胆道がんとは

胆道がんは、肝臓でつくられた胆汁の通り道にできるがんです。胆汁が通る管に発生する胆管がん、胆汁をためておく袋状の臓器に発生する胆のうがん、胆汁の出口で十二指腸につながる部分に発生する乳頭部がんの3つに分けられます。

胆道は胆汁の通り道である胆管、胆のう、乳頭部の総称でこれらの部位に発生する悪性の腫瘍を胆道がんと呼びます。胆管は長さ10~15cm、直径0.5~1cmの管で、胆のうは長さ7~10 cm、幅3~5cm程度の西洋梨のような形をした袋状の臓器です。

肝臓でつくられた胆汁は通常、肝内の胆管から、上部胆管(近位胆管)を通って、いったん胆のうで蓄えて凝縮され、細い胆のう管から下部胆管(遠位胆管)、乳頭部を通って十二指腸に流れ込み、消化を助けます。胆汁は肝臓で生成される黄褐色の消化液で、脂肪の分解と吸収に重要な役割を果たします。

胆道がんは、がんの発生した場所によって、胆管がん、胆のうがん、乳頭部(十二指腸乳頭部)がんの3つに分けられます。胆管がんについては、さらに肝臓から胆のう管までを上部(肝門部領域)胆管がん、その下から十二指腸乳頭部までを下部(遠位)胆管がんと2つに分ける場合があります。

また、がん細胞のタイプで分類すると、胆道がんのほとんどは腺がんです。腺がんは胃がん、肺がんなどにも多くみられ、がんの中で最も多いタイプです。まれですが、神経内分泌腫瘍、扁平上皮がん、未分化がんといった特殊なタイプの胆道がんもあります。

胆道がんは日本では決して珍しいがんではなく、年間約2万人以上が新たに診断されています。男性では9番目、女性では7番目に患者数の多いがんです。また、50歳代から増え始めて70歳代、80歳代の高齢者に多く、胆管がんと乳頭部がんは男性、胆のうがんは女性に若干多い傾向がみられます。人種差や性差でなぜ発症率に差があるのかは不明ですが、胆石、胆のう炎、胆管炎、潰瘍性大腸炎、クローン病などの人は胆道がんにもなりやすいことがわかっています。

なお、胆管がんの一部は、印刷業務で使われている化学物質ジクロロメタン、ジクロロプロパンを長期間吸い込んだことが原因とされています。胆道がんの患者さんの多くは、右上腹部やみぞおちの痛み、眼球や皮膚が黄色くなる黄疸、白っぽい便などの自覚症状によってがんが発見されています。

全身倦怠感、食欲不振、体重減少、発熱といった症状が出る人もいます。胆のうがんで胆石や胆のう炎を併発している人は、早期のがんでも強い痛みを感じたり発熱したりすることがあります。

胆管がんの人の9割は最初に黄疸が出ています。黄疸は、胆汁の通り道ががんでふさがれ、行き場を失った胆汁が血液中に逆流するために起こります。胆汁中にある黄色の色素ビリルビンが血液中に増加して、眼球や皮膚が黄色くなるのです。

本コンテンツは認定NPO法人キャンサーネットジャパンが出版する「もっと知ってほしい 胆道がんのこと」より抜粋・転記しております。