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コロナとは

監修:中川 和彦 先生

1983年熊本大学医学部卒。国立がんセンター中央病院内科、近畿大学腫瘍内科などを経て、2007年より現職。がんの新薬、分子標的薬などの臨床試験に積極的に取り組み、日本における質の高い腫瘍内科の確立を目指す。多施設共同臨床試験グループである西日本がん研究機構の理事長でもあり、日本肺癌学会理事でもある。

監修:中川 和彦 先生

近畿大学医学部 内科学腫瘍内科部門 主任教授

※この情報は令和2年9月19日時点の物です。

そもそも新型コロナウイルスとは?

  現在、各国で流行している新型コロナウイルス感染症(COVID-19)は、SARS-CoV-2(SARSコロナウイルス2)が原因となっており、ヒトへの感染が確認されているコロナウイルスでは7種類目にあたります。

 7種類あるコロナウイルスのうち4種類は、通常ヒトの間で流行する風邪の10~15%の原因ウイルスであり、風邪流行期では3人に1人が感染します。残りの3種類は、4種類のコロナウイルスと比較して病原性が高く、深刻な症状(重症肺炎など)の原因と言われています。2002年に中国を起点に流行した重症急性呼吸器症候群(SARS)の原因として見つかったSARSコロナウイルスは、野生動物からヒトに感染して重症の肺炎を起こし、死亡率は約10%です。2012年にイギリスで中東渡航歴のある肺炎患者から見つかった中東呼吸器症候群(MERS)のMERSコロナウイルスはヒトコブラクダからヒトに感染して重症の肺炎を起こし、死亡率は34%です。

 一方、今回のSARSコロナウイルス2の感染源は特定できていませんが、同様に野生動物からヒトへ感染する可能性などが考えられます。

 この重症肺炎を起こすSARSコロナウイルス2の感染者での死亡率は、約5%であり、SARSコロナウイルスやMERSコロナウイルスよりは低いと試算されています。

ヒトに感染するコロナウイルスの特徴

コロナウイルスの感染経路は?

 これらのコロナウイルスの感染経路は、咳やくしゃみなどで飛び散ったウイルスを含む唾など(飛沫)を吸い込む「飛沫感染」、感染者から発生したウイルスが付着したものを手で触り、その手で口や鼻を触るなどをして体内にウイルスが入り込んで感染する「接触感染」の2つとされています。 飛沫感染に関しては閉鎖した空間で、近距離で会話した場合、咳やくしゃみなどの症状がなくても感染を拡大させるリスクがあるとされています。一方、飛び散った飛沫から水分が抜けた状態でウイルスが長時間空気中を漂い、それを吸い込むことで感染が起こる「空気感染」が指摘されているデータは今のところありません。

コロナウイルスの感染経路は?

風邪やインフルエンザとは何が違うの?

 感染から症状が出るまでの期間(潜伏期間)は1~12.5日(平均5.2日)と言われています。主な症状としては発熱、乾いた咳、倦怠感、痰、息切れといったもので、症状だけを見れば、一般の風邪や季節性インフルエンザと区別がつきにくくなっています。また、下痢などの消化器症状を訴えるケースもありますが、これは比較的少ないとされています。さらに、ヨーロッパからの報告では、感染者の3人に1人は味や臭いに鈍感になる味覚障害・嗅覚障害が発生すると言われているのが、風邪や季節性インフルエンザと異なる点です。

 これまでの報告では、感染者の約80%は無症状や軽症のまま1週間程度で治ってしまいますが、残る約20%は肺炎の症状が悪化して入院し、さらにその一部では集中治療室(ICU)での人工呼吸管理が必要になります。

 他にも季節性インフルエンザと比べて、新型コロナウイルスでは異なる点がいくつかあります。まず、1人の感染者が何人に感染を広げるか(基本再生産数)については、季節性インフルエンザは2~3人と言われていますが、新型コロナウイルス感染症では1.4~6.6人となっています。まだ実態がつかみ切れていないため幅がありますが、季節性インフルエンザよりは他人に感染させやすい傾向があるようです。また、ウイルスが他人への感染力を最も持っている時期が、季節性インフルエンザは発症直後ですが、新型コロナウイルス感染症では発症する2~3日前から発症後1日ごろと言われています。

 つまりほとんど症状がない、あるいはちょっと風邪気味かなと思う程度の症状の人がインフルエンザ以上に周囲に感染させてしまう危険性があるということです。

新型コロナウイルス感染症で死亡リスクが高い因子は?

 新型コロナウイルス感染症では、他の感染症と同じように高齢者や持病のある人が感染した場合に死亡リスクが高いことが報告されています。中国の国立疾病予防管理センター(中国名:中国疾病預防控制中心、略称・中国CDC)が発表した新型コロナウイルス感染症患者4万4672人の解析データによると、40歳代までの致死率は最大でも0.4%ですが、50歳代1.3%、60歳代3.6%、70歳代8.0%、80歳代以上では14.8%と右肩上がりに上昇します。

 また、持病の無い人の致死率は0.9%ですが、心血管疾患(脳梗塞、狭心症、心筋梗塞など)患者10.5%、糖尿病患者7.3%、慢性呼吸器疾患(ぜんそく、慢性気管支炎、慢性閉塞性肺疾患など)患者6.3%、高血圧患者6.0%、がん患者では5.6%などとなっています。

コロナとは

【参考】
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