を3~5回、あるいは、弱い放射線を出すイリジウムを3日間入れる方法があります。

多くのがんでは、手術、放射線療法、薬物療法ががんの三大療法ですが、胆道がんでは今のところ放射線療法の効果と活用範囲は限定的です。

どの治療法にも、利益(効果)と不利益(合併症や副作用など)があります。わからないこと、不安なことは担当医や看護師に相談し、効果や副作用、起こる危険性のある合併症などを知ったうえで治療を受けるようにしましょう。

本コンテンツは認定NPO法人キャンサーネットジャパンが出版する「もっと知ってほしい 胆道がんのこと」より抜粋・転記しております。