胆道がんとは(疾患情報)


  • [公開日]2017.04.01
  • [最終更新日]2023.01.10

胆道とは

肝細胞から分泌された胆汁は、肝臓の肝内胆管を経て肝外胆管を通り、十二指腸乳頭部から十二指腸へと流れ込みます。また、肝外胆管の途中には、胆のうと呼ばれる袋状の臓器があり、そこで胆汁が一時的に貯められています。この胆汁の全排泄経路を総称して、胆道といいます。

日本の「胆道癌取扱い規約」では、肝内胆管に発生したがんは原発性肝がん*、それ以外の肝外胆道系に発生したがんは胆道がんと分類されています。発生部位によって、肝外胆管がん胆のうがん十二指腸乳頭がんに分けられます。

*原発性肝がんの大部分を占める肝細胞がんと区別するために、胆管細胞がんと呼ばれることもあります。

胆道がんの症状

胆道がんの中でも、胆のうがんは最も自覚症状が現れにくく、30-40%は無症状で進行していきます。病期が進むと、右上腹部痛に加え黄疸悪心・体重減少などが起きてきます。

一方、胆管がんの初期症状の約90%が黄疸であり、早期からが現れます。早期・進行期いずれの場合も、胆管炎を併発すると発熱や疼痛が起きてきます。

十二指腸乳頭部がんは、胆道がんの中でも最も早期から症状が出やすく、黄疸・発熱・腹痛・褐色尿が最も多い症状です。

胆道がんの原因

胆管がん・胆のうがんの主な危険因子は、膵管と胆管が十二指腸壁外で合流する先天的な形成異常である膵・胆管合流異常です。がんの発生を予防する目的で、予防的な外科的切除の適応となっています。

一方、十二指腸乳頭がんの明確な危険因子は分かっていません。

胆道がんの罹患率と生存率

2019年の日本における罹患率は、22,159例(男性11,964例、女性10,195例)となっています。また5年相対生存率は、24.5 %(男性26.8 %、女性22.1 %)です。

胆道がんの予後

胆道がんは、膵がんと並んで予後が悪いがんといわれています。初期症状が出にくく発見が遅れるケースや、進行スピードが速いことが原因のひとつです。

胆道がんの最も効果の高い治療法は手術なので、できるだけ手術で取り切れる早期の段階で発見できるよう、気になる症状がある場合は、早めに医療機関を受診することが大切です。

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